出典: フリー多機能辞典『ウィクショナリー日本語版(Wiktionary)』
新 世 紀(しんせいき)
- 新しい世紀。世紀のはじめ。
- それが、わりに静かな場内の空気のせいか、不思議にも、煙草の煙や撞球の道具などの新世紀風の中に、しっくりと調和して落着いていた。(豊島与志雄 『阿亀』)
- 輝かしい新世紀の黎明。午前九時、聖寿万歳斉唱、黙祷。新年誓詞“こゝに昭和十五年の元旦を迎へ恭しく聖寿の万歳を寿ぎ奉り、いよ/\肇国の精神を顕揚し、強力日本を建設して新東亜建設の聖業完遂に邁進し、もつて紀元二千六百年を光輝ある年たらしめんことを堅くお誓ひ申します。”(種田山頭火 『松山日記』、(註)このときの世紀は皇紀を基準)
- 新しい時代(新時代)。新たな幕開け。
- 少くとも一人の作家たるわたしは、四五年の四月、五月において、現世紀の主題が、いかにその積極において捕えられたかということについて、腹から諒解した。十数年昔から、わかったようでわからなかった文学における主題の積極性の問題は、女として妻としての生きかたからいくらかずつわかってきていたが、四五年の五月、それは新世紀の勝利として理解されたのであった。(宮本百合子 『作家の経験』)