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北山用水

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北山用水(本門寺用水)
延長 10km
灌漑面積 110ha
取水 芝川(取水口:内野字鍋久保)  
流域 静岡県富士宮市
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北山用水(きたやまようすい)は、静岡県富士宮市にある灌漑用水路。本門寺用水(ほんもんじようすい)とも呼ばれる。

概要

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北山用水は天正10年(1582年)に掘削が開始された芝川を⽔源とする用水路であり、現在延長約10km、灌漑⾯積110haである[1]

北山本門寺を宛所とする天正10年(1582年)の井出正次判物によると、上意(徳川家康)の命によるものとあり[2]、芝川を取水源として横手沢村[注釈 1]を取水口としている。

また取水口および用水路の土地の諸役免除が認められ、水番は堀久保の百姓4軒が担うこととし、その百姓の諸役免除も認められた。

横手沢村芝川井口百間四方也、井路弐里余、堀幅三間通り也、右者、蒙上意令除地、通水村々之以人足、堀渡畢、永々諸役者、村々之可為懸、並ニ為水番与、堀久保百姓四軒、除之置所也、
                      天正十年 井出甚之助
午十一月  正次(花押)

令和5年(2023年)11月に開催された国際かんがい排水委員会(ICID) 国際執行理事会において、北山用水はかんがい施設遺産に認定・登録された。

拡張

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北山用水世界かんがい施設遺産登録の記念碑

北山用水は徐々に拡張され、やがて9ヵ村[注釈 2]にまで至るようになった。北山用水を描いた「北山用水絵図」には、用水に設けられた掛樋・埋樋・粗朶堰が描かれている[3]

寛政10年(1798年)頃に万野原[注釈 3]の新田開発が提起されたが、万野原は未だ水不足であり、実現が困難であった。そのため北山用水の拡張が必要となり、幕府へ提言が繰り返された。文化7年(1810年)には正式に決定がなされ、万野原への通水が叶うこととなった。

また北山用水から取水する水力発電所が、富士宮市内に4箇所存在している。

脚注

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注釈

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  1. ^ 現在の富士宮市内野
  2. ^ 狩宿・上井出・北山・上外神・下外神・宮原・宮内・山宮・万野原
  3. ^ 現在の富士宮市万野原新田

出典

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参考文献

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  • 関根省治『近世初期幕領支配の研究』雄山閣出版、1992年。ISBN 4-639-01111-3 
  • 大高康正『古地図で楽しむ富士山』風媒社、2020年。ISBN 978-4-8331-0190-5 

北山用水(静岡県富士宮市)』(プレスリリース)農林水産省https://www.maff.go.jp/j/nousin/kaigai/ICID/his/attach/pdf/abstruct-11.pdf2024年1月27日閲覧