夢源氏剣祭文
『夢源氏剣祭文』(ゆめげんじつるぎのさいもん)は、小池一夫による小説作品。
概要
編集1993年、平安建都1200年を記念して毎日新聞朝刊で毎週日曜日の最終面[1]に一年間に渡り連載され絶賛された(「スーパー御伽草子」というのは当時の謳い文句、キャッチコピーである)。また、日本画の重鎮であった森田曠平による挿画・挿絵も話題となった(森田にとっては、この挿画が遺作となった)。単行本は1995年に上下巻で出版されたが、2016年に漫画家の高橋留美子による挿画で合本がミューノベルというライトノベル系レーベルから新たに出版されている。
1998年、NHK-FM放送で、仲代達矢のナレーションでラジオドラマ化された。
皇なつき作画で漫画化され、「時代劇漫画 刃-JIN-」(小池書院)2006年10月号から連載されたが同誌が休刊。2012年6月26日に創刊された『サムライエース』(角川書店)で連載が決定したが、同誌も2013年12月26日をもって休刊となり、再び連載は中断した。
あらすじ
編集「手柄を立てる」と都へ旅立った父に会いに、母と共に都へ向かっていた茨木(いばらき)。道中、母が亡くなり、鬼の黒蔵主に追いかけられた茨木は、命からがら逃げるが耳を食いちぎられてしまう。
「鬼に噛まれた者は、鬼の毒で自身も鬼になる」
少しずつ鬼に変化していく自分を感じながら、4歳の少女の旅が始まる。
ラジオドラマ
編集NHKラジオ第1放送 ラジオ深夜便にて、特集ドラマとして1995年11月13日から17日にかけて全5話が放送された後、再編集を���て、NHK-FM放送 青春アドベンチャー枠で1998年10月26日から11月6日に渡り再放送された。
出演
編集- 仲代達矢 - ナレーション
- 半田美保子 - 茨木(幼少時)
- 皆口裕子 - 茨木
- 香月弥生 - 茨木の母
- 木場勝己 - 黒蔵主・渡辺綱
- 新村礼子 - 山姥
- こねり翔 - 金太郎
- 今福将雄 - 加茂忠行
- 松田洋治 - 安倍晴明
- 内山森彦 - 袴垂
- 津田匠子 - 八百比丘尼
- ドン貫太郎 - 朱天太夫
- 大山尚雄 - 藤原秀郷
- 今井朋彦 - 碓井貞光
- 郷里大輔 - (芦屋)道摩
- 岩本多代 - 媼、壹子
- 上田忠好 - 藤原兼家
- 車宗光 - 藤原道長
- 豊川潤 - 源頼光
スタッフ
編集漫画
編集2006年、皇なつき作画で『時代劇漫画 刃-JIN-』(小池書院)2006年10月号より漫画化。
原作を読了した皇は、漫画化に当たり、「普通の漫画ではなく絵巻物のような作品にしたい」と思い、試行錯誤した。単行本には、「作画」ではなく「絵師」という表記になっている。また、巻数表示は「第一集」という表記である。掲載誌『時代劇漫画 刃-JIN-』が2008年7月���(2008年5月21日発売号)にて休刊になり、未完となっていたが2012年6月26日に創刊した隔月刊誌『サムライエース』(角川書店)に移籍し連載を再開した。中断された部分からの続きではなく第1話からの再録連載であったが、同誌も2013年12月26日をもって休刊となり、再び連載は中断した。
フランス出版業界はこの作品を絶賛し、フランスでの出版も決定した。
単行本
編集- 小池書院〈刃コミック〉 2007年11月27日発売 ISBN 978-4862252326【絶版】
- 角川書店
- 2014年3月18日発売、ISBN 978-4-04-121085-7
- 2014年3月18日発売、ISBN 978-4-04-121086-4
脚注
編集外部リンク
編集- 刃-JIN-「夢源氏剣祭文」 - ウェイバックマシン(2006年11月5日アーカイブ分) - 公式サイト
- ComicWalker 夢源氏剣祭文
- 小池一夫のはじめてのブログ - 小池一夫公式サイト