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{{政治家
| 人名 = 李 克強
| 各国語表記 = {{lang|zh-Hans-CN|李 克强}}
| 画像 = Shinzō Abe Li Keqiang 20191225 (1) (cropped).jpg
| 画像サイズ = 210px
| 画像説明 = [[2019年]]、[[日中韓首脳会談]]にて撮影
| 国略称 = {{PRC}}
| 生年月日 = {{生年月日|1955|7|3}}<ref>[http://www.news.cn/politics/2023-11/02/c_1129954125.htm 李克强同志生平] — [[新華通信社]]</ref>
| 出生地 = {{PRC}} [[安徽省]][[合肥市]]
| 没年月日 = {{没年月日と年齢|1955|7|1|2023|10|27}}
| 死没地 = {{PRC}} [[上海市]]
| 現職 = 
| 出身校 = [[北京大学]]法学士、経済学博士
| 所属政党 = {{CPC}}
| 称号・勲章 = 
| 子女 = 1人
| 配偶者 = [[程虹]]（1983年 - 2023年） <ref>{{Harvnb|日本大百科全書（ニッポニカ）|}}</ref>
| サイン = 
| ウェブサイト = 
| サイトタイトル = 
| 国旗 = 
| 職名 = {{PRC}}<br>[[ファイル:National Emblem of the People's Republic of China (2).svg|20px]] 第7代 [[国務院総理]]
| 内閣 = [[李克強内閣]]
| 就任日 = [[2013年]][[3月15日]]
| 退任日 = [[2023年]][[3月11日]]
| 退任理由 = 
| 元首職 = [[中華人民共和国の最高指導者一覧|最高指導者]]
| 元首 = [[習近平]]
| 国旗2 = 
| 職名2 = [[ファイル:Flag of the Chinese Communist Party.svg|border|25px]] [[中国共産党]]<br>[[ファイル:Danghui.svg|20px]] 第17-19期 [[中国共産党中央政治局常務委員会|中央政治局常務委員会委員]]
| 内閣2 = 
| 就任日2 = [[2007年]][[10月22日]]
| 退任日2 = [[2022年]][[10月23日]]
| 退任理由2 = 
| 元首職2 = [[中国共産党中央委員会総書記|党総書記]]
| 元首2 = [[胡錦濤]]<br>[[習近平]]
| 国旗3 = 
| 職名3 = {{PRC}}<br>[[ファイル:National Emblem of the People's Republic of China (2).svg|20px]] 第11期 [[国務院副総理]]
| 内閣3 = 第2次[[温家宝]]内閣
| 就任日3 = [[2008年]][[3月17日]]
| 退任日3 = [[2013年]][[3月15日]]
| 退任理由3 = 
| 元首職3 = [[中華人民共和国の最高指導者一覧|最高指導者]]
| 元首3 = [[胡錦濤]]
| 任命権者等職3 = [[国務院総理]]
| 任命権者等3 = [[温家宝]]
| 国旗4 = 
| 職名4 = [[ファイル:Flag_of_the_Communist_Youth_League_of_China.svg|border|25px]] [[中国共産主義青年団]]<br>[[ファイル:China Youth League logo.svg|20px]] 第13代 [[第一書記]]
| 就任日4 = [[1993年]][[5月10日]]
| 退任日4 = [[1998年]][[6月23日]]
| 退任理由4 = 
| 元首職4 = 党総書記
| 元首4 = [[江沢民]]
}}
{{中華圏の人物
|名前=李 克強
|職業=[[中華人民共和国国務院総理]]
|繁体字=李 克強
|簡体字=李 克强
|ピン音=Lǐ Kèqiáng
|和名=り こっきょう
|発音=リー・クーチアン<br>
リー・コーチアン<ref>[https://www.asahi.com/articles/ASRBW36LMRBWUHBI017.html 中国の李克強前首相が死去、68歳　現地報道「上海で休養中に急変」]．[[朝日新聞社]]</ref>
|ラテン字=
|英語名=Li Keqiang
}}
'''李 克強'''（り こっきょう、り こくきょう、リー・クーチアン、リー・コーチアン、{{lang-zh-hans|李 克强}}、[[1955年]][[7月3日]] - [[2023年]][[10月27日]]<ref>{{Cite web |url=https://www.sankei.com/article/20231027-Y3QIC6LNOBNARNROATBZKZUIII/ |title=中国の李克強前首相が死去 68歳、心臓発作で |publisher=[[産経新聞]] |date=2023-10-27 |accessdate=2024-10-27}}</ref>）は、[[中華人民共和国]]の[[政治家]]。第7代[[国務院総理]]、第17・18・19期[[中国共産党中央政治局常務委員会|党中央政治局常務委員]]。[[胡錦濤]]元総書記と同じく[[中国共産主義青年団]]（共青団）の出身である<ref name="共青団" />。[[習近平]][[中国共産党中央委員会総書記|党総書記]]と共に[[中国共産党]][[第5世代]]の[[習李体制|指導者]]とされた<ref name="十七大">{{cite news| author=張丹紅| coauthors=| title=十七大閉幕：陳規俗矩下的依稀曙光（中国語）| date=2007.10.22| publisher=德国之声| url=http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,2834764,00.html| work=| pages=| accessdate=2007-10-22| language=中国語| archiveurl=https://web.archive.org/web/20110203145943/http://www.dw-world.de/dw/article/0,2144,2834764,00.html| archivedate=2011年2月3日| deadlinkdate=2017年10月}}</ref>。

[[経済学]][[博士|博士号]]を持つ理論家として知られた。その経済政策は「[[リコノミクス]]」と一時脚光を浴びたが、習近平への権力集中に伴い存在感は限られていた<ref name="共青団">{{cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/030/097000c|title=中国・李克強前首相の突然の訃報に国内衝撃　8月には観光客に笑顔も|newspaper=[[毎日新聞]]デジタル|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-28}}</ref>。

== 来歴 ==
1955年7月3日に[[安徽省]][[合肥市]]に誕生する。[[胡錦濤]]とは、戸籍上は同郷人である{{efn|中国共産党の公式発表では、胡錦濤の戸籍地は[[安徽省]][[績渓県]]であるが。しかし、実は[[江蘇省]][[泰州市]]出身<ref>[http://news.cntv.cn/2013/09/28/ARTI1380346672977494.shtml 中共领导人的乡愁：胡锦涛34年未还乡].央視網</ref>}}。[[1974年]]3月から[[1978年]]3月にかけて安徽省[[鳳陽県]]大廟公社で労働に従事。この間の[[1976年]]5月に中国共産党に入党する。同年11月より大廟公社大廟生産大隊党支部書記を務める。[[文化大革命]]が終息した[[1970年代]]末に[[全国普通高等学校招生入学考試]]が復活すると鳳陽県の[[首席]]（高考状元）となり、1978年3月に[[北京大学]]法律系（法学部）に入学する。在学中は全校学生会責任者を務めた。

[[1982年]]2月に大学を卒業し、法学学士号を修得した。同月から翌年12月にかけて北京大学共青団委員会書記・共青団中央常務委員・共青団中央学校部部長兼全国学校連合会秘書長を務めた。[[1983年]]12月に共青団中央書記処候補書記となり、1985年3月に外務省の招待を受けた中国青年代表団の副団長として来日した。当時中華全国青年連合会（全青連）主席であった[[胡錦濤]]団長と共に副団長として[[聖教新聞社]]を訪問し、[[池田大作]]と会談している<ref>{{Cite news|title=池田大作氏、李克強首相に友誼の漢詩を贈る|date=2018-05-14|人民日報海外版=}}</ref>。[[1985年]]11月に共青団中央書記処書記に就任。李が共青団中央書記処入りしたこの時期、胡錦濤もまた先任の書記として在籍しており、[[1984年]]から1985年にかけて共青団中央書記処第一書記の地位にあった。[[1985年]]に青年団副団長として団長の胡錦涛に同行して[[日本]]を訪問し、[[安倍晋太郎]][[外務大臣 (日本)|外務大臣]]と当時その秘書官であった[[安倍晋三]]らと晩餐会をともにした<ref>{{Cite news|url=https://www.kantei.go.jp/jp/98_abe/actions/201805/09jck.html|publisher=[[首相官邸]]|author=|title=日中韓サミット・日韓首脳会談・日中首脳会談等 |date=2018-05-09|accessdate=2018-05-10}}</ref>。李は[[1986年]]6月に全国青年連合会副主席を兼任した。[[1988年]]9月から[[1994年]]12月にかけて、在職のまま北京大学経済学院経済学専攻大学院に学び、経済学修士号・博士号を修得する<ref>{{Harv|高橋|21世紀中国総研|2009|p=730}}。</ref>。指導教官は[[清華大学]]経営管理学院（初代院長は[[朱鎔基]]）と双璧をなすとされる[[北京大学光華管理学院]]の初代院長である{{仮リンク|厲以寧|zh|厉以宁}}だった<ref>{{Cite news
 | url=http://hk.apple.nextmedia.com/international/art/20130316/18197062
 | title=國師厲以寧教李克強李源潮
 | work=
 | newspaper=[[蘋果日報 (香港)|蘋果日報]]
 | date=2013-03-16
 | accessdate=2017-04-22
}}</ref>。この間、[[1991年]]9月から11月にかけて[[中国共産党中央党校]]でも学ぶ。[[1992年]]には[[岩手県]]の[[小沢一郎]]の自宅に[[ホームステイ]]した<ref>{{Cite news|url=https://web.archive.org/web/20180510184542/https://www.jiji.com/jc/article?k=2018050800765|publisher=[[時事通信]]|author=|title=李首相、知日派の顔も＝若手時代に交流経験－日中韓 |date=2018-05-10|accessdate=2018-05-10}}</ref><ref name="共青団" />。

[[1993年]]3月に共青団中央書記処第一書記に昇格し、中国青年政治学院院長を兼ねた。同月には安徽省代表として第8期[[全国人民代表大会常務委員会]]委員・全人代常務委員会代表資格審査委員会委員に選出される。その後、第9期（[[1998年]]から[[2003年]]）・第10期（2003年から2008年）・第11期（2008年から）の全人代代表（議員）に選出される。

1997年9月の第15回[[中国共産党全国代表大会|党大会]]で[[中国共産党中央委員会|党中央委員]]に選出された李は、1998年6月に共青団中央書記処第一書記兼中国青年政治学院院長を退き、党務に転じて[[河南省]]に赴任し、河南省党委員会副書記に就任した。翌月には河南省副省長を兼任。その後、省長代理を経て、[[1999年]]2月には正式に河南省省長兼省党委副書記・省政府党組書記に就任した。[[2002年]]11月、第16回党大会で中央委員に再選。翌月河南省党委書記に就任。2003年1月、兼任していた河南省省長を退任し、河南省人民代表大会常務委員会主任を新たに兼務する。次いで[[2004年]]12月、[[遼寧省]]党委書記に転じた。これに伴い、翌年1月に河南省人代常務委員会主任を辞任した。[[2005年]][[2月27日]]に遼寧省人民代表大会常務委員会主任を兼務した。

=== 政治局常務委員 ===
[[File:Vice_Premier_of_the_State_Council_of_the_People’s_Republic_of_China_(5347479772).jpg|thumb|李克強（２０１１）]]
[[2007年]]10月の[[中国共産党第十七回全国代表大会|第17回党大会]]で中央委員に再選。[[10月22日]]の第17期党中央委員会第1回全体会議（第17期1中全会）で二段飛びの政治局常務委員に選出された。同様に政治局常務委員となった[[習近平]]とともに第18期以降を支える第5世代の重要人物とされ、胡錦濤が[[江沢民]]元総書記時代に就いていた[[中国共産党中央書記処|中央書記処]]常務書記には習近平が任命され、李は[[中華人民共和国国務院|国務院]]党組副書記・中央財経領導小組成員として[[温家宝]]総理の補佐となったため、胡錦濤の後継者は習近平か李と目された。2008年3月17日に第11期[[全国人民代表大会]]第1回会議において[[国務院常務副総理]]に任命された。しかし、李を中国の次期党総書記（最高指導者）に推す温家宝は党内の保守派や既得権益を重んじる層（[[上海閥]]、[[太子党]]）から批判の矢面に立たされており、同年11月に4兆元の大規模な[[財政出動]]（{{仮リンク|内需拡大十項措置|en|Chinese economic stimulus program}}）を断行して[[世界金融危機]]も乗り越えた[[国務院副総理]]で習近平に近い[[王岐山]]と比較して李は危機管理が弱いと国務院内で評された<ref>{{cite news |title=中国共産党大会 権力闘争の全内幕|publisher=[[WEDGE Infinity]] |date=2012-11-12|url=https://wedge.ismedia.jp/articles/-/2382|accessdate=2019-10-23|author=}}</ref>。最終的に温家宝は権力闘争に敗れ、軍部や保守派が推したとされる習近平が胡錦濤の後継者に確定したという経緯が報じられた<ref>{{citenews|url=https://web.archive.org/web/20110202093303/http://sankei.jp.msn.com/world/news/110114/chn11011401140001-n1.htm|title=【国際情勢分析】習路線へかじ切る外交|publisher=産経新聞|date=2010-12-5|accessdate=2011-1-27}}</ref>。

[[2012年]]11月15日に第18期1中全会で政治局常務委員に再選され、党総書記となった習近平に次ぐ党内序列第2位となる<ref>「[http://www.japanese.peopledaily.jp/94474/8021404.html 中国共産党第18期中央委員会第1回全体会議コミュニケ]」人民網日本語版、2012年11月15日付配信記事（2012年11月29日閲覧）。</ref>。同月21日、李は[[北京]]の[[中南海]]で開催された[[改革開放]]に関する座談会を主宰し、「人民がさらに良い生活を送れるようにするためには、改革開放が必要だ」と述べ、多くの改革を進めれば既得権益層の打破などにつながると主張して、[[習李体制]]の10年間で改革を進める姿勢を示した<ref>「[http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20121123-OYT1T00685.htm 中国新首相予定の李氏、『改革開放』決意を強調]」『読売新聞』2012年11月23日付記事（2012年12月7日閲覧）。</ref>。

=== 国務院総理 ===
{{main|李克強内閣}}
[[File:Xi_jinping_and_Li_keqiang.jpg|thumb|習近平と李克強（２０１3）]]
[[File:Li_Keqiang,_Chinese_and_foreign_press_conference.jpg|thumb|李克強（２０１５）]]
[[2013年]]3月15日に李克強は第12期全人代第1回会議において第7代[[国務院総理]]に選出された<ref>川越一「[https://web.archive.org/web/20130315222046/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130315/chn13031511570006-n1.htm 李克強氏を首相に選出　習・李体制本格始動]」『産経新聞』2013年3月15日付記事（2013年3月17日閲覧）。</ref>。翌日には閣僚の任命が行われて、正式に[[李克強内閣]]が発足した<ref>川越一「[https://web.archive.org/web/20130317145949/http://sankei.jp.msn.com/world/news/130316/chn13031618360002-n1.htm 中国新内閣が発足　新外相に元駐日大使の王毅氏]」『産経新聞』2013年3月16日付記事（2013年3月17日閲覧）。</ref>。当初は[[経済政策]]として[[改革開放]]の推進を掲げ、「[[リコノミクス]]」と呼ばれるなど注目されたが、結局は改革に否定的な姿勢の習近平が権力集中を強める中で経済政策の決定権をも握ることとなり、その存在感は低下していった<ref>{{Cite news|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031100396&g=int|title=李克強氏、静かに首相退任　習氏に嫌われた秀才―中国|work=時事ドットコム|agency=[[時事通信社]]|date=2023-03-12|accessdate=2023-03-26}}</ref><ref name=nwj101041>{{Cite news|url=https://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2023/03/post-101041.php|title=「独裁者」習近平の陰に隠れた「最弱」首相...それでも改革を貫いた李克強が遺したもの|publisher=[[ニューズウィーク]]|date=2023-03-08|accessdate=2023-03-26}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.yomiuri.co.jp/world/20220311-OYT1T50271/|title=「リコノミクス」で注目された李克強氏、存在感低下させ最後の首相記者会見|work=読売新聞オンライン|newspaper=[[読売新聞]]|date=2023-03-11|accessdate=2023-03-26}}</ref><ref name="共青団" />。
[[File:20180509jck19.jpg|thumb|安倍晋三と李克強（２０１８）]]
[[File:President_Rodrigo_Roa_Duterte_and_his_long-time_partner_Cielito_“Honeylet”_Avanceña_greet_People’s_Republic_of_China_State_Council_Premier_Li_Keqiang’s_wife_Cheng_Hong.jpg|thumb|[[ロドリゴ・ドゥテルテ]]夫妻と、李克強夫妻（２０１９）]]
[[2018年]]5月8日に[[日中韓首脳会談]]への出席のために総理就任後初めて訪日し、9日に[[東京]]の[[迎賓館]]での安倍晋三[[内閣総理大臣|首相]]との会談で日中防衛当局間の[[ホットライン]]である海空連絡メカニズムの運用開始、[[一帯一路]]に基づく第三国での共同インフラ整備を具体化させる官民協議体の設置、[[通貨スワップ協定]]再開や共同映画製作協定と[[社会保障協定]]の締結などで合意し<ref>{{Cite news|url=https://www.mofa.go.jp/mofaj/a_o/c_m1/cn/page1_000526.html|publisher=[[外務省]]|author=|title=李克強・中国国務院総理の訪日 日中首脳会談及び晩餐会 |date=2018-05-09|accessdate=2018-05-10}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXMZO3027991009052018PP8000/|publisher=[[日本経済新聞]]|author=|title=日中首相会談の要旨 |date=2018-05-09|accessdate=2018-05-09}}</ref>、[[天皇]]とも懇談した<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20180510-RMTSI7SMKNJOFG7JE27YJZNXNQ/|publisher=[[産経デジタル|産経ニュース]]|author=|title=陛下、初訪中時に「温かい歓迎、懐かしく」　中国の李克強首相とご懇談 |date=2018-05-10|accessdate=2018-05-10}}</ref>。また、[[北海道]]への視察には安倍首相も同行し、日中知事省長フォーラムに出席した他<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20180511-K7N7Y3NYQZID7NAVR2SLNJKCBM/|publisher=[[産経デジタル|産経ニュース]]|author=|title=日中知事省長フォーラムに安倍晋三首相と中国の李克強首相出席 |date=2018-05-11|accessdate=2018-05-11}}</ref>、牧場の[[えこりん村]]で昼食をともにし、[[トヨタ自動車]]の工場も訪れて[[豊田章男]]社長に出迎えられた<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20180511-OG2Q25SWAVJ3NHBN3TKLJKO54U/|publisher=[[産経デジタル|産経ニュース]]|author=|title=北海道で安倍晋三首相、李克強首相をおもてなし　帰国見送る |date=2018-05-11|accessdate=2018-05-11}}</ref>。

[[2022年]][[3月11日]]、李克強は記者会見の中で自らの出処に触れ、翌[[2023年]]の任期末をもって総理職を退任すると明言。[[中華人民共和国憲法]]の第87条で国務院総理は2期を超えて連続で務めることはできないと定められており、李克強のこの発言は当たり前の内容と言えるが、慣例である定年の68歳に達していないほか、当時は習近平が慣例を破って3期目を目指していると目されている時期であった<ref>{{Cite news|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-03-11/R8KDKPT0AFB501|title=中国ナンバー２の李首相、来年の退任を明言－習体制の今後巡り観測|work=bloomberg.co.jp|agency=[[ブルームバーグ (企業)|ブルームバーグ]]|date=2022-03-11|accessdate=2023-03-24}}</ref><ref>{{Cite web|和書|url=https://grici.or.jp/3738|title=胡錦涛中途退席の真相：胡錦涛は主席団代表なので全て事前に知っていた|publisher=[[中国問題グローバル研究所]]|author=遠藤誉|authorlink=遠藤誉|date=2022-10-30|accessdate=2023-03-21}}</ref>。2022年10月に開催された[[中国共産党第二十回全国代表大会]]で中央政治局委員から外れ引退が確定した<ref>{{Cite news|url=https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-10-22/RK522UT0AFB401|title=中国共産党の習総書記、異例の３期目へ－李首相は指導部外れる|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2022-10-22|accessdate=2022-10-24}}</ref>。2023年3月11日の第14期全人代の全体会議で後継の国務総理が選出されたことで退任したが、習近平との溝は最後まで埋まらなかった<ref>{{Cite news|url=https://www.asahi.com/articles/ASR3C5GMZR3CUHBI013.html|title=習氏と握手も目合わず…　首相退任の李克強氏、すれ違いにじませ去る|work=朝日新聞デジタル|newspaper=[[朝日新聞]]|date=2023-03-11|accessdate=2023-03-14}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.jiji.com/jc/article?k=2023031100396&g=int|title=李克強氏、静かに首相退任　習氏に嫌われた秀才―中国|work=時事ドットコム|agency=[[時事通信]]|date=2023-03-12|accessdate=2023-03-14}}</ref>。国務院総理時代は習近平の影に隠れる形となったが、改革開放の価値観を擁護し継続させたことを評価する声もある<ref name=nwj101041 />。

=== 死去 ===
最後に公に姿を見せたのは2023年8月31日に[[甘粛省]][[敦煌市]]の[[莫高窟]]を訪問した際のことで、市民や観光客に対して笑顔で手を振って応対したが<ref name="共青団" />、現場にいた国営メディアが訪問を報じることはなかった<ref>{{Cite news|url=https://mainichi.jp/articles/20231027/k00/00m/030/097000c|title=中国・李克強前首相の突然の訃報に国内衝撃　8月には観光客に笑顔も|newspaper=[[毎日新聞]]|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-27}}</ref><ref name=joins310696>{{Cite news|url=https://japanese.joins.com/JArticle/310696|title=「天は見ている」絶対権力を批判…李克強氏の最後の道「赤いろうそく」で哀悼|newspaper=[[中央日報]]|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-27}}</ref>。同年10月下旬頃より上海で療養し<ref>{{Cite news|url=https://jp.reuters.com/world/china/NMGK477VYRJM7EWK27VUFAEDXE-2023-10-27/|title=中国の李克強前首相が急死、68歳　習体制下で存在感低下|agency=[[ロイター]]|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-27}}</ref>、10月27日0時10分（日本時間1時10分）に[[心臓発作]]のため搬送先の[[上海市|上海]]にある[[上海中医薬大学]]附属「[https://web.archive.org/web/20180422163717/http://www.sgyy.cn/cn/index/ 曙光医院]」<ref>[https://wedge.ismedia.jp/articles/-/31990 李克強死去への「疑問」が中国の不安感を加速させる 　Wedge ONLINE(ウェッジ・オンライン)]</ref>で死去した。68歳没<ref>{{Cite web |title=李克强同志逝世 |url=http://news.cyol.com/gb/articles/2023-10/27/content_77yamWieEY.html |website=news.cyol.com |access-date=2023-10-27 |date=2023年10月27日}}</ref><ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20231027-Y3QIC6LNOBNARNROATBZKZUIII|publisher=[[産経デジタル|産経ニュース]]|author=|title=中国の李克強前首相が死去　６８歳、心臓発作で|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-27}}</ref>。香港のメディアは宿泊していた上海の高級ホテル・{{ill2|上海東郊賓館|zh|上海东郊宾馆}}で水泳をしていた際に心臓発作を起こしたと報じ<ref>{{Cite news|url=https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB283NP0Y3A021C2000000/|title=李克強氏、ホテルで水泳中に心臓発作か　香港紙報道|work=日経電子版|newspaper=[[日本経済新聞]]|date=2023-10-29|accessdate=2023-11-09}}</ref>、この情報は中国国内で[[新浪微博]]を通じて拡散されホテルは宿泊予約サイト上で11月上旬まで営業を停止すると発表するなど対応に追われた<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20231027-XUANR76SHBK3RBQC56VK4PMMX4/|title=北京など厳戒、李克強前首相が急死　「プールで心肺停止」情報拡散|work=産経ニュース|newspaper=[[産経新聞]]|date=2023-10-27|accessdate=2023-11-09}}</ref>。唐突な訃報は中国国外でも速報で伝えられたが<ref>{{Cite news|url=https://japanese.joins.com/JArticle/310670|publisher=[[中央日報]]|author=|title=中国中央テレビ「李克強前首相が死亡」|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-27}}</ref><ref name="共青団" />、中国国内では李克強死去を報じる[[日本放送協会|NHK]]海外放送のニュース映像が一部遮断された<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20231027-ZQ7VCYC3IVOT3LCJ45BXWIMTUI/|title=中国で李克強前首相死去のニュースが一部遮断　ＮＨＫ海外放送で|work=産経ニュース|newspaper=[[産経新聞]]|date=2023-10-27|accessdate=2023-10-27}}</ref>。遺体は11月2日に[[八宝山革命公墓]]にて火葬され、葬儀場には習近平を含む党最高指導部7人全員が訪れ弔意を示したが、胡錦濤元総書記は花輪を贈るにとどめ出席はしなかった<ref>{{Cite news|url=https://www.sankei.com/article/20231102-QAIE3A6RT5PG5DWUFYDDP6PYMQ/|title=李克強前首相が荼毘に　習氏ら最高指導部メンバー全員参列　胡錦濤氏は姿見せず|work=産経ニュース|newspaper=[[産経新聞]]|date=2023-11-02|accessdate=2023-11-09}}</ref>。

== 人物 ==
*部下を決して怒鳴りつけることはせず、公私で他人の悪口を言わず、周囲に常に笑顔を見せているという。共産主義青年団にいた頃は胡錦濤と行動を共にすることが多く、胡錦濤は李克強の人柄を見込んで青年団書記候補に抜擢した。青年団時代の幹部によると「李克強は敵を作らない」という。学校部長であった頃にある部長との意見の相違で対立したことがあり、李克強が中央第一書記になると、その部長は報復を恐れていたが、ある日、李克強は彼を呼び寄せ、人事異動の際に彼の昇格を伝え、新しい官舎の鍵を渡したという<ref>{{Harv|祁|おうち|2002|p=247}}。</ref>。
*元来あまり身体が丈夫でなく、[[腎臓]]・[[肝臓]]の[[疾患]]や[[糖尿病]]を患っていると報じられたことがある<ref>[[金子秀敏]]  [http://www.weekly-economist.com/2015/05/12/%E7%89%B9%E9%9B%86-%E4%B8%96%E7%95%8C%E6%A0%AA%E9%AB%98%E3%81%AE%E8%90%BD%E3%81%A8%E3%81%97%E7%A9%B4-%E4%B8%AD%E5%9B%BD-2015%E5%B9%B45%E6%9C%885-12%E6%97%A5%E5%90%88%E4%BD%B5%E5%8F%B7 風前の灯ともしびリコノミクス　習・李ツートップの危機]特集：世界株高の落とし穴　中国　「週刊エコノミスト」、2015年5月5・12日合併号</ref><ref>{{Harv|謝|2014}}</ref><ref>[https://www.recordchina.co.jp/b105969-s0-c30-d0052.html 李克強首相に健康不安説、北京市民はPM2．5よりも高い関心―中国のリスク要因に？]レコードチャイナ　2015年4月16日</ref>。2023年10月27日に急死した際には死因は心臓発作と発表され、心臓に関する持病があったかどうかは不明だが、過去に冠動脈バイパス手術を受けた経歴があったと消息筋は伝えている<ref name=joins310696 /><ref>{{Cite web |title=「李克強前首相、上海で水泳中に心筋梗塞、死去…過去に手術」 |url=https://s.japanese.joins.com/JArticle/310705?sectcode=A00&servcode=A00 |website=中央日報 - 韓国の最新ニュースを日本語でサービスします |access-date=2023-11-07 |language=ja}}</ref>。
*2022年に李克強よりも高位の役職にあった[[江沢民]]元党総書記が死去した際には、北京の在中国日本大使館は[[半旗]]を掲揚しなかったが、対外関係を重視した李克強は日本との関係も深く、「日中関係発展のために長きにわたり重要な役割を果たした」との評価があり、[[垂秀夫]]中国大使による「前例にとらわれるな」という考えのもと北京では日本大使館だけが最大限の追悼を示す半旗を掲げ、急死した李に哀悼の意を示した<ref>[https://equity.jiji.com/oversea_economies/2023110201049 日本大使館も半旗＝李前首相に哀悼の意―北京 - 海外経済ニュース - 時事エクイティ]</ref><ref>[https://www.yomiuri.co.jp/world/20240128-OYT1T50001/ ［ワールドビュー］対中外交　前例とらわれず…中国総局長　大木聖馬 : 読売新聞]</ref>。

== 家庭 ==
[[程虹]]夫人は首都経済貿易大学の英文科教授。2014年5月に外交デビューを果たした<ref>{{Cite web|和書|url=https://www.news-postseven.com/archives/20140517_256004.html|title=中国・李克強首相夫人が外交デビュー　習近平主席に対抗心も｜NEWSポストセブン|publisher=NEWSポストセブン|date=2014-05-17|accessdate=2019-11-19}}</ref>。二人の間に一女がいる。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|2}}

== 参考文献 ==
*{{Cite book|和書|author=祁英力|editor=おうちすえたけ 編訳|others=辻康吾 監修|date=2002-11|title=胡錦涛と現代中国|publisher=勉誠出版|isbn=4-585-05070-1|url=http://bensei.jp/index.php?main_page=product_book_info&cPath=9_26&products_id=5070|ref={{Harvid|祁|おうち|2002}}}}
*{{Cite book|和書|author=謝凡平|date=2014-12-09|title=總理爭奪戰|publisher=財大出版社|language=中国語|isbn=9781940063249|url={{Google books|7891BwAAQBAJ&|總理爭奪戰|page=PT8|plainurl=yes}}|ref={{Harvid|謝|2014}}}}
*{{Cite book|和書|author=高橋博|authorlink=高橋博 (中国研究家)|coauthors=21世紀中国総研 編著|date=2009-10-01|title=中国重要人物事典|publisher=蒼蒼社|isbn=978-4-88360-086-1|url=http://www.mmjp.or.jp/sososha/hon/jinbutujiten.html|ref={{Harvid|高橋|21世紀中国総研|2009}}}}

== 関連項目 ==<!--項目の50音順-->
{{Div col}}
* [[胡錦濤]]
* [[習近平]]
* [[習李体制]]
* [[中国共産主義青年団|中国共産主義青年団派]]
* [[文化大革命]]
* [[李克強指数]]
* [[李克強内閣]]
* [[リコノミクス]]
{{Div col end}}

== 外部リンク ==
* {{Wayback|url=http://jpn_cpc.people.com.cn/69715/8022949.html |title=李克強氏略歴 |date=20130121221517}}{{ja icon}}
* [https://www.china7.jp/bbs/board.php?bo_table=2_5&wr_id=25 李克強]{{ja icon}} 中国総合情報サイト
* {{Cite Kotobank|word=李克強|encyclopedia=日本大百科全書（��ッポニカ）|accessdate=2021年6月17日|ref={{SfnRef|日本大百科全書（ニッポニカ）}} }}	
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