大相撲九州場所(福岡国際センター)5日目の14日、新大関大の里は全勝で波に乗っていた西前頭3枚目の熱海富士を得意の右四つで撃破し、4勝目を挙げた。この日は、大関昇進の伝達式で述べた口上の「唯一無二」が刺しゅうされた化粧まわしで土俵入り。万全な相撲で「一番に集中できた」と手応えを示した。
前日の初黒星を引きずらず、強烈な左おっつけで圧倒した。八角理事長(元横綱北勝海)も「連敗せず、一つ乗り切った感じ。腰が高かったが、左からの攻めが良かった」とうなずいた。
序盤戦は4勝1敗で順調なスタートを切った。6日目は先場所で敗れている若隆景戦。大の里は「また明日から集中していく」と繰り返した。
東前頭7枚目の遠藤は元大関御嶽海に押し出されて2敗目。白星を一つ先行させて序盤戦を終え「上出来過ぎますね。体は最低限動いている」と振り返った。
●欧勝海のみ十両全勝
西十両14枚目の欧勝海は東十両11枚目の安青錦との全勝対決を制した。左四つがっぷりで1分40秒にわたる長い相撲の末、土俵際の突き落としで粘り勝ち。痛めた右ふくらはぎの影響を感じさせず「しんどかった。体力勝負だったが、意地で何とか勝てた」と大汗を拭った。無傷の5連勝で十両単独首位に立った。
東十両2枚目の輝は志摩ノ海を圧倒。右喉輪から鋭い出足で押し出した。3連敗から2連勝に「前に出る相撲が取れた。次へつながるよう、しっかりとやっていく」と前向きだった。
●炎鵬勝ち越し王手 好物は「プリン体」
西三段目56枚目の炎鵬(金沢市出身、金沢学院大OB、伊勢ケ浜部屋)は下からの攻めで同55枚目の大雄翔を破って3連勝。ストレート勝ち越しに王手をかけ「まだまだだが、勝てて良かった」と一息ついた。九州場所の課題は体調管理。「好きな食べ物はプリン体」という炎鵬は「九州は誘惑だらけなんで、通風が出ないように気を付けたい」と笑った。