新幹線E2系電車
新幹線E2系電車(しんかんせんいー2けいでんしゃ)とは、東日本旅客鉄道(JR東日本)が開発・保有する新幹線車両の1形式。
概要
1997年開業の長野新幹線「あさま」号、および秋田新幹線「こまち」号を併結する東北新幹線「やまびこ」号用に開発された車両である。
1995年の製造当初より、JR東日本の新幹線標準型車両として位置づけられており、200系の置き換えをも念頭において増備されている。また、「あさま」・「やまびこ」のみならず、「なすの」・「あさひ」・「とき」・「たにがわ」にも運用されている。
なお、大きな特長としては、一部の車両(両先頭車とグリーン車)にフルアクティブサスペンションを搭載。これは高速車両としては世界初であり、これにより振動の少ない快適な乗り心地を実現している。
製造沿革
製造を開始した1995年当初、この車両には「あさま」用のN編成と「やまびこ」用のJ編成の2種類があった。
- 共に、8両編成を組んだ同一内容の編成であるが、以下の点が異なる。
2001年、1000番台車の量産先行車が8両編成で登場し、各種試験を行った。量産先行車は編成の前後に分割併合装置を持ち、8+8の16両編成での走行も想定されていたが、八戸開業にあわせ登場する「はやて」は全車指定席とすることとなり座席定員確保のため、量産車からは10両編成となった。これにともない東京寄りの分割併合装置搭載はは省略された。
2002年の東北新幹線八戸開業を機に、10両編成を前提とした1000番台車も登場した。この車両は外観上は従来の車両に比し、窓幅が座席2列分と広くなると同時に、パンタグラフがシングルアーム式となり、カバーが廃止された程度であるが、車体は中空トラス断面大型形材を使用した構体となり、製造の簡易化、遮音性の向上などが図られている。また、乗り心地の改善のため、先頭車両およびグリーン車にフルアクティブサスペンション、その他の車両にセミアクティブサスペンションが装備されている。車内はシート形状、室内見付などE4系に近い構造となっている。なお、J編成は2両増結し10両編成となり、車体塗装も一部見直され帯の色をピンクに変更し、リンゴのエンブレムが施され、N編成と���差別化が図られている。
編成
概要
- 2004年3月現在、以下の編成が存在する。
- N編成…14本 (N1-N13, N21)
- J編成…29本 (J2-J15, J51-J65)
0番台J編成も8両時代は「あさま」にも使われていたが、J編成10両編成化に伴い、「あさま」はN編成に統一されている。
J編成は現在、東北・上越新幹線の列車(「はやて」、「やまびこ」、「なすの」、「たにがわ」)に使われている。最高速度は275km/h。東北新幹線ではE3系R編成(「はやて」と「こまち」、「やまびこ」と「なすの」は増結用として)と併結運転を行う。
N編成は長野新幹線「あさま」専用ではあるが、東北・上越新幹線でも運行可能であるが営業列車では使われていない。最高速度は長野新幹線で260km/h、東北・上越新幹線では240km/h。
特徴等
- J2・J3・N11編成 - お召し仕様、グリーン車の防弾ガラス、厚い床板など。
- N21編成 - 製造当時のJ1編成。J2編成以降よりも設計が古いことから10両化が難しかったために、東北新幹線八戸開業と共に8両のままN21編成として長野新幹線に転属。1-2号車間にE926-3 (13) の組み込みが可能。
- N5とJ7・N10とJ9・N12とJ10 - 中間車6両を互いに交換
- N6編成 - 弾丸発砲、人身事故を経験
- N7編成 - インバータ素子がN編成唯一のIGBT車(他はGTO車)
- N8編成 - 1997年10月1日に長野新幹線が開業した時の下り1番列車
- N12編成 - 長野新幹線開業時上り1番列車
- J3編成 - 最後に「あさま」運用を退いたJ編成
- J51編成 - 上り東京方にも自動連結装置を装備
- J52編成 - 2002年12月1日の東北新幹線八戸開業時の東京発八戸行「はやて」下り1番列車使用編成
- J55編成 - 「はやて」開業時上り1番列車使用編成
- J56編成 - 時速362kmを達成した