推しの力は鉄道すら動かす。JR東海「声優新幹線」にみる大企業の新事業垂直立ち上げ 中山淳雄の「推しもオタクもグローバル」第114回 JR東海の株主向け事業報告の第一ページに「推し旅」の文字が輝く。売上1.7兆円、営業利益0.6兆円。こんな巨大企業が遂に「推し」やエンタメをピックアップするようになったのか、と感無量な気持ちもあるが、本来こうしたインフラ企業のなかでそんな新規事業が立ち上がることも稀である。JTC(Japanese Traditional Company)のなかでもより歴史の古い鉄道会社で、どうやってこの「推しの新規事業」に至ったのか。それにはコロナという非常事態、社内でたった2人から始まった新規事業、貢献を惜しまない協力者たちの姿があり、2021~23年の血と涙がにじむような苦労があった。行政、地方自治体、広告代理店、こうした昭和のビジネスモデルからTransformしたJR
