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{{battlebox
|battle_name= 教興寺の戦い
|image = [[画像:教興寺山門.JPG|300px]]
|caption = 教興寺の山門
|conflict= [[戦国時代 (日本)]]
|date= [[永禄]]5年（[[1562年]]）5月20日<ref name="細川">{{Citation|和書|editor-last=塙|editor-first=保己一|editor-link=塙保己一|year=1894|chapter=細川兩家記|title=[[群書類従]] 第拾參輯|publisher=[[経済雑誌社]]|page=631|url={{NDLDC|1879780/320}}}}</ref>{{sfn|天野|2014|p=114}}
|place= [[教興寺]]周辺
|result= [[三好長慶]]軍[[ファイル:Japanese crest Sanngai Hisi ni itutu Kuginuki.svg|20px]]の勝利
|combatant1= [[三好長慶]]軍[[ファイル:Japanese crest Sanngai Hisi ni itutu Kuginuki.svg|20px]]
|combatant2= [[畠山高政]]軍[[ファイル:Ashikaga mon.svg|20px]]
|commander1= 三好長慶[[ファイル:Japanese crest Sanngai Hisi ni itutu Kuginuki.svg|20px]]<br />[[三好義興]][[ファイル:Japanese crest Sanngai Hisi ni itutu Kuginuki.svg|20px]]<br />[[三好康長]][[ファイル:Japanese crest Sanngai Hisi ni itutu Kuginuki.svg|20px]]<br />[[三好長逸]][[ファイル:Japanese crest Sanngai Hisi ni itutu Kuginuki.svg|20px]]<br />[[松永久秀]][[ファイル:Japanese crest Tuta.svg|20px]]
|commander2= 畠山高政[[ファイル:Ashikaga mon.svg|20px]]<br />[[安見宗房]]<br />[[湯川直光]]{{KIA}}
|strength1= 不明
|strength2= 不明
|casualties1 = 不明
|casualties2= 戦死者600余人<ref name="細川" />{{sfnm|弓倉|2006|1p=354|福島|2009|2p=125}}
|campaign = 三好長慶の戦闘
}}

'''教興寺の戦い'''（きょうこうじのたたかい）は、[[永禄]]5年（[[1562年]]）5月20日に、[[河内国|河内]][[高安郡]]教興寺村（現在の[[大阪府]][[八尾市]][[教興寺 (八尾市の地名)|教興寺]]）付近であった[[三好長慶]]と[[畠山高政]]との合戦。'''教興寺合戦'''とも呼ばれる。

== 会戦までの経緯 ==
永禄3年（[[1560年]]）10月、[[河内国|河内]][[守護]]の畠山高政とその重臣・[[安見宗房]]が三好長慶に敗れ、[[高屋城]]と[[飯盛山城]]は長慶の手に落ちていた{{sfn|天野|2014|p=105}}。

翌永禄4年（1561年）7月、[[和泉国|和泉]][[守護代]]{{sfn|天野|2014|pp=73–74}}の[[松浦光|松浦萬満]]を後見していた長慶の三弟・[[十河一存]]が死去すると{{sfn|天野|2014|p=107}}、それを機に畠山高政と[[近江国]]の[[六角義賢]]が手を組む{{sfn|天野|2014|p=111}}。同月のうちに、畠山高政・安見宗房・[[根来衆]]は[[紀伊国|紀伊]]から和泉へと侵攻し、同月28日、六角義賢は[[東山 (京都府)|東山]]の[[将軍山城|勝軍山城]]に入り、京都をうかがった{{sfn|福島|2006|p=124}}。

永禄5年（1562年）3月5日、畠山勢は和泉国久米田（[[岸和田市]]）で長慶の長弟・[[三好実休]]を討ち取り高屋城を奪還（[[久米田の戦い]]）{{sfnm|福島|2006|1p=124|天野|2014|2p=113}}。それを受けて3月6日、長慶の嫡男・[[三好義興|義興]]と[[松永久秀]]は[[征夷大将軍|将軍]]・[[足利義輝]]を京から[[石清水八幡宮]]に移し{{sfn|天野|2014|p=113}}、翌7日、六角勢が入京した{{sfnm|福島|2006|1p=125|天野|2014|2p=113}}。和泉の[[岸和田城]]には長慶の次弟・[[安宅冬康]]がしばらく籠っていたが退城<ref name="細川" />{{sfn|天野|2014|p=113}}。飯盛山城には三好長慶が籠城し、安見宗房と[[根来寺]]衆がそれを攻め立てた<ref name="細川" />{{sfnm|弓倉|2006|1p=354|天野|2014|2p=113}}。

== 教興寺の戦い ==
永禄5年（1562年）5月、三好勢は反撃に出る{{sfnm|福島|2006|1p=125|天野|2014|2p=114}}。5月10日、[[阿波国|阿波]]に退いていた[[三好康長]]・[[加地盛時]]・[[三好盛政]]・[[篠原長秀]]・[[矢野虎村]]らが[[尼崎市|尼崎]]に着陣{{sfn|天野|2014|p=114}}。これに三好義興・[[三好長逸]]・[[三好長虎]]・[[三好宗渭|三好政生]]・松永久秀・[[松山重治]]・[[池田長正]]が合流した{{sfn|天野|2014|p=114}}{{efn|『細川両家記』には安宅冬康の参陣も記される{{sfnm|弓倉|2006|1p=354|福島|2009|2p=125}}。}}。

5月20日{{sfn|天野|2014|p=114}}、三好軍は河内国教興寺（八尾市）に陣取る畠山方の紀伊[[国人]]{{sfn|弓倉|2006|p=216}}・[[湯川直光]]と根来衆へと攻め掛かり、これを打ち破った{{sfnm|弓倉|2006|1p=354|福島|2009|2p=125}}。

[[大舘晴光|大館晴光]]の当時の書状によると、はじめ飯盛山城を囲む根来衆と三好義興・康長勢の間で戦いが始まり、畠山方に付いていた一部の[[松浦氏#和泉松浦氏|松浦]]勢が崩れて陣所で火が上がったという<ref name="大館">『[[大舘常興日記|大館記]]』。</ref>{{sfnm|弓倉|2006|1pp=358–360|天野|2014|2pp=114–115|小谷|2015|3loc=史料75, 76}}。それを見た長慶勢が飯盛山城から打って出て畠山方を挟撃し、湯川直光が最初に討死し、紀州勢が総崩れとなった<ref name="大館" />{{sfnm|弓倉|2006|1pp=358–360|天野|2014|2pp=114–115|小谷|2015|3loc=史料75, 76}}。

この戦いで畠山方は600余人が討ち取られた（『[[細川両家記]]』）<ref name="細川" />{{sfnm|弓倉|2006|1p=354|福島|2009|2p=125}}{{efn|1,000余人が討死したともいわれる（『二条寺主家記抜萃』）{{sfn|小谷|2015|loc=史料74}}<ref>{{Citation|和書|last=森田|first=恭二|author-link=森田恭二|year=1993|title=河内守護畠山氏の研究|publisher=[[近代文藝社]]|isbn=4-7733-1856-2|page=219}}</ref>。}}。一旦高屋城に入った高政は[[大和国]][[宇智郡]]へ退き{{efn|『細川両家記』では宇智郡でなく[[堺]]に逃れたとされる<ref name="細川" />{{sfnm|弓倉|2006|1p=354|福島|2009|2p=125}}。}}、安見宗房は[[大阪|大坂]][[寺内町]]に逃れ、その子・[[野尻孫五郎]]は[[高山町 (生駒市)|鷹山谷]]（[[生駒市]]）へ、[[薬師寺弼長]]は東国へと逃れた<ref name="大館" />{{sfnm|弓倉|2006|1pp=358–360|天野|2014|2p=115|小谷|2015|3loc=史料75}}。将軍・義輝の伯父の[[義俊|大覚寺義俊]]は[[越前国|越前]]に逃れるため、[[政所]]執事の[[伊勢貞孝]]・[[伊勢貞良|貞良]]父子とともに近江[[坂本 (大津市)|坂本]]（[[大津市]]）に移っている<ref name="大館" />{{sfnm|弓倉|2006|1pp=358–360|天野|2014|2p=115|小谷|2015|3loc=史料76}}。

[[摂津国|摂津]]の[[三宅国村]]は畠山方に付いて、5月20日に摂津国[[豊島郡 (大阪府)|豊島郡]]で火を放っているが、教興寺の戦いの結果を受けて居城を捨て、[[浪人|牢人]]となったという（『細川両家記』）<ref name="細川" />{{sfn|弓倉|2006|p=354}}。

== 戦後の状況 ==
この戦いの直後、松永久秀は大和に入り、5月23日までに鷹山・十市・筒井・吐田・宝来などの反三好方の諸城を落城させた{{sfn|天野|2014|p=115}}。6月2日には、六角義賢が長慶と和睦して近江へ引き上げ{{sfnm|福島|2009|1p=125|天野|2014|2p=115}}、6月22日、足利義輝が京都に戻った{{sfn|天野|2014|p=115}}。畠山氏から再度奪った高屋城には三好康長ら三好実休の重臣たちが入り、南河内の支配を行うこととなる{{sfn|天野|2014|pp=117–118}}。

教興寺の戦いで勝利した三好氏は、大和・南河内から畠山氏の勢力を排除し、両国における支配を確かなものにしていった{{sfn|天野|2014|p=120}}。畠山氏の高屋城への復帰は、永禄11年（[[1568年]]）9月の[[足利義昭]]・[[織田信長]]の上洛を待つこととなる{{sfn|弓倉|2006|p=339}}。

== 脚注 ==
{{脚注ヘルプ}}
=== 注釈 ===
{{Notelist}}
=== 出典 ===
{{Reflist|25em}}

== 参考文献 ==
* {{Citation|和書|last=天野|first=忠幸|author-link=天野忠幸|year=2014|title=三好長慶 諸人之を仰ぐこと北斗泰山|series=[[ミネルヴァ日本評伝選]]|publisher=[[ミネルヴァ書房]]|isbn=978-4-623-07072-5}}
* {{Citation|和書|last=小谷|first=利明|author-link=小谷利明|year=2015|chapter=文献史料からみた私部城|editor=[[交野市]]教育委員会|title=私部城跡発掘調査報告|publisher=交野市教育委員会|doi=10.24484/sitereports.17362}}
* {{Citation|和書|last=福島|first=克彦|author-link=福島克彦|year=2009|title=畿内・近国の戦国合戦|series=戦争の日本史11|publisher=[[吉川弘文館]]|isbn=978-4-642-06321-0}}
* {{Citation|和書|last=弓倉|first=弘年|author-link=弓倉弘年|year=2006|title=中世後期畿内近国守護の研究|publisher=清文堂出版|isbn=4-7924-0616-1}}

== 関連項目 ==
{{ウィキプロジェクトリンク|日本の戦国時代|Osaka Castle Keep tower of 「A figure of camp screen of the Osaka summer」.jpg}}
* [[日本の合戦一覧]]
* [[畿内・近国の戦国時代]]

== 外部リンク ==
* [https://map.yahoo.co.jp/place?lat=34.61893766721265&lon=135.63637307475648&zoom=16&maptype=basic 教興寺周辺地図/YAHOO!地図情報]

{{デフォルトソート:きようこうしのたたかい}}
[[Category:日本の戦国時代の戦い]]
[[Category:河内国|戦きようこうし]]
[[Category:三好氏|戦きようこうし]]
[[Category:河内畠山氏|戦きようこうし]]
[[Category:松永氏|戦きようこうし]]
[[Category:八尾市の歴史]]
[[Category:1562年の日本]]
[[Category:1562年の戦闘]]

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