秋田では漬物のことを「がっこ」といいます。さらに、がっこのなかでも、大根やにんじんなどを燻(いぶ)してから漬物にしたものを「いぶりがっこ(いぶり漬け)」といい、秋田名物として、いまや全国的にも人気です。 今回は、そのいぶりがっこについて学んでいきます。訪れたのは湯沢市院内。この町で3代にわたって漬物屋を営んでいる、「株式会社雄勝野(おがちの)きむらや」の木村吉伸(よしのぶ)さんにお話を伺います。 木村いぶりがっこといえば、今は「秋田のもの」というかんじになっていますが、いぶりがっこの元になった“囲炉裏(いろり)干しの沢庵漬け”は、秋田に限らず雪が深くて風が吹かない地域では当たり前に作られていたものです。矢吹囲炉裏干し?木村このような地域では秋に収穫した沢庵漬け用の大根を外に干してもなかなか干せないので、洗濯物を干すのと同じで家の中に干したりしたんです。昔は、暖房というと囲炉裏がありましたの
