毬杖
毬杖(ぎっちょう)は、木製の槌(つち)をつけた木製の杖を振るい、木製の毬を相手陣に打ち込む遊び、またはその杖。振々毬杖(ぶりぶりぎっちょう)、玉ぶりぶりとも。杖には色糸をまとう。
概要
編集平安時代に童子の遊びとして始まり、後に庶民の間に広まった。その後は形骸化し、江戸時代頃まで正月儀式として残った。可児徳・矢島鐘二は『小学校遊戯の理論及実際』(1913年)の中で「古代の体育的遊戯が、一種の玩具としての遺物となってる〔ママ〕のは、遺憾の次第である」と記している[1]。現在では、地域における文化体験の一環として時たま楽しまれる。
左利きの人が毬杖を左手に持ったことから、「(左)ぎっちょ」の語源とする説もある。『本朝俚諺』には、「俗間に、左の手の利きたる人をぎっちょといへるは、左義長といふ意、左専(もっぱ)らききたるに準(なら)ふ」とある。
ルール
編集可児徳・矢島鐘二『小学校遊戯の理論及実際』(1913年)による[2]。同書は「頗(すこぶ)る勇壮な遊戯」と評している[3]。
脚注
編集- ^ 可兒・矢島 1913, p. 274.
- ^ 可兒・矢島 1913, pp. 273–274.
- ^ 可兒・矢島 1913, p. 273.