ELP四部作
『ELP四部作』 | ||||
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エマーソン・レイク&パーマー の スタジオ・アルバム | ||||
リリース | ||||
ジャンル | プログレッシブ・ロック | |||
時間 | ||||
レーベル | マンティコア | |||
プロデュース | グレッグ・レイク | |||
専門評論家によるレビュー | ||||
チャート最高順位 | ||||
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ゴールドディスク | ||||
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エマーソン・レイク&パーマー アルバム 年表 | ||||
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『ELP四部作』(Works, Vol.1) は、エマーソン・レイク・アンド・パーマー(ELP)が1977年に発表した二枚組アルバムである。発表当初は、特に輸入盤を購入した人々の間で、原題に片仮名を当てた「ワークス」という呼称が使われていたが、現在では国内盤CD(紙ジャケット/K2HD盤等)の帯に記載されている「ELP四部作」という日本語名が浸透している。
解説
[編集]製作までの経緯
[編集]1974年のワールド・ツアー終了後、キース・エマーソンはすぐにピアノ・コンチェルトの作曲と制作にとりかかった。録音を終えグレッグ・レイクに聴かせたところプロモーションはどうするのか聞かれた。エマーソンはソロで行うと答えたが、レイクの「オーケストラを3人で使い回すのがよいのではないか」という提案をうけ、ELPのアルバムとして発表することになった。
内容
[編集]本作はスタジオ録音アルバムとしては1973年に発表された『恐怖の頭脳改革』以来約3年半ぶりの新作であり、ELPの初めての二枚組アルバムである。ただしELPの作品はD面に収録されている2曲だけであり、A面にはエマーソン、B面にはレイク、C面にはカール・パーマーのソロ作品が収録されている[注釈 1]。エマーソンがパーマーの「L. A. ナイツ」「タンク」に客演し、レイクがパーマーの「フード・フォー・ユア・ソウル」をパーマーと共同でプロデュースした[2]のを除いて、メンバーは他人のソロ作品には参加していない。
A面にはエマーソンの「ピアノ協奏曲第一番」が収録された。インド出身の作曲家ジョン・メイヤーがオーケストラ・アレンジを協力して、ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団を指揮した。
B面にはレイクのアコースティック・ギターとオーケストラを主体にした作品が5曲収録された。全曲がレイクとピート・シンフィールドの共作である。
C面にはパーマーの作品が6曲収録された。「邪教の神、そして悪の精の踊り」の原曲は、セルゲイ・プロコフィエフが作曲した管弦楽曲「スキタイ組曲」の「邪神チュジボーグと魔界の悪鬼の踊り」である。「L. A. ナイツ」にはエマーソンの他、ジョー・ウォルシュがギターとシャウト・ヴォイスで参加した。「ニュー・オーリンズ」は、ELPの1974年4月のイギリス・ツアーの第一部を務めた[3]イギリスのジャズ・トリオのバック・ドアーのロン・アスペリー(サクソフォーン、キーボード)とコリン・ホジキンソン(ベース・ギター)が参加。「2声のインヴェンションニ短調」の原曲はヨハン・セバスティアン・バッハ作曲の「インヴェンション第4番 ニ短調 BWV 775」である。「フード・フォー・ユア・ソウル」はイギリスのジャズ・ピアニストのハリー・サウスとの共作。「タンク」はELPのデビュー・アルバムに収録されたエマーソンとの共作のカバーである。サウスは最後の3曲の編曲も担当した[4]。
D面に収録されたELPの作品のうち、アーロン・コープランドの作品をアレンジした「庶民のファンファーレ」はELPだけで演奏され、オリジナルの「海賊」はELPとパリ国立歌劇場管弦楽団[注釈 2]の共演である。「庶民のファンファーレ」のアレンジの母体は、1976年、スイスのモントルーで当時ドリームマシンといわれた最高級ポリフォニック・シンセサイザーのヤマハ・GX-1をELPで初めて試した時に生まれ、それをエンジニアが偶然2トラックで録音していた[5]。「海賊」はエマーソンが映画[注釈 3]のサウンド・トラック用に書いた曲をELPの作品に用いたもので、彼は歌詞に傭兵を取り上げることをレイクに提案したが、レイクは傭兵よりも海賊がいいと考え、エマーソンが賛成したので、シンフィールドと二人で海賊についての本や映画を片端から集めて、三週間かかりきりで作詞した[6]。
収録曲
[編集]参加ミュージシャン
[編集]- Emerson, Lake and Palmer
- Keith Emerson – キーボード(A面とD面、「L. A. ナイツ」)
- Greg Lake – ベース・ギター、ボーカル, ギター(B面とD面)
- Carl Palmer – ドラムス, パーカッション(C面とD面)
- その他
- ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団(「ピアノ協奏曲第一番」)
- John Mayer – オーケストラの指揮(「ピアノ協奏曲第一番」)
- Joe Walsh – ギター、ボーカル(「L. A. ナイツ」)
- Peter Sinfield – 作詞
- Godfrey Salmon – オーケストラと合唱団の指揮(B面と「海賊」)
- パリ国立歌劇場管弦楽団(「海賊」)
評価
[編集]イギリスでは最高9位、アメリカでは最高12位を獲得した。ELPのアルバムでトップ10入りを果たした最後のものである。
また、「庶民のファンファーレ」が3分程度に編集されてシングル・カットされ、イギリスのシングル・チャートの2位まで上昇して、ELP最大のヒット曲となった。
脚注
[編集]注釈
[編集]- ^ CDのディスク1にはエマーソンとレイクのソロ作品、ディスク2にはパーマーのソロ作品とELPの作品が収録された。
- ^ 指揮はGodfrey Salmon。
- ^ フレデリック・フォーサイスの小説『戦争の犬たち』に基づいた映画で、プロデューサーはノーマン・ジュイソンであった。
出典
[編集]- ^ 『オリコンチャート・ブックLP編(昭和45年‐平成1年)』(オリジナルコンフィデンス/1990年/ISBN 4-87131-025-6)p.93
- ^ Macan (2006), p. 379.
- ^ Macan (2006), p. 333.
- ^ Macan (2006), p. 673.
- ^ Macan (2006), p. 380.
- ^ Macan (2006), p. 385.
- ^ a b c d “Amazon|ELP四部作|エマーソン・レイク・アンド・パーマー|ロック|音楽”. 2018年4月14日閲覧。
引用文献
[編集]- Macan, Edward (2006). Endless Enigma: A Musical Biography of Emerson, Lake and Palmer. Chicago and La Salle: Open Court. ISBN 978-0-8126-9596-0