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「ホンダ・ドリーム50」の版間の差分

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| 車名補 = 1997年仕様<ref>[http://www.honda.co.jp/news/1997/2970121.html 1997年1月21日プレスリリース]</ref>
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| 画像の説明 = Boxenstop Tübingen
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| メーカー = 本田技研工業
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| 型式 = A-AC15
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| 車名補 = 1997年仕様<ref>[http://www.honda.co.jp/HRC/products/machine/dream50r/data/ Dream50R主要緒元]</ref>
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| 画像名 = Honda HRC Dream 50 R 02.jpg
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| メーカー = 本田技研工業
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| 型式 = AR02
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'''ドリーム50''' ('''Dream50''') は、[[本田技研工業]]が製造していた[[4ストローク機関|4ストローク]]の[[オートバイ]]([[原動機付自転車]])である。でに製造は終了しいる
'''ドリーム50''' ('''Dream50''') は、[[本田技研工業]]が製造していた[[オートバイ]]である。でに製造て。


==解説==
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[[1997年]]2月28日発売。型式名A-AC15。50cc([[原動機付自転車]])クラスのロードスポーツモデルである。
ドリーム50は[[1997年]]に発売された。車体は[[1960年代]]初めに造られたレース向けマシン(公道モデルも少数存在)「[[ホンダ・ロードレーサー#CR110|CR110]]」のデザインをモチーフにしており、[[エンジン]]は世界最小の[[4ストローク機関|4ストローク]][[DOHC]]4バルブ49ccエンジン(排気量においてCR110とほぼ共通)を搭載し、1万回転を超える高回転までスムーズに回る。ただし、スペック的にはCB50SのSOHC 2バルブ49cc、6.3PS/10500rpmと比較して特に高回転高出力型となっているわけではない。
また50ccバイクとしては珍しく、左右2本出しマフラーや前後油圧ディスクブレーキが標準装備って


強化される[[自動車排出ガス規制]]に対応できず、[[2000年]]までに製造中止となった。
往年のデザインによるスタイリングも特に注目され、自宅に観賞用として置くいわゆる「床の間バイク」として楽しむ人少なくない。


== 車両解説 ==
しかし価格が高価(32万9000円)であったこと、50ccバイクは日本の[[道路交通法]]で最高速度が30km/hまでに限定されてしまうことなどから、販売面ではヒット車とならず、数年間販売されたが、一般向けの販売は終了した。
CR110の中期型・後期型をモチーフにし、現代風にアレンジしたオートバイである。


搭載されるAC15E型[[空冷エンジン|空冷]][[4ストローク機関|4ストローク]][[カムギアトレーン]]4バルブ[[DOHC]][[単気筒エンジン]]もCR110を意識したメカニズムが踏襲された。
だが、そのハイメカ要素からレース嗜好者からの評価は高く、50ccレース用の需要は依然衰えていないため、保安部品を取り外した競技仕様車の'''Dream50R'''が[[ホンダ・レーシング|HRC]]より発売され続けていたが、2009年生産分をもって製造が打ち切られた。
*細めのシリンダーからに対して左右に大きく張り出したカムカバー造形が特徴的で「[[ミッキーマウス]]」という別名を持つ。


また左右2本出しマフラーや前後油圧ディスクブレーキ準装備ない。
このオートバイのエンジンは、上部のカムカバーの造形から「[[ミッキーマウス]]」というあだ名が付いており、ホンダ自身も広告にシリンダー部分のシルエットを掲載させていた。また、この造形もCR110を意識させるものとして特徴づけられている。

デザイン、自宅に観賞用として置くいわゆる「床の間バイク」としてもい。

=== 遍歴 ===
*1997年2月28日 発売
*1998年1月28日 限定モデル追加
:1,000台限定の'''ドリーム50 スペシャルエディション'''を追加し以下の変更を実施
:*燃料タンク・シートストッパーをモンツァレッドに塗装
:*フロントフォーク・ボトムケース・サイドカバー・ヘッドライトケースをブラック塗装
*2000年 製造中止

== ドリーム50R ==
ドリーム50は、販売希望価格が\329,000と50ccクラスとしては高価であったことや[[道路交通法]]で最高速度が30km/hまでに限定されてしまうことなどから、販売面ではヒット車とならなかった反面、ハイメカ要素からレース嗜好者からの評価は高くレース用需要は依然衰えていないため競技仕様の'''Dream50R'''がドリーム50製造中止以降も[[ホンダ・レーシング|HRC]]より発売され続けた。

ドリーム50から以下の変更点を持つ。
*保安部品を省略
*HRC製「Dream50用レース専用キット」によるカムシャフト・バルブスプリング・ピストン・低フリクションカムチェーン・クランクシャフト・軽量ACジェネレーター・[[キャブレター]]・エアファンネルを組み込み
*エキゾーストパイプを構造二重管から単管とし排気効率を向上
*[[トランスミッション]]を5速から6速クロスレシオに変更
*車両重量を81kg→71kgに軽量化

これらのチューンにより最高出力は、ドリーム50の5.6ps/10,500rpm→7.OPS/13,500rpmにアップしている。

[[2009年]]生産分をもって製造終了。
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== CR110 CUB RACING ==
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当時CRシリーズは[[公道]]走行不可の競技専用車両に付与される車名であるが、1962年に限っては[[日本モーターサイクルスポーツ協会|MFJ]]がノービスクラスの車両規定に[[運輸省]](現・[[国土交通省]])の型式認定を必要としたため、125ccクラスの[[ホンダ・ベンリィ#CR93ベンリイレーシング|CR93ベンリイレーシング]]と共に製造販売されたモデルである。

車名にカブが含まれるのは、クランクケースをカブ系横型エンジンをベースとしたことに由来するが、前傾35°空冷4ストロークカムギアトレーン4バルブDOHC単気筒エンジンはまったくの新設計とされた。

また短期間での製造にも関わらず初期型・中期型・後期型の3種類に分類されるモデルが製造された。

;初期型
:公道走行可能なモデル。7psエンジン・5段ミッションを搭載。スクランブラータイプとされ、セミアップマフラー・アップハンドルを採用する。有力ディーラーのみで49台が販売された。

;中期型
:レーシングオプションの「Yキット」を組み込んだモデルで83台が製造された。初期型と比較すると以下の変更点を持つ。
:*保安部品未装着のレース専用車
:*セパレートハンドル・ダウンマフラーを装備
:*最高出力が8.5ps/13,500rpmに向上

:後期型
:116台製造。中期型から以下の改良を実施。
:*50ccクラスレギュレーションの限界まで近付けるためエンジン内径を40mmから40.4mmに拡大
:*クラッチの操作性を向上させるためシフトギアスピンドルの爪を2個から4個に倍増し形状も大型化させ耐久性を向上
:*このためクランクケースクラッチ上部幅が拡大

販売価格は[[1960年]]発売のスポーツカブC110が\58,000とされた当時にほぼ3倍となる\170,000。総生産台数も極少数で、多くは輸出やレースで使用されたため残存する個体は極めて少ない。


== 脚注 ==
== 脚注 ==

2013年4月14日 (日) 23:23時点における版

ドリーム50
1997年仕様[1]
基本情報
排気量クラス 原動機付自転車
車体型式 A-AC15
エンジン AC15E型 49 cm3 4ストローク
空冷DOHC4バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 40.0 mm × 39.6 mm / 10.0:1
最高出力 4.1kW (5.6PS)/10,500rpm
最大トルク 4.1Nm (0.42kgf・m)/8,500rpm
乾燥重量 81 kg
車両重量 88 kg
テンプレートを表示
Dream50R
1997年仕様[2]
基本情報
車体型式 AR02
エンジン AR02E型 49 cm3 4ストローク
空冷DOHC4バルブ単気筒
内径×行程 / 圧縮比 40.0 mm × 39.6 mm / 11.7:1
最高出力 5.14kW (7.0PS)/13,500rpm
最大トルク 4.41Nm (0.45kgf・m)/10,500rpm
乾燥重量 71 kg
テンプレートを表示

ドリーム50Dream50) は、本田技研工業が製造販売していたオートバイである。本項では同車をベースに競技専用車へ特化させたドリーム50RDream50R)。1962年5月に製造されモチーフとなったCR110カブレーシングについても解説を行う。

概要

1997年2月28日発売。型式名A-AC15。50cc(原動機付自転車)クラスのロードスポーツモデルである。

強化される自動車排出ガス規制に対応できず、2000年までに製造中止となった。

車両解説

CR110の中期型・後期型をモチーフにし、現代風にアレンジしたオートバイである。

搭載されるAC15E型空冷4ストロークカムギアトレーン4バルブDOHC単気筒エンジンもCR110を意識したメカニズムが踏襲された。

  • 細めのシリンダーからに対して左右に大きく張り出したカムカバー造形が特徴的で「ミッキーマウス」という別名を持つ。

また左右2本出しマフラーや前後油圧ディスクブレーキなど、設計時の水準で装備された機構も少なくない。

しかしレトロ感覚なデザインから、自宅に観賞用として置くいわゆる「床の間バイク」としての購入も多いとされた。

遍歴

  • 1997年2月28日 発売
  • 1998年1月28日 限定モデル追加
1,000台限定のドリーム50 スペシャルエディションを追加し以下の変更を実施
  • 燃料タンク・シートストッパーをモンツァレッドに塗装
  • フロントフォーク・ボトムケース・サイドカバー・ヘッドライトケースをブラック塗装
  • 2000年 製造中止

ドリーム50R

ドリーム50は、販売希望価格が\329,000と50ccクラスとしては高価であったことや道路交通法で最高速度が30km/hまでに限定されてしまうことなどから、販売面ではヒット車とならなかった反面、ハイメカ要素からレース嗜好者からの評価は高くレース用需要は依然衰えていないため競技仕様のDream50Rがドリーム50製造中止以降もHRCより発売され続けた。

ドリーム50から以下の変更点を持つ。

  • 保安部品を省略
  • HRC製「Dream50用レース専用キット」によるカムシャフト・バルブスプリング・ピストン・低フリクションカムチェーン・クランクシャフト・軽量ACジェネレーター・キャブレター・エアファンネルを組み込み
  • エキゾーストパイプを構造二重管から単管とし排気効率を向上
  • トランスミッションを5速から6速クロスレシオに変更
  • 車両重量を81kg→71kgに軽量化

これらのチューンにより最高出力は、ドリーム50の5.6ps/10,500rpm→7.OPS/13,500rpmにアップしている。

2009年生産分をもって製造終了。

CR110 CUB RACING

CR110 CUB RACING
CR110 CUB RACING
エンジン
エンジン

当時CRシリーズは公道走行不可の競技専用車両に付与される車名であるが、1962年に限ってはMFJがノービスクラスの車両規定に運輸省(現・国土交通省)の型式認定を必要としたため、125ccクラスのCR93ベンリイレーシングと共に製造販売されたモデルである。

車名にカブが含まれるのは、クランクケースをカブ系横型エンジンをベースとしたことに由来するが、前傾35°空冷4ストロークカムギアトレーン4バルブDOHC単気筒エンジンはまったくの新設計とされた。

また短期間での製造にも関わらず初期型・中期型・後期型の3種類に分類されるモデルが製造された。

初期型
公道走行可能なモデル。7psエンジン・5段ミッションを搭載。スクランブラータイプとされ、セミアップマフラー・アップハンドルを採用する。有力ディーラーのみで49台が販売された。
中期型
レーシングオプションの「Yキット」を組み込んだモデルで83台が製造された。初期型と比較すると以下の変更点を持つ。
  • 保安部品未装着のレース専用車
  • セパレートハンドル・ダウンマフラーを装備
  • 最高出力���8.5ps/13,500rpmに向上
後期型
116台製造。中期型から以下の改良を実施。
  • 50ccクラスレギュレーションの限界まで近付けるためエンジン内径を40mmから40.4mmに拡大
  • クラッチの操作性を向上させるためシフトギアスピンドルの爪を2個から4個に倍増し形状も大型化させ耐久性を向上
  • このためクランクケースクラッチ上部幅が拡大

販売価格は1960年発売のスポーツカブC110が\58,000とされた当時にほぼ3倍となる\170,000。総生産台数も極少数で、多くは輸出やレースで使用されたため残存する個体は極めて少ない。

脚注

外部リンク

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