大谷津統一

渡辺恒雄さん死去　Jリーグ運営方針巡り川淵三郎さんと対立の過去も

　読売新聞グループ本社主筆の渡辺恒雄氏は1993年に開幕したサッカー・Jリーグの運営方針を巡り、初代チェアマンの川淵三郎氏（88）と、ことあるごとに対立した。　当時、渡辺氏が社長を務める読売新聞社は、��浦知良、ラモス瑠偉らスター選手を抱える名門クラブ、ヴェルディ川崎（現東京ヴェルディ）の親会社だった

どうする高齢者の免許返納　親に車の運転をやめさせるには

　高齢者が運転する乗用車による悲惨な交通事故が後を絶たない。　親に運転をやめてもらうにはどうすればいいのか。そして、自分が高齢になった時にどんな備えが必要なのか。　介護経験のエッセー「オーマイ・ダッド！　父がだんだん壊れていく」（中央公論新社）で、父（95）がハンドルを置くまでの悪戦苦闘をつづった作

football life

プロ雀士が40歳でサッカー王国に挑戦　元Jリーガー田島翔さん

　マージャンとの「二刀流」で、不惑にして憧れの地にたどり着いた。元Jリーガーでプロ雀士（ジャンし）の田島翔さん（40）が、ブラジルのサッカークラブと契約した。海外8カ国目でのプレーに、競技の枠を超えたある構想を胸に秘めて海を渡る。　加入するのは、セリエC（3部）に属するブラジル南部パラナ州のアトレチ

ホンダF1、栄光と撤退の参戦史　排ガス規制・バブル・リーマン

　ホンダが2026年シーズンからのF1復帰を24日、発表した。　過去4回にわたるホンダのF1参戦の歴史は、ブランドイメージに結びついた栄光と、社会情勢に流されての挫折に彩られてきた。　創業者・本田宗一郎氏の号令で、F1に初めて挑戦したのは1964年。エンジンも車体も製作する単独チームで挑んだ第1期は

運命の「3・4阪神競馬場」で引退式　福永祐一は父を乗り越えた

　日本中央競馬会（JRA）の騎手として歴代4位の2636勝を挙げた福永祐一さん（46）が4日、阪神競馬場（兵庫県宝塚市）で引退式に臨む。2月25日のサウジアラビアでの国際競走を最後に現役を退き、3月から調教師に転向した。　ある人は息子のように、またある人は兄や弟のように見つめてきただろう。「福永祐一

「ディープも勝てなかった」凱旋門賞　日本競馬界、苦闘の歴史

　日本時間2日深夜発走の第101回凱旋門賞（フランスGⅠ）。欧州最高峰のレースにはこれまで延べ29頭の日本調教馬が挑み、最高成績は4度の2着と苦闘してきた。　1969年に先陣を切ったスピードシンボリは名手・野平祐二さんを背に挑み、着外に沈んだ。天皇賞・春を制した67年に米ワシントンDC国際（5着）に

川崎トライアングル、W杯決めた　山根・守田・三笘「絵を共有」

　川崎フロンターレゆかりのトライアングルが、サッカー・ワールドカップ（W杯）出場を引き寄せた。オーストラリアを2―0で降し、日本がB組2位以内を確定させた24日のW杯カタール大会アジア最終予選だ。　0―0で迎えた後半44分。右サイドで山根視来（川崎）と守田英正（サンタクララ）がパス交換。深い位置から

コネクト

田村優と名伯楽　国学院栃木・花園4強への道　全国高校ラグビー

　一気に壁を破った。第101回全国高校ラグビー大会で、国学院栃木が初の4強入り。チームの歩みは吉岡肇監督（60）抜きに語れない。30年以上にわたって指揮し、日本代表スタンドオフ（SO）田村優（32）＝横浜＝を育てた名物監督だ。　「最高の一日。栃木県のラグビーの歴史が変わった」。3日の準々決勝で長崎北

いま会いたい

マラドーナ死去1年　前園真聖さん、今も「憧れ」を追い掛けて

　衝撃の知らせからもう1年になる。2020年11月25日、「神の子」と呼ばれたサッカー界の元スーパースター、ディエゴ・マラドーナさんが60歳で亡くなった。彼に憧れる選手は多いが、元日本代表の前園真聖（まさきよ）さん（48）もその一人。「目を閉じればはっきりと（プレーを）思い描くことができます。だから

マラドーナさん死去1年　今も語り継がれる光と影のサッカー人生

　サッカー界の英雄、元アルゼンチン代表のディエゴ・マラドーナさんが死去してから、25日で1年を迎えた。ピッチの内外で放った強烈な存在感は今もなお色あせない。　1986年のワールドカップ（W杯）メキシコ大会で頂点に立ち、「神の手」や「5人抜き」など数々のプレーで世界に衝撃を与えたマラドーナさん。代表活

記者たちが見た大久保嘉人 希代のストライカーの記憶

　J1で史上初の3年連続得点王に輝いた元日本代表FW大久保嘉人が39歳で引退する。高校サッカーの名門、長崎・国見高からプロ入りし、国内外で数多くのクラブを渡り歩いた希代のストライカーの記憶を、記者が振り返る。　◇裏切りと驚き、W杯南アフリカ大会・2010年　いい意味で裏切られた。2010年のワールド

フランス競馬・凱旋門賞　なぜ「世界最高峰」と呼ばれるの？

　世界競馬の勢力図は塗り替わるのか。今年で100回目を数えるフランス競馬の凱旋門賞（GⅠ）が3日、パリロンシャン競馬場の芝2400メートルで開催され、15���が出走する。日本からはクロノジェネシス、ディープボンドの2頭が参戦し、日本馬として初優勝を目指す。1世紀を超える歴史を誇る凱旋門賞の勝ち馬は欧州

久しぶりに元気な杉本健勇、マリノス移籍後初先発で先制ゴール

　◇○横浜マ2―0名古屋●（12日・ニッパツ）　横浜マが快勝し10試合連続無敗。前半にFW杉本健勇のヘディングで先制し、MFマルコスジュニオールも自ら獲得したPKを決めた。名古屋は3連敗。　これほど元気な姿は久しぶりだと感じたファンも多いだろう。浦和から加入後、3試合目で初先発した横浜マのFW杉本が

ルーツ・日本代表

常に全速力　前田大然を献身的に変えた「空白の1年」

　自分が変わったと感じるタイミングは、いつか。東京オリンピックのサッカー男子日本代表FW前田大然（23）＝横浜F・マリノス＝は高校時代の苦い経験を必ず挙げる。「高1の時にいろいろ悪さをして、高2の時に丸々サッカーをやっていない」――。空白の1年が、前田を献身的な選手へと変えた。　大阪府出身の前田は小

担当記者は見た!

ラグビー7人制・藤田慶和　5年前の「どん底」で生まれた責任感

　ラグビー7人制男子日本代表が目指すのは、蜂のようなラグビー。その中心にいる万能プレーヤーの藤田慶和（27）＝パナソニック＝には、5年前の悔しさがある。順風満帆だったラグビー人生に訪れた転機。いかにして、どん底からはい上がってきたのか。　◇無力感を味わう日々にも…　藤田は東福岡高で花園を3連覇し、早

ルーツ・日本代表

MF遠藤航「そういう星の下に生まれた」　頑固な非エリートの挑戦

　東京オリンピックのサッカー男子日本代表MF遠藤航（28）＝シュツットガルト＝は2大会連続の五輪代表で、2018年ワールドカップ（W杯）ロシア大会の代表でもある。だが、20代前半は国際大会で結果を残せず、壁にぶつかった。「遠藤っていう選手は、そういう星の下に生まれているんだよ」。そう言われたことがあ

恋するラグビー

最後のTL盛り上げたクボタの広報力　仕掛け人は元プロップ

　2003年から続いたトップリーグ（TL）は、最後の21年シーズンをパナソニックが制して幕を下ろした。ラストイヤーには、フィールドの内外で存在感を高めたチームもあった。　その筆頭格がクボタ。TLで初の4強入りを果たし、数々の企画を打ち出して、ファンとの一体感を醸成させた。仕掛け人は広報の岩爪航（いわ

担当記者は見た!

久保建英が笑顔になれなかった理由　東京五輪サッカー男子

　晴れ晴れとした笑顔を試合後に見た記憶があまりない。原則24歳以下で争う東京オリンピックのサッカー男子日本代表MF久保建英（レアル・マドリード）は、正面から壁にぶつかってははね返され、立ち上がり、再び立ち向かってきた選手だと感じる。日本一有名だったサッカー少年は20歳になった。スター街道を歩んでいる

ルーツ・日本代表

なでしこ主将・熊谷紗希のもう一つの肩書　代表理事で描く未来図

　東京オリンピックのサッカー女子日本代表（なでしこジャパン）DFの熊谷紗希（30）＝バイエルン・ミュンヘン＝は1次リーグ第1、第2戦の開催地、札幌市出身。長い代表歴の中で初の地元での試合に「すごくうれしいし、より気持ちが入る」と話す。責任感の強い熊谷は主将の他に、もう一つの肩書を持つ。代表理事だ。　

担当記者は見た!

なでしこ高倉麻子監督　心打つ言葉に見える先駆者の感性と哲学

　時代の先駆者には、独特の感性がある。東京オリンピックでサッカー女子日本代表（なでしこジャパン）を率いる高倉麻子監督（53）は、日本のフル代表で初の女性監督であり、選手と監督で五輪に出る日本女子初のケースとなる。節目節目の発言に印象的な表現があり、その例えのうまさには舌を巻く。根底にあるものは何か。