宮田登
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人物情報 | |
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生誕 |
1936年(昭和11年)10月14日 大日本帝国・神奈川県横浜市 |
死没 |
2000年2月10日(63歳没) 日本 肝機能不全 |
居住 | 大日本帝国 → 日本 |
国籍 | 大日本帝国 → 日本 |
出身校 | 東京教育大学 |
学問 | |
活動地域 | 日本 |
研究分野 |
ミロク信仰 生き神信仰 天皇制 |
学位 | 文学博士 |
主な受賞歴 |
日本宗教学会賞(1971年) 第46回毎日出版文化賞特別賞(1992年) 第39回柳田賞(2000年) 従四位・勲三等瑞宝章(2000年・追贈) |
宮田 登(みやた のぼる、1936年〈昭和11年〉10月14日 - 2000年〈平成12年〉2月10日)は、日本の民俗学者。学位は、文学博士(東京教育大学・1976年)。筑波大学名誉教授。元・日本民俗学会会長。国文学者の藤沢袈裟雄は実父[1]。
来歴
[編集]神奈川県横浜市生まれ。1960年(昭和35年)東京教育大学文学部卒業。同大学院文学研究科博士課程単位取得退学。1976年(昭和51年)、「ミロク信仰の研究 : 日本における伝統的メシア観」で東京教育大学より文学博士の学位を取得[2]。
東京教育大学助手、東京学芸大学助教授、筑波大学歴史人類学系助教授、同教授を経て、退官後に神奈川大学経済学部教授。
国立歴史民俗博物館客員教授、文化庁文化財保護審議会専門委員などもつとめた。江戸東京博物館客員教授(1999年〈平成11年〉4月 - 退任時期不明)、旅の文化研究所長もつとめた[3]。2000年(平成12年)2月10日、肝機能不全のため死去[4]。
人物
[編集]- 筑波大学助教授時代、大塚英志に対し、口頭試問で「君の発想はジャーナリスティックすぎて学問には向かない」と述べて、大学院への進学を断念させた。
- 「ミロク信仰」「生き神信仰」や天皇制に関する研究などを行った。また、「都市民俗学」の提唱者の一人でもあった。網野善彦や佐々木宏幹との親交が深く、共著も多い。多くの啓蒙書も記した。
- 推理小説の愛好家であったことが知られており、論述するときのアイデアは、民俗学の論文からより、多くのことを得ていた、と広言していた[5]。
- ドキュメンタリー監督の野田真吉らと親交し、ともに「日本映像民俗学の会」を創設している。
受賞・栄典
[編集]- 1971年(昭和46年):日本宗教学会賞[6]
- 1992年(平成4年):第46回毎日出版文化賞特別賞を受賞。(ビデオブック『大系日本歴史と芸能 全14巻』網野善彦+小沢昭一+服部幸雄+宮田登+大隅和雄+山路興造=編集委員、平凡社+日本ビクター)による。
- 2000年(平成12年):柳田賞(第39回)「日本人と宗教」[6]
- 2000年:叙従四位、勲三等瑞宝章追贈[7]。
単著
[編集]- 『生き神信仰』(塙書房〈塙選書〉、1970年)
- 『ミロク信仰の研究 日本における伝統的メシア観』(未來社、1970年)
- 『近世の流行神 日本人の行動と思想』(評論社、1972年)
- 『原初的思考 白のフォークロア』(大和書房、1974年)
- 『民俗宗教論の課題』(未來社、1977年)
- 『叢書身体の思想6 土の思想』(創文社、1977年)
- 『日本の民俗学』(講談社学術文庫、1978年)
- 『神の民俗誌』(岩波新書、1979年)
- 『新しい世界への祈り弥勒 日本人の信仰』(佼成出版社、1980年)
- 『江戸歳時記 都市民俗誌の試み』(吉川弘文館、1981年)
- 『都市民俗論の課題』(未來社、1982年)
- 『女の霊力と家の神 日本の民俗宗教』(人文書院、1983年)
- 『妖怪の民俗学 日本の見えない空間』(岩波書店、1985年、ちくま学芸文庫、2002年)
- 『現代民俗論の課題』(未來社、1986年)
- 『ヒメの民俗学』(青土社、1987年、ちくま学芸文庫、2000年)
- 『終末観の民俗学』(弘文堂、1987年、ちくま学芸文庫、1998年)
- 『霊魂の民俗学』(日本エディタースクール出版部、1988年、ちくま学芸文庫、2023年)
- 『江戸の小さな神々』(青土社、1989年)
- 『民俗学』(放送大学教育振興会、1990年)
- 『怖さはどこからくるのか』(筑摩書房〈ちくまプリマーブックス〉、1991年)
- 『はじめての民俗学 怖さはどこからくるのか』(ちくま学芸文庫、2012年)
- 『日和見 日本王権論の試み』(平凡社選書、1992年)
- 『「心なおし」はなぜ流行る 不安と幻想の民俗誌』(小学館、1993年)
- 『山と里の信仰史』(吉川弘文館、1993年)
- 『民俗文化史』(放送大学教育振興会、1995年)
- 『ケガレの民俗誌 差別の文化的要因』(人文書院、1996年、ちくま学芸文庫、2010年)
- 『老人と子供の民俗学』(白水社、1996年)
- 『民俗学への招待』(ちくま新書、1996年)
- 『民俗神道論 民間信仰のダイナミズム』(春秋社、1996年)
- 『歴史と民俗のあいだ 海と都市の視点から』(吉川弘文館〈歴史文化ライブラリー〉、1996年)
- 『正月とハレの日の民俗学』(大和書房、1997年)
- 『日本の50年日本の200年 日本人と宗教』(岩波書店、1999年)
- 『冠婚葬祭』(岩波新書、1999年)
- 『都市とフォークロア』(御茶の水書房、1999年)
- 『都市空間の怪異』(角川選書、2001年、角川ソフィア文庫、2024年)
- 『宮田登 日本を語る』(吉川弘文館、2006-2007年)
- (1)民俗学への道
- (2)すくいの神とお富士さん
- (3)はやり神と民衆宗教
- (4)俗信の世界
- (5)暮らしと年中行事
- (6)カミとホトケのあいだ
- (7)霊魂と旅のフォークロア
- (8)ユートピアとウマレキヨマリ
- (9)都市の民俗学
- (10)王権と日和見
- (11)女の民俗学
- (12)子ども・老人と性
- (13)妖怪と伝説
- (14)海と山の民俗
- (15)民俗学を支えた人びと
- (16)民俗学の方法
共編著
[編集]- 『日本人の宗教』全4巻(田丸徳善・村岡空共編集、佼成出版社、1972年 - 1973年)
- 『早川孝太郎全集』全12巻(宮本常一・須藤功共編、未来社、1971年 - 2003年)
- 『現代日本民俗学』1 - 2(野口武徳・福田アジオ共編、三一書房、1974年)
- 『日本思想大系 20 寺社縁起』(桜井徳太郎・萩原竜夫共校注、岩波書店、1975年)
- 『庶民信仰の幻想』(圭室文雄共著、毎日新聞社江戸シリーズ、1977年)
- 『日光山と関東の修験道』(宮本袈裟雄共編、名著出版、山岳宗教史研究叢書、1979年)
- 『民俗学文献解題』(山路興造・福田アジオ・宮本袈裟雄・小松和彦共編集、名著出版、1980年)
- 『日本の技 4 山と雲匠のさと 甲信越』(北見俊夫共編集、集英社、1983年)
- 『日本民俗学概論』(福田アジオ共編 吉川弘文館、1983年)
- 『日本民俗文化大系 第4巻 神と仏 民族宗教の諸相』(責任編集、小学館、1983年)
- 『弥勒信仰』編 (雄山閣出版、民衆宗教史叢書、1984年)
- 『日本民俗文化大系 第9巻 暦と祭事 日本人の季節感覚』(責任編集、小学館、1984年)
- 『日本伝説大系 第1、5、8巻』編(みずうみ書房、1985年 - 1989年)
- 『日本民俗文化大系 第11巻 都市と田舎 マチの生活文化』(責任編集 小学館、1985年)
- 『女のフォークロア』(伊藤比呂美共著、平凡社ポリフォニー・ブックス、1986年)
- 『日本王権論』(網野善彦・上野千鶴子共著、春秋社、1988年)
- 『大系仏教と日本人 8 性と身分 弱者・敗者の聖性と非運』編(春秋社、1989年)
- 『日欧対照イメージ事典』(深沢俊共編著、北星堂書店、1989年)
- 『列島文化再考』(網野善彦・塚本学・坪井洋文共著、日本エディタースクール出版部、1989年、ちくま学芸文庫、2015年)
- 『近世のこども歳時記 村のくらしと祭り』(太田大八絵、岩波書店歴史を旅する絵本、1990年)
- 『海と列島文化 第3巻 玄海灘の島々』(甲元眞之・応地利明・任東権・永留久惠・横山順・佐伯弘次・川添昭二・長節子・田代和生・伊藤彰・波平恵美子・鈴木正崇・市川健夫共著、小学館、1990年)
- 『日本異界絵巻』(鎌田東二・小松和彦・南伸坊共著、河出書房新社、1990年)
- 『ふるさとの伝説 4 鬼・妖怪』(責任編集 ぎょうせい、1990年)
- 『海と列島文化 第7巻 黒潮の道』(村武精一・橋口尚武・外岡龍二・段木一行・葛西重雄・橋口尚武・井口直司・小島瓔禮・小林亥一・吉本忍・神野嘉治・浅野久枝・小島孝夫・後藤明共著、小学館、1991年)
- 『仏教民俗学大系 8 俗信と仏教』(坂本要共編、名著出版、1992年)
- 『柳田国男対談集』編 (ちくま学芸文庫、1992年)
- 『日本「神話・伝説」総覧』共著(新人物往来社、1993年)
- 『日本歴史民俗論集 5 都市の生活文化』(塚本学共編、吉川弘文館、1993年)
- 『日本歴史民俗論集 8 漂泊の民俗文化』(山折哲雄共編、吉川弘文館、1994年)
- 『日本歴史民俗論集 10 民間信仰と民衆宗教』(塚本学共編、吉川弘文館、1994年)
- 『空港のとなり町羽田』(横山宗一郎写真、岩波書店ビジュアルブック水辺の生活誌、1995年)
- 『現代の世相 6 談合と贈与』編(小学館、1997年)
- 『現代の世相 8 転換期の世相』(色川大吉共編、小学館、1997年)
- 『七福神信仰事典』編(戎光祥出版、神仏信仰事典シリーズ、1998年)
- 『日中文化交流史叢書 第5巻 民俗』(馬興国共編、大修館書店、1998年)
- 『現代民俗学の視点 民俗の思想』編(朝倉書店、1998年
- 『歴史の中で語られてこなかったこと おんな・子供・老人からの「日本史」』(網野善彦共著、洋泉社、1998年)、のち同・新書、朝日文庫
- 『神と資本と女性 日本列島史の闇と光』(網野善彦共著、新書館、1999年)
- 『三省堂年中行事事典』(田中宣一共編、1999年)
- 『往生考 日本人の生・老・死 国立歴史民俗博物館国際シンポジウム』(新谷尚紀共編、小学館、2000年)
- 『人生儀礼事典』(倉石あつ子・小松和彦共編、小学館、2000年)
- 『ものがたり日本列島に生きた人たち 8 民具と民俗 上』(編集協力 岩波書店、2000年)
- 『老熟の力 豊かな<老い>を求めて』(日本民俗学会監修 森謙二・網野房子共編、早稲田大学出版部。2000年)
- 『ものがたり日本列島に生きた人たち 7 伝承と文学 下』(編集協力 岩波書店、2001年)