森本宏
森本 宏(もりもと ひろし、1968年[1] -)は、日本の検察官。内閣官房副長官秘書官、東京地方検察庁特捜部長、東京地方検察庁次席検事、最高検察庁刑事部長等を経て、法務省刑事局長。
来歴・人物
岐阜県下呂市出身。岐阜県立益田高等学校、名古屋大学法学部卒業。
司法試験に合格し、司法修習生44期[2](修習期間:1990年4月-1992年3月[3])。当初は弁護士志望だったが、高校の先輩にあたる、検察官の熊﨑勝彦(後に最高検察庁公安部長)の勧めで、検察官に任官した。
国会答弁等を行う通称「赤レンガ組」の法務官僚としての評価と、現場派の検事としての評価の両方が高い異色の検察官とされる[4][5][6]。仕事の「パンチ力」と髪型から「パンチ森本」と渾名される[7]。
内閣官房副長官秘書官、法務省刑事局参事官兼文化庁文化審議会著作権分科会法制問題小委員会委員等を歴任する一方、東京地検特捜部に5回在籍して、福島県知事汚職事件、村上ファンド事件、守屋武昌(防衛事務次官)汚職事件[8]などの捜査を担当。村上世彰の取り調べにもあたった。
1998年静岡地方検察庁検事。1999年東京地方検察庁検事兼法務省刑事局付。2001年東京地方検察庁検事、法務省大臣官房秘書課付。2005年東京地方検察庁検事、法務省大臣官房付、法務省大臣官房秘書課付。同年東京地方検察庁検事。2008年東京地方検察庁検事、法務省刑事局付兼法務省刑事局参事官。2009年7月から法務省大臣官房参事官兼法務省刑事局総務課企画調査室長、2011年4月から東京地検検事。その後東京地検特捜副部長として猪瀬直樹東京都知事が関与した徳洲会事件選挙違反事件等を担当[7][9][10]。
2013年東京高等検察庁検事兼東京地検検事。2015年1月東京高等検察庁検事、法務省刑事局刑事課長に就任[11]。2015年10月東京高等検察庁検事、法務省刑事局総務課長[12]。2017年1月東京地検総務部長[13]。2017年9月東京地検特捜部長に就任。就任会見で「捜査手法は変化しているが、新しい時代に対応できるよう取り組んでいく」と述べた抱負通り[14]、2018年に新たに導入された司法取引を活用するなどし[15]、特捜部長時代にはリニア中央新幹線談合事件、スーパーコンピューター助成金詐欺事件、文部科学省汚職事件、カルロス・ゴーン事件、IR汚職事件など多くの事件を指揮した[15]。2020年7月津地方検察庁検事正。2021年7月東京地方検察庁次席検事。2023年7月最高検察庁刑事部長[16]。2024年7月9日法務省刑事局長。
妻は検察官の森本加奈内閣府独立公文書管理監。
脚注
- ^ “「地道に真相解明」:東京地検特捜部長に就任の新河氏/前部長の森本氏は津地検検事正に”. 産経新聞 (2020年7月31日). 2024年5月2日閲覧。
- ^ “《河井夫妻買収、ゴーンも》東京地検エース・森本宏特捜部長に交代情報 後任にダークホース浮上”. 文藝春秋. 2024年6月2日閲覧。
- ^ 弁護士 佐藤りか. “「目から鱗」修習時代の経験は、今も私の中で生きている” (PDF). 東京弁護士会. 2024年6月2日閲覧。
- ^ 「〔ひと&こと〕次の特捜部長は総長候補 背水の陣は吉と出るか」エコノミスト 第95巻 第5号 通巻4486号(2017.2.7)
- ^ 「秋元司議員逮捕で脚光 東京地検の“エース中のエース”森本特捜部長のウソのようなホントの話」ニコニコニュース
- ^ 1歳上の妻も検事だった! 秋元議員摘発の”ド派手”特捜部長は検事総長になれるのかヤフーニュース
- ^ a b 「東京地検特捜部長に“エース中のエース”投入のワケ」週刊文春 2017年9月28日号
- ^ 森功「序章 審判ー裁判長が呆れたご都合主義:取調室の衝撃」『狡猾の人:防衛省を喰い物にした小物高級官僚の大罪』(KADOKAWAブックウォーカー版)幻冬舎、2012年。
- ^ 「東京地検特捜部長に森本氏」時事通信2017/09/11
- ^ 佐藤栄佐久『知事抹殺』
- ^ 「人事、法務省 」日本経済新聞2015/1/23
- ^ 」日本経済新聞
- ^ 「人事、法務省 」日本経済新聞2017/1/17
- ^ 「新特捜部長「水面下に隠れた事件手がける」」毎日新聞2017年9月11日 22時00分
- ^ a b “《河井夫妻買収、ゴーンも》東京地検エース・森本宏特捜部長に交代情報 後任にダークホース浮上”. 文春オンライン (2020年7月7日). 2020年6月29日閲覧。
- ^ 法務省人事(11日付)朝日新聞デジタル2023年7月11日 5
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