都道府県立自然公園
都道府県立自然公園(とどうふけんりつしぜんこうえん)とは、自然公園法およびそれに基づく都道府県の条例の規定に基づき、その都道府県を代表する優れた風景地について知事が指定する自然公園の一種である。環境大臣が指定する国立公園・国定公園とともに、自然環境の保護と快適で適正な利用を目的として設定されている。
概要
編集2022年(令和4年)3月31日現在、全国で310か所の都道府県立自然公園が指定されている。指定面積を合計すると1,912,806ヘクタール(日本の国土面積の5.1%を占める)。内訳は行為規制の強い特別地域が約35%、普通地域が約65%であり、国立公園や国定公園に比べると普通地域の割合が高い[1]。
群馬県を除く46都道府県が自然公園法に準拠する自然公園条例を制定している。大阪府は条例制定が遅く2001年だった。群馬県は同法に準拠しない条例により県立公園を設置している。
多くの県は「〇〇県立自然公園」「〇〇道立自然公園」の名称を用いるがそうでない地域もある。埼玉県・千葉県・京都府・大阪府・奈良県は「県立〇〇自然公園」「府立〇〇自然公園」、長崎県および長野県は「〇〇県立公園」。東京都及び神奈川県は都県名を冠して「神奈川県立〇〇自然公園」「東京都立〇〇自然公園」とする。また宮城県は「県立自然公園〇〇」「〇〇県立自然公園」の2通りある。
都道府県立自然公園一覧
編集北海道地方
編集北海道
編集- 富良野芦別道立自然公園
- 檜山道立自然公園
- 恵山道立自然公園
- 野付風蓮道立自然公園
- 松前矢越道立自然公園
- 北オホーツク道立自然公園
- 道立自然公園野幌森林公園
- 狩場茂津多道立自然公園
- 朱鞠内道立自然公園
- 天塩岳道立自然公園
- 斜里岳道立自然公園
11か所
東北地方
編集青森県
編集7か所
岩手県
編集7か所
宮城県
編集8か所
秋田県
編集8か所
山形県
編集6か所
福島県
編集- 霊山県立自然公園
- 霞ヶ城県立自然公園
- 南湖県立自然公園
- 奥久慈県立自然公園
- 磐城海岸県立自然公園
- 松川浦県立自然公園
- 勿来県立自然公園
- 大川羽鳥県立自然公園
- 阿武隈高原中部県立自然公園
- 夏井川渓谷県立自然公園
10か所
関東・甲信越地方
編集茨城県
編集9か所
栃木県
編集8か所
群馬県
編集なし。しかし、自治体独自での公園は指定しており、赤城山一帯を含む赤城県立公園や榛名山一帯を含む榛名県立公園など6つの県立公園を設けている。
埼玉県
編集10か所
千葉県
編集8か所
東京都
編集6か所
神奈川県
編集4か所
山梨県
編集2か所
長野県
編集5か所
新潟県
編集- 瀬波笹川流れ粟島県立自然公園
- 胎内二王子県立自然公園
- 阿賀野川ライン県立自然公園
- 五頭連峰県立自然公園
- 長岡東山山本山県立自然公園
- 奥早出粟守門県立自然公園
- 魚沼連峰県立自然公園
- 米山福浦八景県立自然公園
- 直峰松之山大池県立自然公園
- 久比岐県立自然公園
- 白馬山麓県立自然公園
- 親不知子不知県立自然公園
- 小佐渡県立自然公園
13か所
北陸・東海地方
編集富山県
編集6か所
石川県
編集5か所
福井県
編集1か所
岐阜県
編集- 千本松原県立自然公園
- 揖斐県立自然公園
- 奥飛騨数河流葉県立自然公園
- 宇津江四十八滝県立自然公園
- 恵那峡県立自然公園
- 胞山県立自然公園
- 裏木曽県立自然公園
- 伊吹県立自然公園
- 土岐三国山県立自然公園
- 位山舟山県立自然公園
- 奥長良川県立自然公園
- 野麦県立自然公園
- せせらぎ渓谷県立自然公園
- 天生県立自然公園
- 御嶽山県立自然公園
15か所
静岡県
編集4か所
愛知県
編集7か所
三重県
編集5か所
関西地方
編集滋賀県
編集3か所
京都府
編集3か所
大阪府
編集2か所
兵庫県
編集- 多紀連山県立自然公園
- 猪名川渓谷県立自然公園
- 清水東条湖立杭県立自然公園
- 朝来群山県立自然公園
- 音水ちくさ県立自然公園
- 但馬山岳県立自然公園
- 西播丘陵県立自然公園
- 出石糸井県立自然公園
- 播磨中部丘陵県立自然公園
- 雪彦峰山県立自然公園
- 笠形山千ヶ峰県立自然公園
11か所
奈良県
編集3か所
和歌山県
編集- 高野山町石道玉川峡県立自然公園
- 龍門山県立自然公園
- 生石高原県立自然公園
- 西有田県立自然公園
- 白崎海岸県立自然公園
- 煙樹海岸県立自然公園
- 城ヶ森鉾尖県立自然公園
- 果無山脈県立自然公園
- 日置川県立自然公園
- 白見山和田川峡県立自然公園
- 古座川県立自然公園
- 大塔山県立自然公園
12か所
中国・四国地方
編集鳥取県
編集3か所
島根県
編集- 清水月山県立自然公園
- 鬼の舌震県立自然公園
- 宍道湖北山県立自然公園
- 立久恵峡県立自然公園
- 竜頭八重滝県立自然公園
- 江川水系県立自然公園
- 断魚渓・観音滝県立自然公園
- 千丈渓県立自然公園
- 浜田海岸県立自然公園
- 蟠竜湖県立自然公園
- 青野山県立自然公園
11か所
岡山県
編集7か所
広島県
編集6か所
山口県
編集4か所
徳島県
編集6か所
香川県
編集1か所
愛媛県
編集7か所
高知県
編集- 手結住吉県立自然公園
- 奥物部県立自然公園
- 白髪山県立自然公園
- 横倉山県立自然公園
- 横浪県立自然公園
- 入野県立自然公園
- 宿毛県立自然公園
- 龍河洞県立自然公園
- 中津渓谷県立自然公園
- 須崎湾県立自然公園
- 興津県立自然公園
- 安居渓谷県立自然公園
- 四国カルスト県立自然公園
- 北山県立自然公園
- 魚梁瀬県立自然公園
- 梶ヶ森県立自然公園
- 鷲尾山県立自然公園
- 工石山陣ヶ森県立自然公園
18か所
九州地方
編集福岡県
編集5か所
佐賀県
編集6か所
長崎県
編集6か所
熊本県
編集7か所
大分県
編集5か所
宮崎県
編集6か所
鹿児島県
編集- 阿久根県立自然公園
- 吹上浜金峰山県立自然公園
- 藺牟田池県立自然公園
- 坊野間県立自然公園
- 川内川流域県立自然公園
- 高隈山県立自然公園
- 大隅南部県立自然公園
- トカラ列島県立自然公園
- 薩南海岸県立自然公園
- みしま県立自然公園
10か所
沖縄地方
編集沖縄県
編集4か所
廃止されたもの
編集自然公園法施行(1957年10月1日)以降に都道府県立自然公園となり、その後国定公園や国立公園への移行、区域の見直しなど��廃止されたものを挙げる。
- 北海道
- 厚岸道立自然公園(2021年厚岸霧多布昆布森国定公園に移行)、暑寒別道立自然公園および天売焼尻道立自然公園(1990年暑寒別天売焼尻国定公園に移行)、襟裳道立自然公園(1981年日高山脈襟裳国定公園に移行)、利尻礼文道立自然公園(1965年利尻礼文国定公園に移行)、ニセコ道立自然公園(1963年ニセコ積丹小樽海岸国定公園に移行)
- 青森県
- 深浦・十二湖県立自然公園および龍飛袰月県立自然公園(1975年津軽国定公園に移行)、恐山県立自然公園(1968年下北半島国定公園に移行)
- 岩手県
- 種差海岸階上岳県立自然公園(2013年陸中海岸国立公園に編入の上三陸復興国立公園に改称)、早池峰県立自然公園(1982年早池峰国定公園に移行)、須川焼石山郷県立自然公園(1968年栗駒国定公園に編入)、三陸海岸県立自然公園(1964年陸中海岸国立公園に編入)
- 宮城県
- 南三陸海岸県立自然公園および県立自然公園牡鹿半島(1979年南三陸金華山国定公園に移行)、栗駒山県立自然公園および玉造温泉郷県立自然公園(1968年栗駒国定公園に編入)
- 秋田県
- 男鹿県立自然公園(1973年男鹿国定公園に移行)、栗駒県立自然公園(1968年栗駒国定公園に編入)
- 福島県
- 只見柳津県立自然公園(2021年越後三山只見国定公園に編入)
- 長野県
- 中央アルプス県立自然公園(2020年中央アルプス国定公園に移行)、蓼科八ヶ岳・霧ヶ峰県立公園および美ヶ原塩尻峠県立公園(1964年八ヶ岳中信高原国定公園に移行)
- 愛知県
- 鳳来寺山県立自然公園(1969年天竜奥三河国定公園に移行)
- 福井県
- 九頭竜県立自然公園および越前海岸県立自然公園(1968年越前加賀海岸国定公園に移行)
- 和歌山県
- 大池貴志川県立自然公園(2009年指定解除)[2]、田辺南部白浜海岸県立自然公園および熊野枯木灘海岸県立自然公園(2015年吉野熊野国立公園に編入)
- 広島県
- 帝釈峡県立公園および道後山県立公園ならびに比婆山県立公園(1963年比婆道後帝釈国定公園に移行)
- 高知県
- 室戸岬県立自然公園および甲浦海岸県立自然公園(1964年室戸阿南海岸国定公園に移行)
- 長崎県
- 壱岐県立公園および対馬県立公園(1968年壱岐対馬国定公園に移行)
- 鹿児島県
- 甑島県立自然公園(2015年甑島国定公園に移行)
脚注
編集- ^ “国立公園 関連法令・各種資料 > 自然公園面積総括表”. 環境省. 2023年11月5日閲覧。
- ^ “和歌山県立自然公園の抜本的見直し事業”. 和歌山県環境生活部環境政策局環境生活総務課自然環境室. 2010年10月15日閲覧。
関連項目
編集外部リンク
編集- 環境省 日本の国立公園 > 法令・各種資料
- 環境アセスメントデータベース EADAS - 都道府県立自然公園区域データを含む地理情報システム