コンテンツにスキップ

H&K AG36

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』

2024年3月22日 (金) 14:17; 雪舟 (会話 | 投稿記録) による版(日時は個人設定で未設定ならUTC

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)
H&K AG36
H&K G36A2に装備されたAG36
種類 擲弾発射器
原開発国 ドイツの旗 ドイツ
運用史
配備先 採用国の一覧を参照
関連戦争・紛争 アフガニスタン紛争 (2001年-2021年)イラク戦争
開発史
開発者 H&K
製造業者 H&K社
派生型 H&K AG-C/EGLM
L17A1
L123A2
M320
諸元
重量 1.5 kg (3.31 lb)
全長 350 mm (13.8 in)
銃身 280 mm (11.0 in)
全幅 90 mm (3.5 in)
全高 210 mm (8.3 in)

弾丸 40x46mm擲弾
作動方式 後装式中折式砲身
発射速度 単発
初速 76 m/s (249 ft/s)
装填方式 手動装填
照準 固定式ラダーサイト
テンプレートを表示

H&K AG36は、高低圧理論により作動する単発式の40mm擲弾発射器である。主としてH&K G36に装備するよう設計された。

概要

[編集]

開発は、ドイツのオベルンドルフに所在する兵器製造会社、H&K社による。AG36は当初、アメリカ陸軍が提示した強化擲弾発射器の必要資格に対し、H&K社が候補作として出したもので、H&K XM8およびFN SCAR アサルトライフル用として審査された。 「AG」は"AnbauGranatwerfer"(取り付け型擲弾発射器)の略。36は同社製のG36自動小銃に由来する。この擲弾発射器は取り外すことができ、ストックをつけたものは単体で使用できる。また、LLM01レーザー光モジュールを取り付けることができる。

設計

[編集]
ラトビア陸軍G36KVに装備されたAG36

H&K G36シリーズを含む多くの最新兵器システムのように、AG36擲弾発射器にもポリマーと高強度アルミニウム合金が広範囲に使用されており、その質量の軽さと耐久性に寄与している。AG36は、プラスチック製の訓練用弾薬・軟質ゴム弾CSガス弾とOCガス弾(オレオレジン・カプシカム、トウガラシスプレーで使われるものと同じ催涙ガス)・白リン弾・高性能榴弾を含むほぼ全ての40x46mm擲弾を発射できる。いったん装着されたAG36は、小銃本体の携行や操作上の機能、また、射撃の正確さに影響をおよぼさない。AG36はドイツにおけるIdZ計画、未来の歩兵プログラムの一部に位置づけられている。

AG36は、中折式アルミニウム砲身を用いた単発式の擲弾発射器である。アメリカの同種装備品であるM203 グレネードランチャーと異なり、AG36の装填時には砲身が左側面へとスイングアウトされる。これは、より全長の長い擲弾の使用、例えば暴徒鎮圧用のゴム弾、または照明弾の使用を可能にしている。装着に際しては小銃のハンドガードを丸ごとAG36と取り替える。本擲弾発射器には容易な取扱いのために、手動式の安全レバーとグリップからなるトリガー・グループが付けられている。照準は標準的なラダーサイトを用いて行われる。この照準器は擲弾発射器本体の左側にあって、使用しないときには折りたたまれる。

派生型

[編集]
L123A2/L17A1[1]
L85A2(L123A2)およびL119A1(L17A1)[2]に対応したモデル。イギリス陸軍が採用。2003年Telic作戦中にはじめて投入された。4人分隊につき1丁配備される。
AG-C/EGLM/GLM
AG36がハンドガードと一体で構成されているのに対し、上面をピカティニー・レールに装着できるようにしたもの。専用のストックとともに単体でも使用できる。
HK169
AG36にG36のストックを追加装備したもの。初期型は上部ハンドガードにストックを取り付けていたが、新型からはレシーバーの一部を新規設計に変更している。

採用国の一覧

[編集]
L85A2自動小銃に装着されたL123A2
主力小銃G36に変更したことにより、今まで使っていたG3に装着していたHK79HK69A1を代替した[3]
リトアニア軍が使用している[5]
[7]L123A2およびL17A1用に購入[3]RGGS小銃擲弾を代替した。

脚注

[編集]
  1. ^ DE&S response to freedom of information request
  2. ^ カナダ製のC8(M4カービンのライセンス生産型)をイギリス軍が採用したもの
  3. ^ a b http://www.asianmilitaryreview.com/upload/200712032016291.pdf
  4. ^ a b c Jones, Richard D. Jane's Infantry Weapons 2009/2010. Jane's Information Group; 35 edition (January 27, 2009). ISBN 978-0-7106-2869-5.
  5. ^ Lietuvos kariuomene. :: Ginkluote. ir karine. technika ? Granatsvaidz(iai ir pries(tankiniai ginklai ? Povamzdinis granatsvaidis AG-36” ((リトアニア語)). Kariuomene.kam.lt (2009年4月17日). 2011年4月8日閲覧。
  6. ^ [1][リンク切れ]
  7. ^ A 5.56 X 45mm "Timeline" 2002-2003”. The Gun Zone. 2011年4月8日閲覧。

関連項目

[編集]

外部リンク

[編集]