D
ラテン文字の4番目の文字
Dは、ラテン文字(アルファベット)の4番目の文字。ギリシャ文字のΔ(デルタ)に由来し、キリル文字のДに相当する。小文字は d 。
Dd Dd | |||||||||||||||||||||||||||||||
ラテン文字 | |||||||||||||||||||||||||||||||
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字形
編集大きく分けて2つの字形が使われる。
呼称
編集音素
編集この文字が表す音素は、[d](有声歯茎破裂音)ないしその類似の歯茎音である。
- ドイツ語では語末や無声子音の前で無声化する。そのため、母音の前であってもこの[t](無声歯茎破裂音)を表す事がある (例:zweitausendeins)。
- フランス語では語末の d を��字とする(一部例外あり)。ただし、後続の単語が母音で始まっていれば、リエゾンして[t]となる([d]とはならない)。
- 英語では、規則動詞の過去形の語尾-edは、その前の音により[d]、[t]、[Id]などと変化する。
- 中国語やその方言のピンインでは無気の[t](無声歯茎破裂音)を表す。
- 中国南方の方言では、広東省教育部門式の広東語ローマ字のように歯茎内破音[t̚]を表す例もある。
- ベトナム語では有声歯茎摩擦音の[z]を表す。ただし、南部方言では硬口蓋接近音の[j]で発音される。「Đ」や「đ」が声門閉鎖を伴う有声歯茎破裂音の[ʔd]または歯茎入破音[ɗ]を表す。
- 日本語のローマ字表記では訓令式、ヘボン式共にダ行(タ行濁音)の子音に用いられる。ただし、「ぢ」「づ」は「じ」「ず」と同じ発音のため、それぞれ「JI」、「ZU」となる。日本式やIMEにおけるローマ字入力では、「ぢ」「づ」も含めた全てのダ行に用いられる。
- 朝鮮語のローマ字表記である文化観光部2000年式では有声音、無声音に関わらず初声のㄷに用いられる。マッキューン=ライシャワー式では有声で発音されるㄷに用いられる。
Dの意味
編集学術的な記号・単位
編集- 数学
- 五百を意味する数字。ローマ数字で用いる。
- 十三を意味する数字。十六進法や二十進法など、十四進法以上(参照: 位取り記数法#Nが十を超過) において十三(十進法の13)を一桁で表すために用いられる。
- "differential"(微分)の頭文字として、数学では微分関連の記号としてよく使われる。(例)dy/dx, 微分作用素 D, (余)鎖複体の微分 d
- 数学では、一般に既知の数、集合、行列等を示す、A, B, Cに次ぐ文字として、また判別式を示す文字として用いられる。
- 円の直径(diameter)
- 数学・自然科学では差 (difference)、距離 (distance)、次数 (degree) や 次元 (dimension) を示す文字として用いられる。
- 単位
- その他
- 導来圏
- ドイツ語で与格(間接目的語を表す格)Dativの略。
- 電界効果トランジスタ(FET)の端子の一つ。ドレイン (drain)
- ダイオード (diode)
- 洋楽で用いられる音名の一つ(英米式、独式)。イタリア式では「re」、日本式では「ニ」に相当。→ニ (音名)
- 音階の2番目の音であることから、音楽関係者の間で2を表す隠語として使われる。例:D(デー)万=2万(円)
- Dで、ドイッチュ番号(シューベルトの作品に付せられる)
- Rh血液型における抗原の一つ。これにより、+と−とが判定される。
- 電磁気学の分野では電束密度を表す。
- ケッペンの気候区分の冷帯(亜寒帯)を表すD。
- 水素の同位体重水素(deuterium)を表す記号(D:大文字)。
- 化学で、キラリティーのある分子を識別する記号 (dextro)。
- 遅延スイッチ。構内電気設備配線用図記号(JIS C 0303:2000)で用いられる。スイッチの図記号に傍記。
- 博士号 (doctor) の略。D1と表記されれば博士課程1年生の意。
- 没年 (Death year) の略字として使われる。d. 1945と表記されれば1945年没の意。
- 経済学で、需要(Demand)。
その他の記号
編集- 日(day)
- 自動車のATのドライブ(前進及び通常走行位置)。
- ダイニング(dining 食事)の略。
- ダイニングルーム(食堂 食事室)
- 鉄道車両の用途を表す副記号で、食堂車を表す(2階建て車と区別するため大文字で書く)。
- 鉄道車両の用途を表す副記号で、2階建車両を表す(食堂車と区別するため小文字で書く)。
- デザイナー (designer) の略。
- 古代ローマ人の個人名デキムス (Decimus) の略。
- テレビ・ラジオの放送業界や、音楽業界などでのディレクターの意味。
- 二重を意味するdoubleの略。日本ではこの意味でWが使われることもあるが、英語圏では用いられない(詳しくはWの記事を参照)。
- 欧米のアスキーアートにおいて、しばしば空けた口を意味する。(例 :-D)
- 欧州の自動車のカテゴリー、全長を基準に設定されている記号。Dセグメント。
- 「デルタ」フォネティックコードの第四コード。
- デジタルの略。DA変換など。
商品名・作品名・固有名等
編集- コンピュータ
- D (データベース言語仕様)(Tutorial D などのデータベース言語の基となっている仕様)
- D言語(プログラミング言語の一つ)。
- D〜欧州蜃気楼〜(ウルフ・チームが1990年に発売した第二次世界大戦を舞台としたパソコン用ウォー・シミュレーションゲーム)。
- 電気・機械
- 作品・キャラクター名等
- 芸能・スポーツ
- その他
符号位置
編集大文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 小文字 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 備考 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
D | U+0044
|
1-3-36
|
D D
|
d | U+0064
|
1-3-68
|
d d
|
半角 |
D | U+FF24
|
1-3-36
|
D D
|
d | U+FF44
|
1-3-68
|
d d
|
全角 |
Ⓓ | U+24B9
|
‐
|
Ⓓ Ⓓ
|
ⓓ | U+24D3
|
1-12-36
|
ⓓ ⓓ
|
丸囲み |
🄓 | U+1F113
|
‐
|
🄓 🄓
|
⒟ | U+249F
|
‐
|
⒟ ⒟
|
括弧付き |
ᴰ | U+1D30
|
‐
|
ᴰ ᴰ
|
ᵈ | U+1D48
|
‐
|
ᵈ ᵈ
|
上付き文字 |
𝐃 | U+1D403
|
‐
|
𝐃 𝐃
|
𝐝 | U+1D41D
|
‐
|
𝐝 𝐝
|
太字 |
𝐷 | U+1D437
|
‐
|
𝐷 𝐷
|
𝑑 | U+1D451
|
‐
|
𝑑 𝑑
|
イタリック体 |
𝑫 | U+1D46B
|
‐
|
𝑫 𝑫
|
𝒅 | U+1D485
|
‐
|
𝒅 𝒅
|
イタリック体太字 |
𝒟 | U+1D49F
|
‐
|
𝒟 𝒟
|
𝒹 | U+1D4B9
|
‐
|
𝒹 𝒹
|
筆記体 |
𝓓 | U+1D4D3
|
‐
|
𝓓 𝓓
|
𝓭 | U+1D4ED
|
‐
|
𝓭 𝓭
|
筆記体太字 |
𝔇 | U+1D507
|
‐
|
𝔇 𝔇
|
𝔡 | U+1D521
|
‐
|
𝔡 𝔡
|
フラクトゥール |
𝔻 | U+1D53B
|
‐
|
𝔻 𝔻
|
𝕕 | U+1D555
|
‐
|
𝕕 𝕕
|
黒板太字 |
ⅅ | U+2145
|
‐
|
ⅅ ⅅ
|
ⅆ | U+2146
|
‐
|
ⅆ ⅆ
|
黒板太字イタリック |
𝕯 | U+1D56F
|
‐
|
𝕯 𝕯
|
𝖉 | U+1D589
|
‐
|
𝖉 𝖉
|
フラクトゥール太字 |
𝖣 | U+1D5A3
|
‐
|
𝖣 𝖣
|
𝖽 | U+1D5BD
|
‐
|
𝖽 𝖽
|
サンセリフ |
𝗗 | U+1D5D7
|
‐
|
𝗗 𝗗
|
𝗱 | U+1D5F1
|
‐
|
𝗱 𝗱
|
サンセリフ太字 |
𝘋 | U+1D60B
|
‐
|
𝘋 𝘋
|
𝘥 | U+1D625
|
‐
|
𝘥 𝘥
|
サンセリフイタリック |
𝘿 | U+1D63F
|
‐
|
𝘿 𝘿
|
𝙙 | U+1D659
|
‐
|
𝙙 𝙙
|
サンセリフイタリック太字 |
𝙳 | U+1D673
|
‐
|
𝙳 𝙳
|
𝚍 | U+1D68D
|
‐
|
𝚍 𝚍
|
等幅フォント |
Ⅾ | U+216E
|
1-3-36
|
Ⅾ Ⅾ
|
ⅾ | U+217E
|
1-3-68
|
ⅾ ⅾ
|
ローマ数字500 |
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
---|---|---|---|---|
ᴅ | U+1D05 |
‐ |
ᴅ ᴅ |
LATIN LETTER SMALL CAPITAL D |
🄳 | U+1F133 |
‐ |
🄳 🄳 |
SQUARED LATIN CAPITAL LETTER D |
🅓 | U+1F153 |
‐ |
🅓 🅓 |
NEGATIVE CIRCLED LATIN CAPITAL LETTER D |
🅳 | U+1F173 |
‐ |
🅳 🅳 |
NEGATIVE SQUARED LATIN CAPITAL LETTER D |