鏡を見るヴィーナス (ティツィアーノ)のソースを表示

あなたには「このページの編集」を行う権限がありません。理由は以下の通りです:

あなたのIPアドレスは、すべてのウィキメディア財団のウィキで投稿ブロックされているIPアドレス範囲に入っています。

ブロックは‪EPIC‬により行われました。ブロックの理由はOpen proxy/Webhost: See the help page if you are affectedです。

ブロック開始日時: 2024年7月2日 (火) 08:48
ブロック解除予定: 2025年7月2日 (水) 08:48

あなたの現在のIPアドレスは206.189.44.186です。ブロックされている範囲は206.189.32.0/20です。

お問い合わせの際は、上記の詳細情報をすべて含めてください。

もし、この投稿ブロックが錯誤によるものだと考えているのであれば、グローバル方針のNo open proxies（公開プロキシの規制）で詳細情報などが入手できます。あるいは、投稿ブロックに関して議論したい場合は、メタウィキでブロックの見直しを依頼してください。スチュワード用 VRT キューにメールを送信する (宛先: stewards@wikimedia.org) こともできます。

このページのソースの閲覧やコピーができます。

{{Infobox 絵画作品
| image_file       = Titian Venus Mirror (furs).jpg
| image_size       = 350px
| title            = 鏡を見るヴィーナス
| other_language_1 = [[イタリア語]]
| other_title_1    = Venere allo specchio
| other_language_2 = [[英語]]
| other_title_2    = Venus with a Mirror
| artist           = [[ティツィアーノ・ヴェチェッリオ]]
| year             = 1555年頃
| type             = [[油彩]]、[[キャンバス]]
| height           = 124.5
| width            = 105.5
| city             = [[ワシントンD.C.]]
| museum           = [[ナショナル・ギャラリー (ワシントン)|ナショナル・ギャラリー]]
}}
『'''鏡を見るヴィーナス'''』（かがみをみるヴィーナス、{{lang-it-short|Venere allo specchio}}, {{lang-en-short|Venus with a Mirror}}）は、[[イタリア]]、[[ルネサンス]]期の[[ヴェネツィア派]]の巨匠[[ティツィアーノ・ヴェチェッリオ]]が1555年頃に制作した絵画である。[[油彩]]。[[鏡]]を見つめる愛と美の女神[[ヴィーナス]]を描いた作品で、当時から非常に人気があり、ティツィアーノと工房によって少なくとも30の[[ヴァリアント]]が制作されただけでなく、[[バロック]]期の[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]や[[ディエゴ・ベラスケス]]をはじめとする後代の画家に大きな影響を与えた。本作品は同主題の現存する最も初期の作例の1つであるとともに最も品質に優れた作品で、ティツィアーノはこれを生涯手放すことはなかった。現在は[[ワシントンD.C.]]の[[ナショナル・ギャラリー (ワシントン)|ナショナル・ギャラリー]]に所蔵されている<ref name=WNG1>{{cite web|title=Titian, Venus with a Mirror, c.1555, Overview |accessdate=2012/08/01 |url=https://www.nga.gov/collection/art-object-page.41.html#overview |publisher=[[ナショナル・ギャラリー (ワシントン)|ナショナル・ギャラリー]]公式サイト}}</ref><ref name=WNG2>{{cite web|title=Titian, Venus with a Mirror, c.1555, Entry (Peter Humfrey, March 21, 2019) |accessdate=2012/08/01 |url=https://www.nga.gov/collection/art-object-page.41.html#entry |publisher=ナショナル・ギャラリー公式サイト}}</ref><ref name=WNG3>{{cite web|title=Titian, Venus with a Mirror, c.1555, Provenance |accessdate=2021/08/01 |url=https://www.nga.gov/collection/art-object-page.41.html#provenance |publisher=ナショナル・ギャラリー公式サイト}}</ref><ref name=IGK>イアン・G・ケネディー、p.90。</ref><ref name=MT>{{cite web|title=La Bella |accessdate=2021/08/01 |url=http://www.mappingtitian.org/paintings/venus-at-her-toilet-with-two-cupids |publisher=Mapping Titian}}</ref><ref name=CTV>{{cite web|title=Titian |accessdate=2021/08/01 |url=http://cavallinitoveronese.co.uk/general/view_artist/66 |publisher=Cavallini to Veronese}}</ref>。

== 作品 ==
ティツィアーノは鏡に映された自分の姿を見つめるヴィーナスを描いている。女神は高価な[[毛皮]]で裏打ちされた赤い[[ベルベット]]で下半身を覆い、ティアドロップの耳飾りと、金のブレスレット、指輪といった宝飾品を身に着けている。おそらく女神は恋人の到着を待っており、相手を迎えるための準備をしている。ヴィーナスはルネッサンス期に賞賛された女性美の規範を反映している。ふくよかな身体つきのヴィーナスは金髪とアーチ型の眉、色白の肌を持ち、その頬は紅潮している<ref name=WNG4>{{cite web|title=Venus with a Mirror, Titian |accessdate=2021/08/01 |url=https://www.nga.gov/collection/highlights/titian-venus-with-a-mirror.html |publisher=ナショナル・ギャラリー公式サイト}}</ref>。紅潮した頬や肌は体温が感じられるようであり、肌、宝飾品、毛皮は絶妙な質感で描かれている<ref name=WNG1 />。絵画の興味深い点の1つは、鏡に映った女神の瞳が実際の女神の姿に対応しておらず、鑑賞者の側を見つめているように見えることである。その瞳が見つめる相手はおそらく女神の恋人と思われるが、あるいはティツィアーノ自身である可能性も指摘されている。自身を女神の恋人役として想定して制作したと仮定するならば、ティツィアーノが作品を生涯持ち続けた理由を説明することができる<ref name=WNG4 />。2人の[[キューピッド]]のうち片方は女神が映るように鏡を持ち、もう一方は花輪で女神の頭を飾るために手を伸ばしている。キューピッドの翼は虹色を帯びている<ref name=WNG4 />。ヴィーナスのポーズは「恥じらいのヴィーナス」（{{it|Venus Pudica}}）と呼ばれる古代彫刻のポーズに由来すると考えられている。一般的にティツィアーノは1545年から1546年に[[ローマ]]を訪れた際に、[[メディチ家]]が所有したヘレニズム時代の複製である『{{仮リンク|メディチ家のヴィーナス|en|Venus de' Medici}}』を見たとされている<ref name=WNG1 /><ref name=WNG2 /><ref name=CTV /><ref name=WNG4 />。ただし、美術史家フランチェスコ・ヴァルカノーヴァ（Francesco Valcanover）はヴェネツィアのグリマーニ・コレクション（{{en|Grimani collection}}）の彫刻ですでに古代彫刻の作例を知っていたと考えている<ref name=WNG2 />。鏡を持ったキューピッドのポーズは[[コレッジョ]]の『[[キューピッドの教育]]』からコピーしたと指摘されている<ref name=CTV />。

1971年に行われた[[X線撮影]]からヴィーナスの構図の下に横になった二重肖像画が存在することが判明した。この科学的調査によってティツィアーノの驚くべき制作過程が明らかになった。ティツィアーノは並んで立っている2人の人物の肖像画を横にしてその上に『鏡を見るヴィーナス』を制作したが、肖像画のうち下になった男性像のジャケットを露出したままにして、その場所にヴィーナスの腰を包む赤いベルベットを作成した<ref name=WNG1 /><ref name=IGK />。ジョルジョ・タリアフェロ（{{en|Giorgio Tagliaferro}}）は絵画の構図がティツィアーノ自身よりも[[パリス・ボルドーネ]]の特徴であることに基づいて、ティツィアーノの助手であった若いボルドーネが二重肖像画の制作を始めたと考えた。しかしボルドーネの作例はすべて、ティツィアーノのもとで働いた1520年頃よりもはるかに遅く、師が元助手の未完成の作品をさらに30年間持ち続けたことはほとんど考えられない。より説得力があるのは放棄された二重肖像画をティツィアーノがヴィーナスを描く際に再利用したというファーン・ラスク・シャプレー（{{en|Fern Rusk Shapley}}）の結論である<ref name=WNG2 />。

右下のキューピッドと縞模様の布は大ざっぱに描かれている。鏡を持つキューピッドの解剖学的構造は明確ではなく、特に左翼は非常に平面的で、生えている位置も右翼とは異なっている。この部分は助手に右側の完成を任せたことも考えられるが、おそらくティツィアーノは右側を未完成のままにしたのであり、助手は絵画を売却するために1560年代あるは画家の死後に不器用なやり方で右側を完成させたと考えられる<ref name=WNG2 />。この点と関連して、タマラ・フォミチョバ（Tamara Fomichova）は、ヴィーナスに花輪を贈るキューピッドのモチーフは、[[フィッツウィリアム美術館]]や[[メトロポリタン美術館]]の『リュート奏者のいるヴィーナスとキューピッド』のバージョンなど、1560年代半ばのティツィアーノの作品でのみ見られると指摘している。

== 解釈 ==
[[File:Giovanni Bellini - Giovane donna nuda allo specchio.jpg|thumb|230px|[[ジョヴァンニ・ベッリーニ]]の『[[鏡の前の裸の若い女性]]』。1515年。[[美術史美術館]]所蔵。]]
[[File:Portrait d'une Femme à sa Toilette, by Titian, from C2RMF retouched.jpg|thumb|230px|ティツィアーノの『[[鏡の前の女]]』。1512年から1514年頃。[[ルーヴル美術館]]所蔵。]]
古代の著述家[[ピロストラトス]]によると、鏡は愛と美の女神[[アプロディテ]]の[[アトリビュート]]である<ref name=WNG2 />。中世美術では『鏡を見るヴィーナス』の図像は長い歴史があり、女神は女性の虚栄心と贅沢の[[悪徳]]を体現するものとして否定的な意味で描かれた。この道徳的な伝統はルネサンス初期の1490年頃の[[ジョヴァンニ・ベッリーニ]]の寓意画でも見ることができる<ref name=WNG2 />。しかし、1515年のベッリーニの[[美術史美術館]]の『[[鏡の前の裸の若い女性]]』（{{en|Naked Young Woman in Front of a Mirror}}）はいくつかの点で『鏡を見るヴィーナス』を予期しており、弟子のティツィアーノがその数年前に描いたルーヴル美術��の『鏡の前の女性』（{{en|Woman with a Mirror}}）から受けた反応をすでに明確に示している<ref name=WNG2 />。ベッリーニの化粧をしている服装の乱れた若い女性は明らかにヴィーナスを描こうとしていないが、ほとんどの研究者はこの絵画と40年後の『鏡を見るヴィーナス』との密接な主題のつながりを見出している。例えばエリーゼ・グッドマン＝スールナー（Elise Goodman-Soellner）は、女性を[[ペトラルカ]]風の愛の詩によって祝福される女性の理想の具現化と見なし、同様にヴィーナスに選ばれた色彩の調和を、彼らの愛人を称賛する詩人によって喚起されたものに密接かつ意図的に対応している、赤、白、金に集中していることを確認した<ref name=WNG2 />。女性が[[高級娼婦]]を表しているというキャシー・サントーレ（{{en|Cathy Santore}}）は『鏡を見るヴィーナス』も同様にヴィーナスを装った高級娼婦の肖像であることを示唆した。サントーレによるとどちらの場合も鏡は多淫の象徴としての中世の重要性を保っている<ref name=WNG2 />。

美術史家ローナ・ゴッフェン（Rona Goffen）によれば、ルーヴル美術館の『鏡を見る女性』の主題は、男女関係における官能的な力のバランスに関係している。一方『鏡を見るヴィーナス』では恋人は画面に描かれていないが、ヴィーナスが身体を覆う赤いベルベットは恋人の代理として描かれた男もののコートであるという<ref name=WNG2 />。いずれにせよ、鏡を見つめるヴィーナスの図像と鑑賞者との視線の交錯は、女神が恋人の到来を認識していて、迎える準備をしていると示唆することによって、絵画に備わっている官能的な魅力をより高めている<ref name=WNG2 />。{{仮リンク|ヤン・ビアウォストツキ|en|Jan Białostocki}}、ヴァルカノーヴァ、ペトラ・シェーパーズ（{{en|Petra Schäpers}}）、ゴッフェンは、2つの絵画の解釈および他の多くの16世紀のヴェネツィア派による鏡の使用について、絵画と彫刻のいずれが優れているかという有名な{{仮リンク|パラゴーネ|en|Paragone}}の討論との関連性についても言及している。すなわち彫刻と異なり、絵画は通常1つの角度から描くことしかできないが、鏡の使用により複数の角度から人物を描くことができることをこの絵画は実証している<ref name=WNG2 />。

== 制作年代 ==
『鏡を見るヴィーナス』は様式的な理由から1550年代半ばに位置づけられている。ステファン・ポグレイエン＝ノイウォール（{{en|Stephan Poglayen-Neuwall}}）が最初に指摘したように、本作品は1550年代にティツィアーノが[[スペイン]]国王[[フェリペ2世 (スペイン王)|フェリペ2世]]のために制作した連作《ポエジア》と密接な類似点を示している。これらの作品でティツィアーノの絵具の取り扱いは以前よりもはるかに緩くなっているが、宝石などの細部は比較的正確なままである。そしていくつかの部分では、筆致はベルベット、毛皮、金属、そして特に肌の特定の質感を呼び起こしている。これに対して[[ボルゲーゼ美術館]]の『[[キューピッドに目隠しをするヴィーナス]]』などの1560年代半ばから後半の作品では質感がより一般化され、筆致は乱れ、局所的な色の領域はさらに減少している<ref name=WNG2 />。

現在知られている多くのヴァリアントのうち、本作品はこれらの一連の作品群の最初のものと見なされているが、これ以前にスペイン王室のために制作された失われたバージョンがあり、[[マドリード]]の[[ティッセン＝ボルネミッサ美術館]]に所蔵されているルーベンスの複製によって現在もその作例がどのようなものであったか知られている。この作品は1552年から1553年に最初に記録されているが、1545年に[[神聖ローマ皇帝]][[カール5世 (神聖ローマ皇帝)|カール5世]]のためにティツィアーノによって描かれたヴィーナスと同一の可能性があると主張されている。本作品がルーベンスが記録した絵画よりも遅く制作されたと推測するための重要な証拠は、X線撮影と赤外線リフレクトグラフィーによる科学的調査から明らかである<ref name=WNG2 />。

== 複製のバージョン ==
<gallery widths="150px" heights="170px" perrow="4">
Titian copy.jpg|{{small|ティツィアーノの工房作 1560年頃 [[マルメゾン城]]の[[ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ]]のコレクションに由来 [[エルミタージュ美術館]]所蔵}}
Seated Venus and her mirror held by Cupid - Wallraf-Richartz-Museum.jpg|{{small|ティツィアーノの工房作 1555年-1560年頃 [[ヴァルラフ・リヒャルツ美術館]]のバージョン}}
Workshop of Titian - Venus, sich spiegelnd.jpg|{{small|ティツィアーノの工房作『ヴィーナス』1576年以前 [[アルテ・マイスター絵画館]]所蔵}}
Titian - Venus with a Mirror - WGA22905.jpg|{{small|キューピッドと鏡のないバージョン 1550年頃 [[カ・ドーロ]]所蔵}}
Peter Paul Rubens - Venus at her Toilet - WGA20278.jpg|{{small|[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]による複製『ヴィーナスとキューピッド』1608年頃 [[ティッセン＝ボルネミッサ美術館]]所蔵<ref>{{cite web|title=Venus y Cupido |accessdate=2021/08/01 |url=https://www.museothyssen.org/coleccion/artistas/rubens-peter-paul/venus-cupido |publisher=[[ティッセン＝ボルネミッサ美術館]]公式サイト}}</ref>}}
Venus and Cupid with a Mirror - RCIN 402677.jpg|{{small|ティツィアーノに基づく 1720年頃 [[ロイヤル・コレクション]]所蔵<ref>{{cite web|title=Venus and Cupid with a Mirror c.1550-1720 |accessdate=2021/08/01 |url=https://www.rct.uk/collection/402677/venus-and-cupid-with-a-mirror |publisher=[[ロイヤル・コレクション|ロイヤル・コレクション・トラスト]]公式サイト}}</ref>}}
Arolsen Klebeband 13 113.jpg|{{small|{{仮リンク|ルーカス・フォルステルマン2世|en|Lucas Vorsterman II}}による『{{仮リンク|テアトルム・ピクトリウム|en|Theatrum Pictorium}}』のための[[エングレーヴィング]] 1660年}}
</gallery>

== 来歴 ==
ティツィアーノは本作品を描いてから死ぬまでの20年以上もの間、手放すことなく所有し続けた。ティツィアーノが絵画を所持し続けた理由は定かではないが、おそらくより適切な顧客に売却する意図で描いたか、あるいは自宅に保管することで訪問者に対して同様の絵画を注文するよう促すある種の商品サンプルとして用いたり、工房による複製の原画として使用するなどの利点があったと考えられている<ref name=WNG1 /><ref name=WNG2 />。{{仮リンク|ヴォルフガング・ブラウンフェルス|de|Wolfgang Braunfels}}が指摘したように、『鏡を見るヴィーナス』と同様に画家が最後まで所有したエルミタージュ美術館の『[[悔悛するマグダラのマリア (ティツィアーノ、サンクトペテルブルク)|悔悛するマグダラのマリア]]』（{{it|Maddalena penitente}}）はティツィアーノの最も人気があり、頻繁に複製された作品の1つであった<ref name=WNG2 />。

絵画の最初の記録はヴェネツィアの貴族クリストフォロ・バルバリゴ（{{it|Cristoforo Barbarigo}}）によって記録された1600年にさかのぼる。バルバリゴは画家の死去から5年後の1581年に、息子ポンポニオ・ヴェチェッリオ（{{it|Pomponio Vecellio}}）からヴェネツィアのビリ・グランデ（{{it|Biri Grande}}）にあるティツィアーノの家を購入したことが知られており、バルバリゴは家に残されていたティツィアーノの絵画群を同時に入手したと考えられている<ref name=WNG1 /><ref name=CTV />。美術史家{{仮リンク|チャールズ・ホープ (美術史家)|en|Charles Hope (art historian)|label=チャールズ・ホープ}}は仮定に過ぎないと警告したが、バルバリゴが現在サンクトペテルブルクのエルミタージュ美術館に所蔵されている他の3枚の絵画『悔悛するマグダラのマリア』、『サルバトール・ムンディ』 ({{it|Salvator Mundi}})、『十字架を運ぶキリスト』（{{it|Cristo portacroce Titian}}）とともにポンポニオから『鏡を見るヴィーナス』を取得した可能性が高いことを認めている<ref name=WNG2 />。これらの絵画は1850年にバルバリゴ・コレクション全体が[[ロシア皇帝]][[ニコライ1世 (ロシア皇帝)|ニコライ1世]]によって購入されたことで[[ロシア]]に渡り、エルミタージュ美術館に収蔵された<ref name=CTV />。

1931年、[[ソビエト連邦]]の{{仮リンク|ソ連の5カ年計画|en|Five-year plans of the Soviet Union|label=国民経済発展のための5カ年計画}}の最初の外貨を稼ぐために、[[ヨシフ・スターリン]]は密かに他の多くの傑作とともに『鏡を見るヴィーナス』を美術商のシンジケートに売却した。[[ベルリン]]のマシューセン画廊（{{en|Matthiesen Gallery}}）、[[ロンドン]]の{{仮リンク|コルナギ|en|P. & D. Colnaghi & Co.}}、[[ニューヨーク]]の[[ノードラー商会]]を経由して1931年4月にこれらの絵画を購入したのは当時の[[アメリカ合衆国]]の[[アメリカ合衆国財務長官|財務長官]]であり美術コレクターの[[アンドリュー・メロン]]であった<ref name=WNG3 />。メロンはアメリカ合衆国に国立美術館を設立したいと考えており、同年6月5日に[[ピッツバーグ]]のアンドリュー・メロン教育慈善信託（{{en|The A.W. Mellon Educational and Charitable Trust}}）に絵画を譲渡し、1937年に国家に寄贈した<ref name=WNG3 />。

== 影響 ==
多くの学者は『鏡を見るヴィーナス』と多くのヴァリアントが後続の画家に与えた影響について言及している。特に影響力があったのはスペイン王室コレクションの失われたバージョンで、[[ファドゥーツ]]の{{仮リンク|リヒテンシュタイン国立博物館|de|Liechtensteinisches Landesmuseum}}に所蔵されているルーベンスの『[[鏡を見るヴィーナス (ルーベンス)|鏡を見るヴィーナス]]』（{{en|Venus in Front of the Mirror}}）と[[ディエゴ・ベラスケス]]の『[[鏡のヴィーナス]]』（{{en|Venus at her Mirror}}）に不可欠な出発点を提供した<ref name=WNG2 />。

<gallery widths="150px" heights="170px" perrow="4">
Paolo Veronese - Venus with a Mirror.jpg|{{small|[[パオロ・ヴェロネーゼ]]『鏡を見るヴィーナス』1580年半ば頃 [[ジョスリン美術館]]所蔵}}
Rubens Venus at a Mirror c1615.jpg|{{small|[[ピーテル・パウル・ルーベンス]]『[[鏡を見るヴィーナス (ルーベンス)|鏡を見るヴィーナス]]』1613年-1614年 {{仮リンク|リヒテンシュタイン国立博物館|de|Liechtensteinisches Landesmuseum}}所蔵}}
RokebyVenus.jpg|{{small|[[ディエゴ・ベラスケス]]『[[鏡のヴィーナス]]』1647年-1651年 [[ナショナル・ギャラリー (ロンドン)|ナショナル・ギャラリー]]所蔵}}
</gallery>

== 脚注 ==
{{Reflist}}

== 参考文献 ==
* イアン・G・ケネディー『ティツィアーノ』、[[Taschen]]（2009年）

== 外部リンク ==
{{Commonscat|Venus with a Mirror (Titian)}}
* [https://www.nga.gov/collection/art-object-page.41.html#overview ナショナル・ギャラリー公式サイト, ティツィアーノ・ヴェチェッリオ『鏡を見るヴィーナス』]

{{ティツィアーノ・ヴェチェッリオ}}

{{デフォルトソート:かかみをみるういなす}}
[[Category:ティツィアーノ・ヴェチェッリオの作品]]
[[Category:1550年代の絵画]]
[[Category:ナショナル・ギャラリー (ワシントン) の所蔵品]]
[[Category:ギリシア神話を題材とした絵画]]
[[Category:ヴィーナスを題材とした絵画]]
[[Category:女性の裸体画]]

このページで使用されているテンプレート:

Template:Accessdate (ソースを閲覧) (保護)
Template:Accessdate/core (ソースを閲覧) (保護)
Template:Both (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Br separated entries (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:CI (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Cite web (ソースを閲覧) (保護)
Template:Comma separated entries (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Commonscat (ソースを閲覧) (保護)
Template:Convert (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:En (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:ISO639言語名 (ソースを閲覧) (保護)
Template:ISO date/ymd (ソースを閲覧) (保護)
Template:ISO dateJA (ソースを閲覧) (保護)
Template:Icon (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Ifempty (ソースを閲覧) (保護)
Template:Infobox2 (ソースを閲覧) (保護)
Template:Infobox artwork (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Infobox 絵画作品 (ソースを閲覧) (半保護)
Template:Isnumeric (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:It (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Lang (ソースを閲覧) (保護)
Template:Lang-*-short (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Lang-en-short (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Lang-it-short (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:Navbox (ソースを閲覧) (保護)
Template:Plainlink (ソースを閲覧) (保護)
Template:Reflist (ソースを閲覧) (保護)
Template:Side box (ソースを閲覧) (保護)
Template:Sister (ソースを閲覧) (保護)
Template:Small (ソースを閲覧) (保護)
Template:· (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:ティツィアーノ・ヴェチェッリオ (編集)
Template:・ (ソースを閲覧) (拡張半保護)
Template:仮リンク (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Arguments (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Convert (ソースを閲覧) (拡張半保護)
モジュール:Convert/data (ソースを閲覧) (拡張半保護)
モジュール:Convert/text (ソースを閲覧) (拡張半保護)
モジュール:ISO639言語名 (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Icon (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Icon/data (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:If empty (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Infobox (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:InfoboxImage (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Navbar (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Navbar/configuration (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Navbox/former (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Separated entries (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Side box (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Side box/styles.css (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:TableTools (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Wikipedia言語名 (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:Yesno (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:仮リンク (ソースを閲覧) (保護)
モジュール:仮リンク/link (ソースを閲覧) (保護)

鏡を見るヴィーナス (ティツィアーノ) に戻る。

「https://ja.wikipedia.org/wiki/鏡を見るヴィーナス_(ティツィアーノ)」から取得