生野区(いくのく)は、大阪市を構成する24行政区のうちの一つ。大阪府の中央部に位置する。

いくのく ウィキデータを編集
生野区
生野コリアタウン
日本の旗 日本
地方 近畿地方
都道府県 大阪府
大阪市
市町村コード 27116-1
面積 8.37km2
総人口 127,282[編集]
推計人口、2024年10月1日)
人口密度 15,207人/km2
隣接自治体
隣接行政区
大阪市天王寺区阿倍野区東成区東住吉区平野区
東大阪市
区の花 アジサイ
区のマスコット
キャラクター
いくみん
(紫陽花の妖精)
生野区役所
所在地

544-8501
大阪府大阪市生野区勝山南三丁目1番19号
北緯34度39分13.1秒 東経135度32分3.5秒 / 北緯34.653639度 東経135.534306度 / 34.653639; 135.534306座標: 北緯34度39分13.1秒 東経135度32分3.5秒 / 北緯34.653639度 東経135.534306度 / 34.653639; 135.534306

地図
外部リンク 大阪市生野区
生野区位置図
ウィキプロジェクト
生野区の空中写真
あべのハルカスから見下ろす景色。左側の半分ぐらいは生野区に属する(2014年)

地理

上町台地の東側に位置し、平坦な地形が続く。区境は、西側が大阪環状線、北側が近鉄大阪線奈良線によって形成されているために直線的なものになっている。そのために北西端に位置するJR西日本近鉄鶴橋駅は、駅舎の一部が隣接する天王寺区東成区にまたがる格好になっている。

歴史

故事

日本最古の橋
文書に残る日本最古のである猪甘津橋は、現在の生野区に架かっており、周辺にが群れていることからその後「鶴の橋」と呼ばれるようになったとされ、現在の「鶴橋」の地名となった。河川の埋め立てにより現在は橋がなくなったが、「つるのはし跡」の石碑がJR環状線の桃谷駅近くに建っており、橋脚の一部が残っている。
 
つるのはし跡
聖徳太子伝説 〜生野区の名称の由来〜
生野長者と呼ばれた長者の子が、生まれつき言葉をしゃべらないので聖徳太子に相談したところ、聖徳太子が「私が前世に預けた舎利を返しなさい」と長者の子におっしゃった。すると長者の子は3つの舎利を口から吐き出し、それからは普通にしゃべれるようになった。聖徳太子はその舎利を一つは四天王寺に、一つは法隆寺に、一つを長者に賜った。その舎利をおまつりするために長者は寺を建て、舎利尊勝寺と名づけた。生野区の名称はこの故事に登場する生野長者に由来し、長者の建てた舎利尊勝寺は生野区内に現存しており、一帯の地名「舎利寺」の由来となっている。
古代・仁徳天皇の時代に、多くの「渡来人」がこの地にやってきた。特にこの地域は百済からの渡来人が多く古くは「百済郡」と呼ばれていた。その渡来人たちがブタ(猪)を飼う技術を持っていたことからこの地域を「猪飼野(いかいの)」と呼ぶようになる。生野は猪飼野が訛ったものか。

近世

地名

人口構成

区の総人口126,669人(2022年7月現在)。

全国で最も外国人比率が高い都市

外国人住民は28,104人(2023年9月現在)で区人口の約22.2%に達し、大阪市の行政区で最も多い[1]。ちなみに外国人比率の高い自治体である群馬県邑楽郡大泉町は19%(2021年9月現在)[2]、全国最多の外国人住民を抱える埼玉県川口市の外国人人口は約3万9000人で住民の6.4%(令和2年6月1日現在)、全国2位の外国人住民抱える東京都内における最も外国人人口の多い新宿区の人口(346,925人)に対する外国人人口(40,347人)比率は11.6%(令和4年11月1日現在)[3]である。全国で最も外国人居住者の比率が高い行政区の一つで、その多くは在日韓国・朝鮮人である。

産業

 
ロート製薬本社(巽西)

個人商店、中小企業が多く、特にゴムと硝子工業が有名。『田島(たしま/たじま)のめがねレンズ』は特に有名で、昭和40年代までは全国シェアの90%の生産量を誇っていた。田島神社境内には「レンズ発祥の地」の碑がある。商店街も多く賑わいを見せている。

またロート製薬フルタ製菓ノーベル製菓、そして山本化学工業の本社や工場も生野区に所在する。ロート製薬の一社提供番組であった『アップダウンクイズ』(MBS) や『クイズダービー』(TBS) などで放送されたオープニングキャッチの映像は、巽西にある同社の本社工場・研究所である。

鶴橋地域や今里新地地域にはコリア・タウンが形成されており、コリア系商業ビルも存在する。

交通

鉄道

大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro)
  千日前線小路駅 - 北巽駅 - 南巽駅
近畿日本鉄道(近鉄)
A 奈良線鶴橋駅 - 今里駅
D 大阪線:鶴橋駅 - 今里駅
今里駅が普通列車のみの停車であるため、急行停車駅である布施駅東大阪市)も利用される。

JR大阪環状線寺田町駅 - 桃谷駅 - 鶴橋駅は、隣接する天王寺区との境界に沿って走り、一部出入口は区内にもあるが、登記上はすべて天王寺区にある。

また、区の南端部ではJR関西本線大和路線)の平野駅平野区)や東部市場前駅東住吉区)が最寄りとなる地域がある。

バス

また、かつては近鉄バスも生野区内に路線があり、勝山通を経由するあべの橋・近鉄八尾駅間、布施から内環状線・南巽駅を経てJR平野まで運行していた。

道路

教育

短期大学

高等学校

中学校

小学校

義務教育学校

特別支援学校

専修学校・各種学校

閉校となった学校

集合住宅

大規模マンション

  • 生野コーポ

住宅団地

  • 都市再生機構桃谷市街地住宅
  • 市営生野東住宅
  • 市営勝山南住宅
  • 市営田島住宅
  • 市営巽住宅
  • 市営巽伊賀住宅
  • 市営巽北住宅

出身者

延山敏和(ラグビー選手)

生野区にゆかりのある人物

  • 司馬遼太郎(小説家) - 大阪市浪速区に生まれる。
  • 河島英五(歌手) - 生野区桃谷にてバー&ライブハウス「BEE-HOUSE」を経営していた。
  • 徳山昌守(プロボクサー) - 東京都出身、現役ボクサー時代は生野区に在住していた。
  • 趙博(歌手・俳優) - 大阪市西成区に生まれる、現在は生野区に在住。
  • 長島☆自演乙☆雄一郎(格闘家) - 生野区今里の魁塾に所属。

名所・旧跡・観光スポット・施設

 
舎利尊勝寺
 
韓流ブームで賑わう大阪生野コリアタウン商店街

脚注

  1. ^ 令和5年9月末日現在”. 生野区. 2024年3月12日閲覧。
  2. ^ 大泉町の多文化共生”. 大泉町. 2021年11月14日閲覧。
  3. ^ 新宿区の人口”. 新宿区. 2022年11月6日閲覧。

外部リンク