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火山調査研究推進本部

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日本の旗 日本行政機関
火山調査研究推進本部
かざんちょうさけんきゅうすいしんほんぶ
火山調査研究推進本部が置かれている 霞が関コモンゲート東館(右)
火山調査研究推進本部が置かれている
霞が関コモンゲート東館(右)
役職
本部長 阿部俊子文部科学大臣
本部長代理 藤原章夫文部科学事務次官
本部員 藤井健志
鈴木敦夫
田和宏
内藤尚志
飯田祐二
和田信貴
組織
上部組織 文部科学省
下部組織 政策委員会、火山調査委員会
概要
所在地 100-8959
東京都千代田区霞が関3丁目2番2号
北緯35度40分18秒 東経139度44分55秒 / 北緯35.67167度 東経139.74861度 / 35.67167; 139.74861座標: 北緯35度40分18秒 東経139度44分55秒 / 北緯35.67167度 東経139.74861度 / 35.67167; 139.74861
設置根拠法令 活動火山対策特別措置法
設置 2024年令和6年)4月1日
ウェブサイト
公式サイト
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火山調査研究推進本部(かざんちょうさけんきゅうすいしんほんぶ)は、日本火山に関する観測や測量、調査、研究を担うため文部科学省に置かれている[1]特別の機関[2]。略称は「火山本部」[3]

概要

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2023年令和5年)の第211回国会で改正された活動火山対策特別措置法第31条に基づき、2024年(令和6年)4月1日に設置された[4]

火山本部の業務・役割は大きく以下の5つである[5]

  1. 観測、測量、調査及び研究の推進について総合的かつ基本的な施策を立案
  2. 関係行政機関の火山に関する調査研究予算等の事務の調整
  3. 総合的な調査観測計画を策定
  4. 関係行政機関、大学等の調査結果等を収集、整理、分析し、総合的な評価を実施
  5. 総合的な評価に基づく広報

本部長は文部科学大臣が務め、関係行政機関の職員の中から文部科学大臣が火山調査研究推進本部員を任命する[6]。本部の下に「政策委員会」と「火山調査委員会」が置かれる。上記の事務のうち、1、2、3、5に関する事務は政策委員会で、4に関する事務は火山調査委員会で取り扱う[7]

本部長は、気象庁長官に対し、4の事務のうち地域に係る火山に関する観測、測量、調査又は研究を行う関係行政機関、大学等の調査結果等の収集を行うことを要請することができる。この場合、要請を受けた気象庁、管区気象台及び沖縄気象台は、「地域火山情報センター」という名称を用いる[8]

対象とする現象が地震か火山かの違いは当然存在するが、事務の内容、組織の構成、気象庁へ要請できる事項などは、同じく文部科学省に設置されている地震調査研究推進本部とほぼ同じである。

活動

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下部組織の火山調査委員会は2024年(令和6年)9月24日、日本国内に111ある活火山について、火山本部として初めての評価案を公表した。従来は気象庁長官の私的諮問機関という位置づけの火山噴火予知連絡会が評価を担当してきた[9]。火山調査研究推進本部に機能の多くが移行されたため、火山噴火予知連絡会は同年11月27日に活動を終了した[10][11]

設置に向けた経緯

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日本において、地震の調査観測や研究については地震調査研究推進本部が司令塔的に担ってきた。日本には111の活火山があるが、かつては火山に関する観測や研究は気象庁、大学、その他の研究機関に分散されており、特に大学では2004年(平成16年)の国立大学法人化以降は研究予算・人員が細っていた。そうした状況で起きた2014年の御嶽山噴火は、死者58人、行方不明5人という第二次世界大戦後では最悪の火山災害となり、日本国政府は火山防災の見直しを迫られた[12]

火山学者藤井敏嗣は、「火山庁」の設置が必要だと提唱した[13]ほか、2015年(平成27年)6月11日の衆議院災害対策特別委員会でも「火山庁」について中川康洋議員から課題提起がなされた[14]

同年8月26日に内閣府で火山防災対策会議を開催することとし、火山防災対策の立案とそれに資する監視観測・調査研究体制をより強化するために、関係機関同士の連携強化を図り、火山防災を推進する体制が整えられた[15]が、法的根拠のない会議体であり、地震に対して見劣りする点は否めなかった。

その後、自由民主党の火山噴火予知・対策推進議員連盟において火山本部設置も含めた法律制定の機運が高まり、2023年(令和5年)3月1日、火山本部の設置を盛り込んだ活動火山対策特別措置法改正案の骨子を取りまとめた[16]。5月10日に自由民主党の部会で了承され[17]6月1日に衆議院で議案受理、6月6日に衆議院、6月14日に参議院で可決され成立した[18]

文部科学省に火山本部を設置することが決まると、その事前準備のため、有識者による「火山調査研究推進本部の設置に向けた準備会」が開催されている。第1回会合は同年9月19日に開催された[19]

脚注

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  1. ^ 文部科学省公式サイト内:科学技術・学術 > 地震・火山・防災研究 > 火山調査研究推進本部(2024年10月13日閲覧)
  2. ^ 地震調査研究推進本部資料:活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第60号)の概要 令和6年4月1日施行
  3. ^ 文部科学省研究開発局地震・防災研究課 文部科学省に火山調査研究推進本部が設置されます!
  4. ^ “「火山調査研究推進本部」を文科省に設置 連携不足解消へ観測、研究を一元化”. 産経新聞ニュース. (2024年4月1日). https://www.sankei.com/article/20240401-SIQJZQTWXNMLTE3FH7LGL6I7RI/ 2024年10月13日閲覧。 
  5. ^ 内閣府 活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律(令和5年法律第60号)の概要
  6. ^ 活動火山対策特別措置法第32条
  7. ^ 活動火山対策特別措置法第33条及び第34条
  8. ^ 活動火山対策特別措置法第35条
  9. ^ 国内111活火山の現状、政府調査委が初評価 噴火中など重点対象も複数選定へ」産経新聞ニュース(2024年9月25日)2024年10月13日閲覧
  10. ^ “噴火予知連、活動を終了 火山本部設置で役割見直し”. 日本経済新聞. (2024年11月27日). https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUF27ANF0X21C24A1000000/ 2024年12月1日閲覧。 
  11. ^ “火山噴火予知連絡会、半世紀の歴史に幕 「役割は終了」”. 朝日新聞. (2024年11月27日). https://www.asahi.com/sp/articles/ASSCW32P9SCWUTIL01QM.html 2024年12月1日閲覧。 
  12. ^ 「火山防災の司令塔 真価はこれから/調査委が初の現状評価」『東京新聞』朝刊2024年9月26日6面
  13. ^ 藤井敏嗣わが国における火山噴火予知の現状と課題『火山』第61巻(2016年)第1号 pp.211-223.
  14. ^ 衆議院 第189回国会災害対策特別委員会第5号(平成27年6月11日(木曜日))
  15. ^ 内閣府政策統括官(防災担当) 火山防災対策会議の開催について
  16. ^ NHK 「火山調査研究推進本部」設置へ骨子案 自民 議員連盟 2023年3月1日配信
  17. ^ 自由民主党 火山対策のさらなる強化へ地方の要望踏まえた活火山法改正案を了承
  18. ^ 衆議院 第211回国会 20 活動火山対策特別措置法の一部を改正する法律案議案審議経過情報
  19. ^ 文部科学省公式サイト:火山調査研究推進本部の設置に向けた準備

関連項目

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外部リンク

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