白姫抄
『白姫抄』(しらひめしょう)は、CLAMPによる日本の漫画作品。著者初の全編描きおろしである。1編を2つに分割した「序」と「終」という話で、3話の短編が挟まれた構成になっている(「序」はカラー)。『ANGELIC LAYER』に登場する天使「白姫」、『X』に登場する眷属神「犬鬼」はこの作品に由来する。
白姫抄 | |
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漫画:白姫抄 | |
作者 | CLAMP |
出版社 | 光文社、角川書店 |
レーベル | バルプリティ光文社コミックス |
発行日 | 1992年6月10日 |
巻数 | 全1巻 |
テンプレート - ノート | |
プロジェクト | 漫画 |
ポータル | 漫画 |
あらすじ
編集- 序
- 雪の降り始めた山を登っていた男は白い着物姿の女を見つけた。目じりと唇に紅を差したその女は、「何をしているのか」と問いかけた男に「待っているのです」と答える。
- 第1話 「牙狼の山」(がろうのやま)
- 父親を狼に殺された過去を持つ娘が、母親の制止を振り切り、復讐のために、父親の形見である刀を携えて雪の降る冬山に向かうが……。
- 第2話 「氷の花」(こおりのはな)
- 愛する娘を、「いつか帰る」という約束と共に残して旅立った男が、30年以上経って約束の地である湖に戻ってみると……。
- 第3話 「比翼の鳥」(ひよくのとり)
- 暗くなった冬山で道に迷った1人の若武者の、目の前に突如現れた番いの鷺。若武者は愛する娘を思い出し、番いの仲のよさに嫉妬して一方を射殺する。その後も歩き続けるが、同じところに戻ってきた武士を麓へ導いた、どくろを抱えた不思議な女は……。
- 終
- 「雪は白姫の涙だ」・「白姫の涙が降ると悲しい出来事が起こる」と言う男に対し、謎の女は「雪は『白姫』の涙ではありません」と穏やかに反論する。そして、突如宙に現れた、雪のように白い狼のような精霊の群れの1頭に乗ると、「雪は私の涙ではなく、人の子の悲しみが雪を呼ぶのです」と言い置いて去る。女は雪の神・白姫だったのだ。
登場人物
編集序、終
編集- 男
- 服の上から蓑を着、編み笠を被り、かんじきのついた藁長靴を履いて、細い枝を集めて縛ったものを背負っている。
- 女(白姫)
- 白い着物を3枚重ね、それを、細い布紐で両端が前に来るようにして締め、白い衣を被いている。目元と唇に紅を差し、足元は裸足。身長と同じくらいの長さの黒髪を結うことなく流している。
第1話
編集- 吹雪(ふぶき)
- 父親を大きな闇色の狼に殺された娘。母親と二人暮しだが、父親の仇を取るため、父親の形見を手に、1人冬山へ入る。山犬の群れに襲われ、1度は死すら覚悟した彼女を結果的に助けた狼に好意を覚え、名前を与えて傷が癒えるまでの間を冬山で共に過ごす。
- 犬鬼(いぬき)
- 闇色の体毛を持つ大きな狼。吹雪を襲った山犬の群れを吠え声で追い散らし、傷を負った彼女を洞窟へ運び込んで、食料となる小動物を毎日狩る。傷が癒えた吹雪と、雪がやんだ日に遊んでいて、吹雪を探しにきた母親に猟銃で撃たれて死ぬ。
- 吹雪の母
- 父親の仇を取ると決めた娘に、父親の形見を渡す。
第2話
編集- 男
- 30年以上前の約束を果たすため、約束の場所である、雪深い���にある凍りついた湖を訪れる。
- 花鵺(かや)
- 男が「いつか帰ってくる」と約束した少女。別れた当時は17歳だったが、男の帰りを待ち続けるため、春になっても身を沈める者の命を奪うほどに冷たい湖の中へ沈む。
第3話
編集単行本
編集- 白姫抄(1992年6月10日 光文社 ISBN 978-4334801618)
- 白姫抄(2001年8月1日 角川書店 ISBN 978-4048533935)- ※上記単行本の切り替え新装版。