玉泉洞
玉泉洞(ぎょくせんどう)は、沖縄県南城市玉城字前川にある鍾乳洞。広義には沖縄島南部の雄樋川の流域に発達した全長5,000メートルを超える洞窟群をいい[1]、狭義にはこの洞窟群(洞穴群、ケイブシステム)内に位置する前川第6洞をいう[2]。
概要
編集沖縄島中南部には基盤岩となる第三紀泥岩(島尻層群)の上位に第四紀礁性石灰岩(琉球層群)が堆積する地層が分布し、この地域には多くの洞穴が形成されている[1][2]。周辺の洞穴群(ケイブシステム)は「玉泉洞ケイブシステム」と呼ばれていたが、1971年の鹿島愛彦と山内平三郎の調査報告により「ユヒ川地下川洞穴」と呼ばれるようになった[2]。
この洞窟群(洞穴群)の一部はおきなわワールドの一部として公開されている[1]。洞窟群(洞穴群)全体は31個余の洞穴で構成されており、このうち「おきなわワールド」内には観光洞の玉泉洞を含めて15余の洞穴が存在する[2]。
観光洞としての玉泉洞(狭義)は長さ約800メートルで、観光用に設けられた歩道の最高所は海抜14.4メートル(観光洞入口付近)最低所は海抜4.7メートル(観光洞出口付近)である[1]。 1972年4月28日に観光鍾乳洞「玉泉洞」としてオープンし、1987年9月には世界初となる洞内エスカレーターが設置された[3]。港川へ流れ出る雄樋川(ゆうひがわ)の河谷の東側、地下30メートルに水流があり、これが洞窟内を流れている。上流では雄樋川から流れ込み、下流では再びこの川に流れ入る[4]。
洞内には、オキナワコキクガシラコウモリ、オオウナギ、ミズギワゴミムシ、オヒキコシビロザトウムシ、オビヤスデ、クロイワトカゲモドキなどが生息する[5]。
旧入道口のトンネル状階段は、洞内の一定した温度条件を利用した古酒(クース)の甕の貯蔵場所として利用されている。
ギャラリー
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昇龍の鐘
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鍾乳石
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青の泉
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洞内の古酒蔵
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堆積層内に露出した化石群
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地煙の滝
周辺の主な洞窟
編集脚注
編集参考文献
編集- 下謝名松栄『カラー百科シリーズ4 沖縄の自然 島の自然と鍾乳洞』新星図書、1976年。
- 木崎甲子郎編集代表『沖縄の自然 その生い立ちを訪ねて』平凡社、1975年。
関連項目
編集外部リンク
編集座標: 北緯26度8分14.41秒 東経127度45分6.51秒 / 北緯26.1373361度 東経127.7518083度