石原詢子

6人兄弟の4番目^[6]、長女として誕生^[7]。兄や弟と一緒に、野球や木登りをして遊ぶ活発な少女であった^[8]。

実家は詩吟の家元で^[9]、4歳から詩吟を習いはじめた^[10]。兄弟のなかでも、毎日4時間^[11]の稽古に耐えたのは石原だけであった^[12]。12歳で師範代となり^[13]、高校時代は生徒への指導も行った^{[注釈 1]}。

小学4年生のときにテレビで石川さゆりの歌唱を目にして、将来は演歌歌手にという夢を持つ^[10]。上京の計画を立てて、小遣いやアルバイト代を貯金していた。

歌手の道を父親に猛反対され^[9]、①新聞配達をする②自活する③毎日実家に電話をする④20歳までにチャンスを掴めなければ実家に戻るという条件で、高校卒業と同時に上京^[10][13][14]。新聞配達、うどん屋、コンビニ、居酒屋、レンタルビデオ店のアルバイトを掛け持ちして、歌のレッスンに通った^{[9][注釈 2]}。居酒屋で働く際には「お酒の出るお店で働くなんて、とドキドキした」と当時を振り返っている^[16]。

上京当初は大田区平和島^[17]の新聞配達店の寮で生活したが、下着を盗まれることが何度もあり、半年で引っ越しをすることになった^[18]。

翌夏には、森口博子主演のミュージカルに本名の石原悦子名義で出演。森口からは現在でも「えっちゃん」と呼ばれている^[19][20]。

上京から1年あまり経ったころに、CBSソニーとスリースタープロにスカウトされる^[15]。所属に際して、スタジオ審査では『演歌みち』(松原のぶえ)、『浮草ぐらし』(都はるみ)、『津軽海峡・冬景色』(石川さゆり)を歌唱した^[15]。手応えはなく「たぶん、ダメだろうな」と思っていたが、数日後に再びスタジオに来るよう連絡があり、両社への所属が決定した^[15]。当時は化粧道具を持っておらず、素顔でスタジオを訪ねたため「お化粧ぐらいしてこいよ」と言われたという^[15]。

父親に「20歳までにチャンスを掴めなければ実家に戻る」ように言われていたが、20歳の誕生日を前に歌手デビューが決定^[13]。成人の日には岐阜に帰省し、家族にデビュー決定の報告をした^[21]。 1988年10月、CBSソニーより『ホレました』で歌手デビュー。キャッチフレーズは「演歌のアイドル(エンドル)」で、衣装も着物ではなくミニスカートであった^[22]。デビュー後の数年間はテレビ出演もほとんどなく、全国のカラオケスナック、カラオケ喫茶をまわる日々を過ごした^[14]。

1995年に『夕霧海峡』がヒットし頭角を現した^[23]。しかし、同曲の発売日を挟んだ約2週のあいだに、かねてから心臓を患っていた両親が相次いで死去した^[10][15]。帰る場所をなくしたことで、歌手としての決意を新たにしたという^[10][15]。

若手歌手として人気を伸ばし、1997年に長山洋子の後任としてNHK『どんとこい民謡』の司会に抜擢^{[注釈 3]}。1998年より『コメディーお江戸でござる』に準レギュラー出演。娘役だけでなく、男役「詢吉」、タヌキ、妖怪(あまのじゃく)などもコミカルに演じた。

1999年、スリースタープロのタレント部門解散に伴い、個人事務所「石原音楽事務所」を設立。

同年、悲恋を明るい曲調で歌う『みれん酒』がヒット^[24]。同曲はロングセールスとなり、翌2000年にNHK紅白歌合戦初出場を果たす。喜びの一方で、両親に晴れ姿を見せられない悔しさもあったと、のちに語っている。

2004年、第84回天皇杯全日本サッカー選手権決勝にて、51,000人の観衆を前に国歌を歌唱した^[25]。

2006年、『終着駅』(新宿スペース107)で舞台初主演。翌年は『東京』に主演。ハロー!プロジェクトのメンバーが多く出演しており、前後の公演では安倍なつみ、後藤真希が主演を務めた。

2007年、故郷である岐阜県の「飛騨・美濃観光大使」第1号に就任した^[10]。

2011年、初の自作詞シングル『逢いたい、今すぐあなたに…。』を発表。「母が生きた証を形に残したい」との思いから、作詞・作曲の際は母親の旧名をペンネームとして用いている^{[15][注釈 4]}。

2018年、生前の父親との約束を受け、詩吟揖水流詢風会を発足^[26]。歌手業の傍ら、東京と大阪を拠点に詩吟教室を開催している^[27]。9月には全曲詩吟のアルバム『詢風(じゅんぷう)～吟詠の世界～』を発売した。中野サンプラザホールでの30周年コンサートでは、演歌のみでなく詩吟、歌謡浪曲、50歳で習い始めたピアノの弾き語りも披露した^[28]。

2021年、公式YouTubeチャンネル「詢ちゃんねる」を開設。以後、日常系動画の投稿やライブ配信を行う。飼い猫の動画は石原自ら編集をしている^[29]。愛猫は友人から譲り受けたスコティッシュフォールドの兄妹で^[29][30]、折れ耳のだいずと立ち耳のきなこ、末っ子のあずき^[27]。

2023年、自身で作詞・作曲を手掛けた『五島椿』を発売。五島市ふるさと大使、新上五島町観光物産大使に就任した^[31]。

詢子の「詢」の字は「まこと」という意味。詩吟のほかに、詩舞・剣舞の師範代でもある^[32]。微笑むと口元にえくぼが出来る。

性格は本人いわく頑固、おっちょこちょい。坂本冬美によれば「色気がないから、私が兄で詢子ちゃんは弟だと言われている」^[33]。楽曲を提供した古内東子は「いい意味で男らしい」「要所要所に乙女チックなところが垣間見られる、乙女な部分があるのが魅力的」と評する^[34]。ファンからは「純粋さと透明感を失わないところ」「色っぽさと可愛さが同居した歌声」などを慕われている^[35]。

公式ブログでは、たびたび「すっぴん」の写真を公開している^[36][37][38]。

透明感と温かみのある歌声が特徴^[34]。歌の幅は広く、フォーク歌謡の『あまやどり』、ロック調の『何も始まらないなら』、ポップスバラード『逢いたい、今すぐあなたに…。』『ただそばにいてくれて』など、ポップス調の歌にも定評がある^[39]。自身のラジオ番組で行った全シングル人気投票では、30曲以上ある演歌を抑えて『ただそばにいてくれて』が第3位にランクインした(1位『みれん酒』、2位『夕霧海峡』)。

ボイストレーニングではJUJUやMr.Childrenの曲も歌っており^[40]、TBS『演歌の乱』でMr.Childrenの『innocent world』の歌唱を披露した^[41]。

好きな食べ物はラーメン^[42]、うどん^[43]、焼きそば^[44]、イカ^[45]、桃^[46]など。アルバイト時代は給料日にラーメンを食べに行くことが楽しみであった^[42]。最後の晩餐に食べたいのは東京都『えぞ菊』の味噌ラーメンだと述べている^[42]。また、幼少期から変わらずにベビースターラーメンが大好物である^[47]。

好きなアーティストは浜田省吾^[39]。中学時代は松本伊代のファンで、オリジナルアルバムを所有していた^[48][49]。そのほか、カントリーミュージックを好んで聴いている^[15]。

かつて愛猫が亡くなった際に「こんな辛い思いをするなら二度と動物は飼わない」と決めて、10年以上ペットを飼わなかった^[29]。その後、コロナ禍や友人の勧めもあり、葛藤の末に岐阜の同級生から2匹の子猫を譲り受けた^[29]。

ジャージに凝っており、外出用と部屋着用とで使い分けている。

恋愛については「じっくり、じーっくり好きになるタイプ」で、朴訥とした人、「北海道みたいな人」が理想である^[50]。「結婚するなら西田敏行さんのような方」と憧れており^[51]、歌番組で西田と共演した際には「本当に舞い上がってしまいました」と述べている^[52]。

絵を描くことが好きで^[3]、NHKハート展に参加したことがあるほか、シングル作品には盤面に石原による絵を施したものもある。

また料理好きで、仕事場に弁当を持参する際はスタッフの分まで手作りしている^[53]。大家族で母親の手伝いをして育ったため、煮物などの家庭料理が得意である^[7]。

中学時代はテニス部に所属^[54][55]。水泳が得意で、デビュー当時は近所の区営プールに通っていた^[56]。現在は、伍代夏子主宰の卓球同好会「美魔女艶歌卓球部」に参加している^[57]。

デビュー当時は赤川次郎のファン^[58]。歴史関係の本も好きである^[59]。

2000年頃は家庭用ゲーム機PlayStation 2を所有し、ゲームに熱中していた^[60]。

現在は二葉百合子に師事^[61][62]。同じく二葉門下生の原田悠里、坂本冬美、藤あや子、島津亜矢と「二葉組」を結成し、定期的に集まっている。また、石原が歌手を志したきっかけである石川さゆりも姉弟子にあたる。石原と同じく���婚の坂本は「私が結婚しないとお嫁に行けないということなんですよ。私のことは気にしないでご自由にどうぞ。先に！」と述べている^[63]。年下の島津とは「じゅんじゅん」「あやや」と呼び合う仲で^[64][65]、島津は「緊張の私の心を和らげようと、優しく手を握ってくれた」と、舞台裏での石原とのエピソードを明かしている^[66]。

後輩歌手の大石まどかとは一緒に旅行をしたり、北海道にある大石の実家に泊まったりする間柄である^[53]。

ストレスで声が出なくなったために長期休養し、のちに歌手復帰を果たした岩本公水は^[67]「私が苦しい時・・・・、いつも、どんな時も支えて下さった詢子さん。一生忘れません。」と述べ、石原を慕っている^[68]。

1日警察署長を務めた際の婦人警官のほか、これまでにバスガール^[69]、ブレザーの制服^[70]、セーラー服、陸上部員、女教師、眼鏡のOL、ハリーポッターといった衣装を歌番組などで着用している。本人はコスプレの演出も楽しんでいるとのこと^[69]。

幼少期は近所の子供たちと岐阜の野山を駆け回っていたが、中学以降は一変して「大人しかった」「クラスの男子と話した記憶がない」と、自身を振り返っている^[71]。都市部の実態を知らなかったため、上京当初は路上で寝ているホームレスや酔っ払いを見つけるたびに「大丈夫ですか？」と声を掛けていた^[9]。

• 「いとう冨士子」は、石原のペンネーム。

• 全曲集シリーズ

• FMリクエストアワー(NHK名古屋放送局)
• せんねん灸プレゼンツ しあわせ演歌・石原詢子です（2005年4月-）
  • ラジオ大阪（制作局・水曜日20:30~21:00）
  • STVラジオ（日曜日19:30~20:00）
  • 文化放送（金曜日20:30~21:00）
  • 東海ラジオ（日曜日20:00~20:30）
  • KBCラジオ（日曜日20:30〜21:00）
• いすゞ歌うヘッドライト〜コックピットのあなたへ〜（TBSラジオ、1989年4月-1994年3月、金曜パーソナリティー）

など。

• コメディーお江戸でござる（1998年 - 2004年、NHK総合・BShi） 準レギュラー
• オールスター忠臣蔵まつり（1998年12月9日、2000年12月24日、NHK総合）
• コメディー道中でござる（2004年 - 2005年、NHK総合）準レギュラー

• セネファ「せんねん灸」2001年-（本人出演、CMソングを歌唱）
• JR東海「ぎふデスティネーションキャンペーン」2007年（CMソングを歌唱）

• NHK総合『サンデー経済スコープ』(1994年、エンディング・テーマ「予感」)
• タカラ『新DX億万長者ゲーム』(2003年、オープニング・テーマ「浮世物語」、エンディング・テーマ「ラビリンス」)　※ゲーム中に石原本人も秘書役として登場。
• NHK教育『中学生日記』(2004年4月19日、エンディング・テーマ「ガンバレ！ワタシ」)※番組開始以来初のボーカル入りエンディング・テーマ

• 石原詢子 公式ホームページ
• 石原詢子 ソニーミュージックオフィシャルサイト
• 石原詢子オフィシャルブログ「～詢子のひとりごと～」 - Ameba Blog
• 石原詢子 (@junko_ishihara) - X（旧Twitter）
• 石原詢子 (@junko_ishihara.official) - Instagram
• 詢ちゃんねる - YouTubeチャンネル
• 石原詢子オフィシャルチャンネル - YouTubeチャンネル - ミュージックビデオ中心(2024年現在)