SunOSサン・マイクロシステムズ(サン)が4.1cBSDをベースとして開発したUNIXオペレーティングシステム (OS) の一種である。後にSolarisと名を変えSunOSはOSのカーネルの名称となっている。

SunOS
開発者 サン・マイクロシステムズ
OSの系統 UNIX, BSD, System V
開発状況 歴史上のOS。後継は Solaris
ソースモデル クローズドソース
最新安定版 4.1.4 / 1994年
プラットフォーム MC680x0, Sun386i, SPARC
カーネル種別 モノリシックカーネル
既定のUI SunView
ライセンス プロプライエタリ (バイナリのみ)
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歴史

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1983年、BSDの創始者であり同開発グループの中心メンバーであったBill Joyがサンを設立するにあたり、新たに開発したOSであり、4.1cBSDがベースとなっている。SunOSはNISNFSなどの今日のUNIXシステムにおいて標準となった技術を次々に実装して着実にバージョンアップを重ねていった。

1987年、サンとAT&Tは提携し、標準のUNIXシステムの開発を進める事を発表した。その後、1989年にAT&TからAT&T System V Release 4の発表、そしてSolaris 1.1.2 (SunOS 4.1.4) を最後にSystem Vへと全面移行することとなった。System Vに移行したSolaris 2.x以後では、カーネルの名称はSunOS 5.xとなった。

SunOS バージョン リリース時期 コードベース 解説
Sun UNIX 0.7 1982年 UniSoft UNIX v7[1] MC68000ベースのSun-1システムに同梱
SunOS 1.0 1983年 4.1BSD MC68010ベースのSun-1およびSun-2システムをサポート
SunOS 1.1[2] 1984年4月
SunOS 1.2[2] 1985年1月
SunOS 2.0 1985年5月[2] 4.2BSD 仮想ファイルシステム (VFS) とNFSプロトコルの導入
SunOS 3.0 1986年2月[2] 4.2BSD + System V IPC MC68020ベースのSun-3シリーズ対応。オプションでSystem Vのユーティリティと開発用ライブラリが付属。
SunOS 3.2 1986年9月[2] 3.0に4.3BSDの一部機能を追加 Sun-4 シリーズ対応。
SunOS 3.5 1988年1月
SunOS 4.0 1988年12月 4.3BSD + System V IPC 仮想記憶システム、動的リンクライブラリ、自動マウント機能、System V STREAMS I/O。Sun386i対応。
SunOS 4.0.1 1988年
SunOS 4.0.2 1989年9月 Sun386i向けのみ
SunOS 4.0.3 1989年5月
SunOS 4.0.3c 1989年6月 SPARCstation 1 (Sun-4c) 向けのみ
SunOS 4.1 1990年3月
SunOS 4.1e 1991年4月 Sun-4e向けのみ
SunOS 4.1.1 1990年3月 OpenWindows 2.0を同梱
SunOS 4.1.1B 1991年2月
SunOS 4.1.1.1 1991年7月
SunOS 4.1.1_U1 1991年11月 Sun-3/3x向けのみ
SunOS 4.1.2 1991年12月 マルチプロセッシング (SPARCserver 600MP) 対応。初のCD-ROMのみのリリース
SunOS 4.1.3 1992年8月
SunOS 4.1.3C 1993年11月 SPARCclassic/SPARCstation LX向けのみ
SunOS 4.1.3_U1 1993年12月
SunOS 4.1.3_U1B 1994年2月 Y2K対応
SunOS 4.1.4 1994年11月 SunOS 4の最後のリリース
SunOS 5.x 1992年6月 - SVR4 Solarisを参照

SunOS 1と2はSun-2シリーズをサポートしており、Sun-1CPU基板を(MC68010に)アップグレードしたSun-2も含んでいた。SunOS 3はSun-2とSun-3シリーズ (MC68020) をサポートしていた。SunOS 4はSun-2(4.0.3まで)、Sun-3(4.1.1まで)、Sun386i(4.0、4.0.1、4.0.2のみ)、Sun-4 (SPARC) アーキテクチャをサポートしていた。SunOS 4はSPARCプロセッサを完全サポートした最初のリリースだったが、Sun-4システムはSunOS 3.2でも一部サポートされていた。

SunOS 4.1.2はサン初のマルチプロセッシングマシンである sun4mアーキテクチャをサポートした (SPARCserver 600MP)。カーネルは1つのロックしかなく、1度に1つのCPUだけがカーネルを実行できる方式であった。

最後のリリースは1994年の4.1.4 (Solaris 1.1.2) である。sun4sun4csun4mはサポートされていたが、sun4dはサポートされていない。

SunOS 4.1.3および4.1.4は1998年12月27日まで出荷され続けた。保守サポートは2003年9月30日に終了した。

"SunOS" と "Solaris"

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SunOS 4.1.1インストール媒体(磁気テープ)

1987年、AT&Tとサンは、当時最も一般的なUNIXであったBSD(SunOS固有の機能も含む)とSystem VXENIXを統合する共同プロジェクトの開始を発表した。その成果がSystem V Release 4 (SVR4) である[1]

1991年9月4日、サンは次のOSメジャーリリースはBSDのコードベースからSVR4ベースへの切り替えを行うことを発表した。このリリースを社内ではSunOS 5と呼んでいたが、対外的にはこの時点からSolarisの呼称を使い始めた。また、このブランド名はSunOSだけを指すのではなく、OpenWindowsデスクトップ環境とOpen Network Computing (ONC) 機能を包含したものだとした。

SVR4ベースのOSは翌年まで大量出荷されないと見られていたが、サンは既存のSunOS 4(およびOpenWindows)にもSolarisの名前を使い始めた。例えば、SunOS 4.1.1はSolaris 1.0と改称され、SunOS 5.0はSolaris 2.0の一部とされた。SunOS 4.1.xは1994年までリリースが継続され、それぞれにSolaris 1.xという名称も付与された。バージョン番号の対応は単純ではない。以下に対応表を示す。

SunOS 4.1.x / Solaris 1.x / OpenWindowsリリース対応
SunOSバージョン Solarisバージョン OpenWindowsバージョン
4.1.1
4.1.1B
4.1.1.1
1.0 2.0
4.1.2 1.0.1 2.0
4.1.3 1.1 SMCC Version A 3.0
4.1.3C 1.1C 3.0
4.1.3_U1 1.1.1 3.0_U1
4.1.3_U1B 1.1.1B 3.0_U1B
4.1.4 1.1.2 3.0_414

SunOS 5はSolarisとして認知されているが、OS立ち上げ時などはSunOS 5の名称が表示されたり、unameコマンドの出力やmanページのフッターなどにも古い名称が見られた。

SunOS 5.x以降は、Solarisのバージョン番号との対応は単純で、マイナー番号が同じになっている。例えばSolaris 2.4はSunOS 5.4に対応する。しかし、Solaris 2.6 以降、"2." が表示されなくなり、従来のマイナー番号だけが表示されるようになった。したがって、Solaris 10はSunOS 5.10に対応する。

ユーザインタフェース

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初期の SunOS に同梱されたGUI環境は、SunTools(後のSunView)とNeWSである。1989年、サンはOPEN LOOK準拠のX11ベースの環境であるOpenWindowsをリリースした。これにはSunViewとNeWSのアプリケーションサポート機能も含まれている。OpenWindowsはSunOS 4.1.1でデフォルトのGUIとなった。

脚注

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  1. ^ a b Salus, Peter (1994年). A Quarter Century of Unix. Addison-Wesley. pp. 199-200. ISBN 0-201-54777-5 
  2. ^ a b c d e Solaris Operating System (Unix)”. Operating System Documentation Project. 2006年12月14日閲覧。 SunOS 1.1、1.2、2.0、3.0、3.2のリリース時期の出典

関連項目

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外部リンク

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