波の盆』(なみのぼん)は、日本テレビ系列(NNS)で1983年11月15日の21:02 - 22:54に放送されたテレビドラマ。また、その主題曲として作られた武満徹の楽曲。

西武スペシャル
波の盆
ジャンル テレビドラマ
脚本 倉本聰
監督 実相寺昭雄
出演者 笠智衆
加藤治子
中井貴一
石田えり
オープニング 『波の盆』作曲:武満徹
時代設定 1983年夏
製作
プロデューサー 梅谷茂(制作)
吉川正澄
山口剛
制作 日本テレビ
テレビマンユニオン
放送
放送国・地域日本の旗 日本
放送期間1983年11月15日
放送時間火曜日21:02 - 22:54
放送分112分
回数1
テンプレートを表示

概要

編集

戦争によって引き裂かれたハワイ日系移民家族の姿と、それぞれの想いを描く。舞台はマウイ島ワイルクラハイナなど。現地のコンドミニアムにキャストとスタッフが共同生活しながら撮影が行われた。

日本テレビテレビマンユニオン提携作品。監督は実相寺昭雄、脚本は倉本聡西武流通グループ西武百貨店西友西武クレジット)提供の「西武スペシャル」として放送された。第38回(昭和58年度)文化庁芸術祭大賞、第1回ATP賞グランプリ、第16回テレビ大賞優秀番組賞を受賞。

1984年2月4日には、芸術祭大賞受賞を記念して再放送された。2011年8月27日、川崎市市民ミュージアムで開催された「実相寺昭雄展」で、関係者試写、スクリーン上映会が行われた。[1] 2013年、日本テレビ開局60年記念の���環として、CS日テレ日テレプラスにて周年ドラマ特集が組まれ、『秋のシナリオ』『ゴールデンボーイズ 1960笑売人ブルース』『テレビ、翔んだ!』とともに再放送された(本作は12月7日ほかで放送された)。

2003年にはバップよりDVDソフトとして発売された(2021年現在廃盤)。また、横浜市にあるアーカイブ施設放送ライブラリーでは無料で閲覧できる。

あらすじ

編集

1983年夏、ハワイ・マウイ島。長年連れ添った妻に先立たれた日系一世の老人・山波公作は、仕事を引退して毎日追憶に耽る日々を過ごしていた。そんなある日、遠い昔に勘当した四男・作太郎の娘・美沙が、亡くなった妻に宛てた手紙を携えて日本からやってきた。孫が訪ねてくれた嬉しさの反面、祖国を裏切って米軍に協力した作太郎へのわだかまりがある公作は、美沙に対して心を開くことができない。そんな公作に、思い出の中の妻・ミサが優しく語りかけてくる。

キャスト

編集
山波公作
演 - 笠智衆
ミサ
演 - 加藤治子
美沙/フサヨ(二役)
演 - 石田えり
末吉
演 - 伊東四朗
作太郎
演 - 中井貴一
タミコ
演 - 原知佐子
公一
演 - 蟹江敬三
公次郎
演 - 大林丈史
公三
演 - 尾藤イサオ
花江
演 - 風祭ゆき
瑞江
演 - 立石凉子
文夫
演 - 石田純一
その他
演 - 奥村公延浜村純木田三千雄木戸卓六浦誠井上三千雄成田次穂 ほか

スタッフ

編集

サウンドトラック

編集

武満徹作曲の本番組のサウンドトラックは、岩城宏之指揮、東京コンサーツ演奏によるもの。下記のとおりソフト化されている。

武満徹の娘・真樹によると、『波の盆』を作曲する前にベルトルッチ監督の映画『1900年』を武満は何度も見ており、その音楽の影響が強く残っている[2]。真樹が『1900年』の音楽のパクリじゃないかと言ったところ、武満はものすごく腹を立てたという[2]

脚注

編集

出典

編集
  1. ^ https://blog.goo.ne.jp/kapalua227/e/539a61bf310d65cfbd3d9ce357c8ae7c
  2. ^ a b 「第8章 天秤の棹の長い人」『谷川俊太郎が聞く武満徹の素顔』谷川俊太郎・武満真樹、小学館、2006年11月20日、308頁。ISBN 4-09-387657-6 

関連文献

編集
日本テレビ系 西武スペシャル
前番組 番組名 次番組
波の盆
1983年11月15日