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{{水族館
|名称=神戸市立須磨海浜水族園
|画像=[[File:Suma Aqualife Park in 2012.JPG|270px]]
|正式名称=
|愛称=
|前身=神戸市立須磨水族館
|専門分野=総合
|事業主体=兵庫県神戸市
|管理運営=[[グランビスタ ホテル&リゾート]]（[[指定管理者]]）
|開館=[[1987年]]
|所在地郵便番号=654-0049
|所在地=兵庫県神戸市須磨区若宮町1-3-5
{{maplink2|frame=yes|plain=yes|type=point|marker=aquarium|zoom=14|frame-align=center|frame-width=200}}
| 緯度度 = 34 | 緯度分 = 38 | 緯度秒 = 39 | N(北緯)及びS(南緯) = N 
| 経度度 = 135 |経度分 = 07 | 経度秒 = 43 | E(東経)及びW(西経) = E
| 地図国コード = JP-28
}}
[[Image:Suma aqualife park in Kobe2.JPG|thumb|220px|南側]]

'''神戸市立須磨海浜水族園'''（こうべしりつすまかいひんすいぞくえん）は、かつて[[神戸市]][[須磨区]]の[[須磨海浜公園]]内にあった[[水族館]]。愛称「スマスイ」。2023年（令和5年）5月31日で営業を終了し、2024年（令和6年）6月1日<ref>{{Cite web |title=神戸須磨シーワールド　グランドオープン日発表！ |url=https://www.kobesuma-seaworld.jp/news/15/ |date=2024-03-13 |access-date=2024-04-10 |language=ja |last= |publisher=神戸須磨シーワールド}}</ref>に民営化された[[神戸須磨シーワールド]]が跡地に開業<ref name="kobe-np20230531" />。

==概要==
[[1957年]]5月10日に神戸市立須磨水族館として開園（[[1968年]]までは[[神戸市交通局|交通局]]の所管だった）。[[1987年]]、旧施設に代わり廃止時の建物施設が開業、同時に廃止時の名称になった。この施設は後に多く誕生する大型水族館の嚆矢となった。

須磨海岸一帯は[[みなとオアシス]]の登録をしていて、当施設は'''みなとオアシス須磨'''の構成施設の一つとなっていた。

1987年に記録した年間入場者数240万人は、当時の日本記録である（[[葛西臨海水族園]][[1990年]]：355万人、[[海遊館]][[1991年]]：450万人）。

[[2019年]]、建て替えが決定した旧施設の記憶を次世代へとつなごうと映画『スマスイ』が制作された<ref>「[https://jocr.jp/raditopi/2023/05/31/507815/ 閉園の神戸須磨海浜水族園が舞台 映画『スマスイ』ユーチューブで無料配信中！ 思い出の姿を鮮やかに記録]」ラジトピ ラジオ関西トピックス</ref>。

[[2022年]]1月5日、須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業の工事が開始。工事に伴い営業は本館のみとなり、本館も[[2023年]][[5月31日]]で営業を終了して全施設が閉鎖<ref name="kobe-np20230531">{{Cite web|和書|url=https://www.kobe-np.co.jp/news/sougou/202305/0016418630.shtml |title=さよならスマスイ、半世紀以上の歴史に幕 最終日にファンら別れ、また会う日まで 来年6月に新水族館へ |accessdate=2023-06-01|date=2023-05-31|work=|website=|publisher=神戸新聞}}</ref>解体され、[[2024年]]6月1日跡地に民営の[[神戸須磨シーワールド]]が開業した<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.hanshin.co.jp/company/press/detail/3390 |title=「須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業」建設工事に着手 |publisher=阪神電気鉄道株式会社 |date=2022-01-11 |accessdate=2022-01-15}}</ref><ref name=nishi>{{Cite web|和書|url=https://www.westjr.co.jp/press/article/items/230516_00_press_suma.pdf |title=「須磨海浜水族園・海浜公園再整備事業」の新水族館名称 「神戸須磨シーワールド」に決定 現施設は5月末営業終了・新施設は2024年6月開業予定 |date=2023-05-16 |publisher=JR西日本 |accessdate=2023-05-18}} </ref>。

== 飼育と展示 ==
* [[1977年]]（昭和52年）3月、世界で初めて[[ロングノーズガー]]の繁殖に成功<ref name="kobe2007-18"/>。
* [[ラッコ]]を[[関西]]で初めて展示<ref name="kobe2007-18"/>。

== 施設 ==
*波の大水槽「Wave Tank」： 間口25m、水量1,200t、造波設備（世界初）<ref name="kobe2007-18"/>
*アマゾン館： チューブ型水中トンネル（日本初）<ref name="kobe2007-18"/>、[[ピラルク]]等を展示
*さかなライブ劇場： [[ピラニア]]の大群が泳ぐトンネル水槽
*森の水槽北館： 半地下式の水槽に[[ハイギョ]]、[[オオサンショウウオ]]等を展示
*森の水槽南館： 半地下式の水槽にアジアアロワナ等を展示（須磨水族館時代から現存している施設である。）
*ラッコ館： エサやりを実演
*バードケージ
*世界のさかな館
*イルカライブ館： イルカショーを毎日開催。1989年（平成元年）3月27日オープン<ref name="kobe2007-18"/>。
*ウミガメプール
*ペンギンプール
*標本展示室 
*和楽園展示館： 企画展示館
*レストラン和楽園
*スーベニアショップ
*遊園地

[[2008年]]より、[[サメ]]や[[ウミガメ]]等が泳ぐ「波の大水槽」の前に[[炬燵|こたつ]]3卓を設置､暖をとりながら鑑賞するという、ユニークなサービスを行っている<ref>[http://www.asahi.com/special/07-08/event/OSK200801110011.html asahi.com：こたつに入って、お魚鑑賞　神戸の水族館にお目見え - イベント情報 - 年末年始特集] 2008年01月11日</ref><ref>[https://news.mynavi.jp/article/20130208-a091/ 兵庫県・須磨海浜水族園で「こたつで魚鑑賞」を開催! | マイナビニュース]</ref>｡

[[長崎大学]]水産学部のある教授{{誰|date=2023年9月}}の協力により、当水族館で[[マングローブキリフィッシュ]]（脊椎動物で唯一自家受精をする魚）を展示していた。また、各地から大学生の[[インターンシップ]]もよく受け入れていた。

== 建築概要 ==
*竣工： 1987年
*設計： 神戸市、大建設計
*延床面積： 12,505[[平方メートル|m<sup>2</sup>]] 
*構造： SRC造、RC造
*規模： 地上3階、地下1階
*展示水量： 3100t（野外水槽を含む）
*所在地： 〒654-0049 兵庫県神戸市須磨区若宮町1-3-5

==アクセス==
;鉄道
*[[JR神戸線]] [[須磨海浜公園駅]] 徒歩5分
*[[山陽電気鉄道本線|山陽電鉄本線]] [[月見山駅]] 徒歩10分
;バス
*[[神戸市営バス]] 須磨水族園停留所下車
*JR[[須磨駅]]または[[山陽須磨駅]]から81系統で約3分

== 神戸の水族館の歴史 ==
[[File:和楽園水族館 Warakuen aquarium.jpg|thumb|right|200px|和楽園の水族館（明治30年ごろ）]]
=== 和楽園水族館 ===
1895年（明治28年）、京都で第4回[[内国勧業博覧会]]が開かれた際、これに協力した神戸市が、博覧会附属の施設として、和田岬の遊園地「和楽園」に「和田岬水族放養場」を開設した<ref name="kobewosiru">[http://www.city.kobe.lg.jp/information/institution/institution/library/furusato/suizokukan.html 神戸を知る 神戸の水族館] 最終更新日2011年4月6日 神戸市立中央図書館総務課 2013-2-27閲覧</ref>。兵庫水族室と水族放養池とで構成される。[[小泉八雲|ラフカディオ・ハーン（小泉八雲）]]が観覧し、文章を書いている<ref name="kobewosiru"/>。博覧会終了後も、水族放養場は残された<ref name="kobewosiru"/>。

1897年（明治30年）、神戸市兵庫区の[[和田岬]]で開かれた第2回大日本[[水産]][[博覧会]]<ref name="kobewosiru"/> 会場となる遊園地「和楽園」内に、神戸市は「和田岬水族放養場」を充実させ<ref name="kobewosiru"/>、会期中に限って水族館が設置された<ref name="kobe2007-18"/>。「水族館の父」と呼ばれる[[飯島魁]][[東京大学]]教授によって設計され、建設の際には、神戸の進んだ[[造船]]技術が用いられ、海水の水槽にポンプやバルブ、配管などを備えた本格的な[[濾過装置|循環ろ過]]設備を備えていた<ref name="kobe2007-18"/>。須磨海浜水族園の鮫島叡園長（当時）によると、「水族館」という名称はこの時から日本で初めて使われたという<ref name="suma-iijima"/>。また、水族館は外観がインド風の斬新なデザインであったとしている<ref name="suma-iijima">[https://web.archive.org/web/20100122110420/http://sumasui.jp/cont/cont05/umi1602/u160201.htm 開園10周年・これからの水族園] 須磨海浜水族園（2010年1月22日時点のインターネット・アーカイブ）</ref>。

この「和楽園水族館」が日本初の本格的な水族館<ref name="kobewosiru"/>、日本初の本格的な濾過装置を備えた水族館<ref name="suma2003"/> とされ<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGXNZO13224880R20C10A8ML0000/ 水族館、全国にいくつある?] 2010/8/23 0:06 水族館、全国にいくつある? 日本経済新聞 2013-2-27閲覧</ref>、神戸は'''日本の水族館発祥の地'''ともされている<ref name="kobe2007-18">[http://www.city.kobe.lg.jp/information/public/online/photo/number18/small_features/index2.html 神戸市 ふぉと あ・ら・かると vol.18 須磨海浜水族園・懐かしのアルバム] 神戸市市民参画推進局広報課 2013-2-27閲覧</ref>。

博覧会終了後の1902年（明治35年）4月、水族館は[[湊川神社]]の境内に移転され、「[[楠木正成|楠公]]さんの水族館」と呼ばれる<ref name="kobe2007-18"/>。1910年（明治43年）2月、閉館した<ref name="kobe2007-18"/>。
なお、日本初めての水族館はどこかという論議がしばしば行われる。須磨海浜水族園の鮫島叡園長（当時）<ref name="suma-iijima"/> や安井幸男学芸展示部長（当時）によると、見世物小屋としてのレベルでは、1882年（明治15年）には[[上野恩賜公園|上野公園]]（[[上野動物園]]）に「うをのぞき」（観魚室）があったが、淡水魚専用の循環濾過装置がついていない簡単なもので、単に魚を水槽に入れていただけであって、水族館というレベルではないとし<ref name="suma-yasui">[https://web.archive.org/web/20120418025833/http://sumasui.jp/cont/cont05/umi2404/u240401.htm 須磨海浜水族園の安井幸男]（2012年4月18日時点のインターネット・アーカイブ）</ref>、和楽園水族館を日本初の水族館と考えている。「うをのぞき」は15個ほどの水槽を展示したものであったとされる。

=== 湊川水族館 ===
1930年（昭和5年）9月、神戸海港博覧会が開催されるに合わせて、[[湊川公園]]の中に[[大日本水産会|神戸市水産会]]により湊川水族館が建設された<ref name="kobe2007-18"/>。1943年（昭和18年）2月、第二次世界大戦が激しくなり閉鎖し、1945年（昭和20年）3月の[[神戸大空襲]]により焼失した<ref name="kobe2007-18"/>。その後、神戸は1957年（昭和32年）に当時東洋一の規模を誇った須磨水族館を誕生させ、須磨海浜水族園として現存している<ref name="kobewosiru"/><ref name="suma2003">[https://web.archive.org/web/20130227135435/http://sumasui.jp/cont/cont05/umi1904/u19046.htm うみと水ぞく：06/特別展REPORT ポスター展「水族館から水族園、そして21世紀」]（2013年2月27時点のインターネット・アーカイブ） H13.1.2-6.19 須磨海浜水族園 記者・葛西</ref>。

=== 阪神・淡路大震災 ===
1995年1月17日の[[阪神・淡路大震災]]では建物に大きな被害はなかったものの、停電により濾過装置や温水が止まったため、多数の生き物が犠牲となった。

=== 民営化 ===
神戸市は神戸市立須磨海浜水族園を民営化すると決定。再整備事業の優先交渉権者として、[[サンケイビル]]（[[フジサンケイグループ]]）、[[グランビスタ ホテル&リゾート|グランビスタホテル&リゾート]]（「[[鴨川シーワールド]]」（[[千葉県]][[鴨川市]]）の運営会社）、[[阪神電気鉄道]]など7社で構成する企業グループに内定したと2019年9月12日に発表した。

平成21年度までは財団法人神戸国際観光コンベンション協会が管理運営を行っていたが、[[指定管理者]]制度の導入により管理者の公募が行われ、平成22年度から4年間の指定管理者として[[ウエスコ (建設コンサルタント)|ウエスコ]]・[[名鉄インプレス]]・アクアート特定業務共同事業体が選定された。園長を公募し、[[亀崎直樹]]が選ばれた。平成25年に前述3社と神戸国際観光コンベンション協会が共同で新たな共同事業体を設立し、運営を行ってきたが、令和2年度より、再整備事業の優先交渉権者である[[グランビスタ ホテル&リゾート]]が[[指定管理者]]として運営を行っている。

[[2022年]][[1月]]から着工されていて、[[2023年]][[5月]]末の営業終了後に解体が始まり、[[2024年]][[6月]]に「'''[[神戸須磨シーワールド]]'''」としてリニューアルオープンすることが発表された<ref>{{Cite web|和書|title=神戸市、須磨水族園を民営化 24年春に改装開業予定|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO49744660S9A910C1LKA000/|website=日本経済新聞|date=2019-09-12|accessdate=2019-09-24|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.kensetsunews.com/archives/365997|title=サンケイビルJVに/須磨海浜水族園の事業者/神戸市パークPFI|accessdate=2019年11月19日|publisher=日刊建設通信新聞（2019年9月17日作成）}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://www.fujimediahd.co.jp/ir/pdf/report/r81_2206.pdf |title=第81期 報告書 |access-date=2022-08-13 |date=2022-06-28 |website=株式会社フジ・メディア・ホールディングス |page=11}}</ref><ref name=nishi />。

しかし、民営化後の利用料金が大幅に高額となることが明らかになり、市民らからは反発が出ているほか、[[神戸市会|神戸市議会]]からも懸念の声が出ている<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASMD44G2RMD4PTIL00W.html?iref=pc_ss_date 我が街の水族園、入場料２倍以上になったら…議会も懸念] 朝日新聞 2019年12月6日</ref>。

同園の公式サイトを装って[[オンラインカジノ]]などへ誘導する偽装サイトが開設されていることが判明し、[[2023年]][[6月]]に神戸市は注意を呼び掛けた。[[2020年]]に公式サイト移行に際して手放した旧公式サイトのドメインが[[ドロップキャッチ]]によって悪用されたものと見られている<ref>[https://www.yomiuri.co.jp/national/20230609-OYT1T50126/ 須磨海浜水族園の旧ドメイン、海外カジノ誘導…アダルトサイトに悪用例も] 読売新聞 2023年6月9日</ref><ref>[https://kobe-sumasui.jp/news/notice20230607/ 神戸市立須磨海浜水族園を装ったサイトにご注意ください。] お知らせ 須磨海浜水族園公式サイト</ref>。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist}}

== 周辺情報 ==
{{Commonscat|Suma Aqualife Park}}
*[[須磨離宮公園]]
*[[須磨寺]]
*[[須磨海水浴場]]
*[[須磨浦山上遊園]]
*[[須磨海浜公園]]
*[[和田岬灯台]]
*[[須磨浦公園]]
*[[須磨海づり公園]]

== 関連項目==
*[[大阪湾見守りネット]]

==外部リンク==
*[https://www.city.kobe.lg.jp/kanko/sumasui/sumasui_archive.html 神戸市HP須磨海浜水族園デジタルアーカイブ]
*[https://web.archive.org/web/20201101062745/https://kobe-sumasui.jp/ 神戸市立須磨海浜水族園公式ページ(ウェイバックマシン)2020年11月]
*[https://web.archive.org/web/19970420004535/http://www01.city.kobe.jp:80/kobe-city/cityoffice/27/aquarium/index.html 神戸市役所HP水族館ページ(ウェイバックマシン)1997年4月]
*[http://www.pa.kkr.mlit.go.jp/minatooasys/kinki_oasis/suma.html みなとオアシス須磨]
{{日本動物園水族館協会}}
{{日本の水族館}}

{{DEFAULTSORT:こうへしりつすまかいひんすいそくえん}}
[[Category:日本の水族館]]
[[Category:神戸市の博物館]]
[[Category:須磨区の教育]]
[[Category:大阪湾]]
[[Category:1987年竣工の日本の建築物]]
[[Category:須磨区の建築物]]

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