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「通り魔」の版間の差分

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: 3月14日、江田島市カキ加工工場殺傷事件 - マツダ本社連続殺傷事件同様、対象者が絞られている。
: 3月14日、江田島市カキ加工工場殺傷事件 - マツダ本社連続殺傷事件同様、対象者が絞られている。
: 3月19日、東陽町駅前通り魔事件 - 負傷者のみで、死者はいない。
: 3月19日、東陽町駅前通り魔事件 - 負傷者のみで、死者はいない。
: 5月22日、[[生野区連続通り魔事件]] - [[在日韓国人]]が生粋の[[日本人]]を何人でも殺害しようとして日本人男女を刺突。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2013年5月23日 (木) 23:05時点における版

通り魔(とおりま)とは、瞬間的に通り過ぎて、それに出会った人に災害を与えるという魔物(通り悪魔)。転じて通りすがりに人に不意に危害を加える者をいう[1]。通り魔殺人事件とは、人の自由に出入りできる場所において、確たる動機がなく通りすがりに不特定の者に対し、凶器を使用するなどして、殺傷等の危害を加える事件をいう[2]

概要

一般に「通り魔的犯行」とされるものには、以下の3種類がある[3]

  1. 人の多いところに出向いて犯罪をおこなう「単発犯
  2. 複数の被害者に手当たり次第に犯行を行う「スプリー犯
  3. 時間的に一連の犯行ではなく、散発的に行う「連続犯

単発犯やスプリー犯は短時間で終息し、死亡者も出すが負傷者として助かる率も多いのに対して、連続犯は犯行後に行方をくらましつづけ犯行を繰り返すため長期化しやすい。

単発犯
薬物などの影響や幻覚妄想などの陽性症状、感情の平板化など陰性症状等の精神症状、脆弱な自我や反社会性など人格の問題などにより特徴づけられる。
スプリー犯
ストレス耐性の低さや肥大化した自己愛、未熟な人格の問題、自我を守るための社会への怒りや恨み、防衛機制、刑事司法システムを利用した社会的自殺等に特徴づけられる。
連続犯
未熟な人格や反社会性等の人格の問題、生の実感の喪失、それにともない力を確認したいという感覚に特徴づけられる。若い女性を対象とする場合には性的な動機が背景にある場合が多い。また、加害者の行動にはしばしばマスコミの報道が影響を与え、他の事件の報道から犯行の方法や動機、社会の反響などを学ぶことがある。 

都市化と通り魔

これに類する犯罪は、一般に都市など人が多い反面で人間関係が希薄な地域に限定されると考えられがちだが、過去の通り魔犯罪や連続殺傷事件などの例を見ても、都市化と必ずしも関連しない。

都市に於ける匿名性の増大は確かに現行犯逮捕以外での犯人特定に至りにくい側面を持つが、発生要因自体が都市化との関連性が無い以上、都市型犯罪ではないといえる。しかしそれを抜きにしても、自暴自棄になっている犯人が無差別かつ他人から目撃されるのも厭わずに犯行に及んでいるケース(スプリー・キラー)では、過去の事例に於いても人の集中しやすい都市部・繁華街のほか、学校ショッピングモールなどといった施設において被害が拡大しやすい傾向が見られる。

しかしその一方で、長期化しやすい散発的な連続殺人の場合、郊外型犯罪に類されるケースが散見される。これらのケースでは、都市周辺部で人口密度が高すぎず低すぎず、犯人が被害者を「調達しやすい」という傾向が見られる。こちらは殺害することが目的であり、加えて犯人が特定層にのみ執着している場合も、そうでない場合でも、たまたま犯行への欲求を感じている犯人の目にとまった人物が被害に遭っている。

通り魔と凶器

銃社会問題の深刻なアメリカなどでは拳銃を使った犯行も見られるが、その一方日本でも刃物を使った犯行があり、これらの事件の影響もあってそれら道具の所持に対する規制が強化される傾向もあるものの、不審尋問などの形で調べなければ所持が分かりにくいことや、またどこにでもある道具を使った場合には予防しきれるものではない。

過去のケースでも自動車を使って次々に人を撥ねたケースもあって、物品の規制による予防は困難なのが実情である。ただし通り魔事件を発端として、所定の器物が規制対象となったケースもあり、アメリカではコロンバイン高校銃乱射事件以降に銃規制が強化されたなどの動向がみられる。日本ではダガー秋葉原通り魔事件を契機として従来のナイフ(汎用の刃物)から「小型の」(武器武具の類)へと法的な扱いが改められ、規制対象となっている。

通り魔の特徴

こういった犯行を人に知られずに起こす傾向を持つ者というのも過去の事件例より分析されており、以下のような類型化もあり、プロファイリングなどの形で利用されている。

ただし上に挙げたものはあくまでも一例であり、無関係な人を巻き込む殺傷事件の全てがこの類型に収まるわけではない。また自身が不幸であるという鬱憤のはけ口として犯行に及んだケースも少なくないが、これは「不幸である」という状態が主観的なものである以上、傍目には経済的に裕福な家庭に育ち幸福であろうと見られていた者が起こしたケースなどもある。

主な通り魔事件

日本

1981年
6月17日、深川通り魔殺人事件
1999年
9月8日、池袋通り魔殺人事件
9月29日、下関通り魔殺人事件
2001年
6月8日、附属池田小事件
2003年
3月30日、名古屋市連続通り魔殺傷事件
2007年
8月24日、闇サイト殺人事件
2008年
3月19日・23日、土浦連続殺傷事件
6月8日、秋葉原通り魔事件
6月22日、大阪駅通り魔事件 - 負傷者のみで、死者はいない。
7月22日、八王子通り魔事件
2010年
6月22日、マツダ本社工場連続殺傷事件 - 一般的な通り魔事件の被害対象者が「無差別」なのに対し、マツダ本社工場の関係者を狙った犯行であり、対象者が絞られている点が特徴。
12月17日、取手駅通り魔事件 - 負傷者のみで、死者はいない。
2011年
11月18日・12月1日、三郷市・松戸市通り魔事件
2012年
6月10日、大阪心斎橋通り魔事件
10月20日、博多駅通り魔事件 - 負傷者のみで、死者はいない。
2013年
3月14日、江田島市カキ加工工場殺傷事件 - マツダ本社連続殺傷事件同様、対象者が絞られている。
3月19日、東陽町駅前通り魔事件 - 負傷者のみで、死者はいない。
5月22日、生野区連続通り魔事件 - 在日韓国人が生粋の日本人を何人でも殺害しようとして日本人男女を刺突。

脚注

  1. ^ 小学館・大辞泉「通り魔」[1]
  2. ^ 警察庁・平成17年の犯罪情勢P.58[2]
  3. ^ 「新たな行動計画策定に関する有識者ヒアリング」渡邉和美(科学警察研究所捜査支援研究室長)[3]
  4. ^ 連続殺人と、大量殺人、通り魔事件その犯罪心理の違い、心の傷

参考書籍

関連項目