北陸地方

日本の地域
北陸から転送)

北陸地方(ほくりくちほう)は、本州中央部(中部地方)の日本海に面した地域を指す名称である。畿内から見て北方にある五畿七道北陸道に由来し、中世以前では、この地域を北国(ほっこく)と称していた。

北陸地方のデータ
4県の合計
日本の旗 日本
面積 25,205.60km2
国勢調査人口 5,444,797
(2010年10月1日)
推計人口 4,931,981
(直近の統計[† 1]
人口密度 195.7人/km2
(直近の統計[† 1]
北陸地方
北陸地方
北陸4県の範囲

現代においては北陸道と同じ範囲である新潟県富山県石川県福井県の4県[1]、あるいは新潟県を除く3県のことを指す[1]ことが多い。範囲を明確に指す場合、前者は「北陸4県[2]」または「新潟県を含む北陸地方[3]」、後者は「北陸3県」などと表現されることがある[4]。北陸3県の繋がりについては「北陸3県について」の節を参照。域内の最大都市は新潟県新潟市である。

本項では以下、特記の無い限り、北陸地方の範囲を北陸道(北陸4県)の範囲として扱う。

範囲

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北陸地方の範囲は、新潟県から福井県まで東西におよそ400kmあり、細く長い。歴史的に古代の「越国」と呼ばれた地方を多く含み、若狭国から越��国までの範囲におよぶ。明治時代頃までは「ほくろく」と読まれていた。この北陸地方の道路を指して「越路」「北陸道」と呼ぶ事もある。

中央省庁各省の出先機関地方支部局)の管轄範囲は北陸地方を一律に管轄区域としているものばかりではない[† 2]財務省関東財務局など新潟県は関東の一部あるいは関東甲信越信越などとする例が多く見られる。一方で、国土交通省近畿地方整備局など福井県は近畿とする例もある。

スポーツ大会や国政選挙では人口が比較的少ないため長野県を含めた北信越地方として組み合わせることが多い。

自然地理

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北陸地方の主要地形
 
越後平野
 
立山連峰(飛騨山脈)
 
三方五湖

雪国として有名な地方である。シベリア寒気団が山脈にぶつかることで冬の大雪と春からの雪解け水をもたらす日本海側気候を呈している。特に新潟県南魚沼市上越市の周辺は、日本で五指に入る豪雪地帯となっており、スキー場が多く立地している。越後湯沢妙高高原など、大規模なスキー場も集中する。沿岸部と内陸部では積雪量に大きな差がある。代表的な山麓として、日本三名山に数えられる、立山連峰(富山県)と白山(石川県・福井県)が挙げられる。

自然災害

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北陸地方が被害を受けた自然災害の主なもの。()内は主な被災県。

地震
気象災害

歴史

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北陸地方は、「日本海沿岸の地方勢力」として、他の地方からは半ば独立した歴史を歩んで来た。

古代

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古代の北陸地方は越国(こしのくに)や陸道(くぬがのみち)と呼ばれており地方勢力の一つであった。「越国」とあるが中央勢力の影響圏外であり資料が少なく、統一された国家であったかは不明である。伝説の大蛇「八岐大蛇」が越国から現れたと伝えられ、出雲王権の特徴である四隅突出型墳丘墓が富山県や福井県などに見られることや、出雲崎(新潟県中部)などの地名の名残から、出雲文化の影響が強く見られる。

ヤマト王権大彦命が越国を鎮めると、次第に中央集権の枠組みに取り込まれていく。古代には北から高志深江国造久比岐国造佐渡国造(新潟県)、伊彌頭国造(富山県)、能頭国造羽咋国造加宜国造加我国造高志国造江沼国造(石川県)、三国国造角鹿国造若狭国造(福井県)が設置された。ヤマト王権が中央集権型統一国家を成立させると、中央である畿内を防衛するため周辺に関所が設置された。当時の東方を守る三関は、「東海道鈴鹿関鈴鹿峠」「東山道不破関関ヶ原」「北陸道愛発関(愛発山)」を指していたので、律令時代には、若狭国嶺南)から東の日本海沿岸が越国と見なされていた。

越国は、ヤマト王権の勢力に組み込まれると詳細に3つの領域に区分された。令制国国府所在地を見ると、越前国武生越中国伏木高岡市北部)、越後国直江津上越市北部)に当たる。この国府所在地の位置により、当時のヤマト王権の支配領域は、東は概ね新潟県の上越地方までで、それ以北は領土外であった。しかし、後に支配領域を伸ばすと、天険たる鼠ヶ関越後山脈北陸道の北限となり、越国から分離される形で出羽国が設置された。越前国から分離した能登国成立の時期に開山し室町時代末期まで巨大な宗教都市として勢力を誇った平泉寺はこの時代の独立した集団として捉えられる。

中世

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鎌倉時代から室町時代まで

親鸞直江津流刑され、蓮如が教団を拡大し、北陸地方は浄土真宗の地盤となり、仏教勢力が力を揮う事になった。その頂点が加賀の一向一揆越中の一向一揆であり、この他にも永平寺などの有名寺院が立地するようになった。浄土教を批判した日蓮も佐渡に流刑された。

戦国時代

戦国時代の北陸地方は、越後国は長尾氏、越中国は神保氏椎名氏、能登国は畠山氏、加賀国は一向一揆、越前国は朝倉氏が支配し、上杉謙信と一向一揆は激しく争った(尻垂坂の戦い)。本能寺の変以後は、上杉景勝上越)、新発田重家下越)、佐々成政富山)、前田利家金沢)、柴田勝家福井)などの本拠地となった。

江戸時代

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北前船(複製)
江戸時代

江戸時代になると、幕藩体制が敷かれ富山(越中)は能登とともに加賀藩の直接的、間接的支配下にあり、政治的な影響下にあった。「加賀百万石」と呼ばれた前田家加賀藩を初めとして、前田家の分家に当たる富山藩越前松平家福井藩牧野家長岡藩などが有名である。浄土真宗への帰依が深い北陸では堕胎・間引きを忌んだことなどから、人口増加率が高く、全国に移住者を出し続けた[5]

収穫された米を近畿へ運ぶための海上交通として多くの北前船が就航した。江戸時代の北陸道は「北国街道」と呼ばれ、善光寺参拝の道でもあった。

幕末

幕末になり、開国を迎えると、新潟が開港五港の一つとなって盛え始める。長岡藩など奥羽越列藩同盟に加わる藩が現れ、戊辰戦争では薩長軍と敵対したが、敗北した。

明治維新から太平洋戦争まで

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江戸幕府が崩壊し、明治政府中央集権国家を成立させると、廃藩置県で多くの県が成立した。

現在の新潟県には、新潟県下越地方)、相川県佐渡島)、柏崎県中越地方上越地方)が分立したが、1873年6月10日には新潟県に編入された。現在の北陸3県には、新川県(現富山県)や石川県足羽県嶺北)が分立したが、1876年8月21日には全て石川県に編入された。しかし、各地の分県運動の結果、1881年2月7日には石川県から嶺北福井県として分離され、1883年には石川県から旧新川県が富山県として分離された。嶺南は、1876年8月21日以後は滋賀県に編入されたが、1881年2月7日には滋賀県から分離されて福井県に編入された。

北海道開拓では、比較的人口が多く、さらに雪国の環境として適性のあった北陸出身者が多数移住し、実に全体の数の3割以上を占めた[6]

明治に入ると鉄道が建設され、東京を中心にした陸上交通網が整備されたため、江戸時代まで交通網の主役だった北前船は衰えた。このため、明治以後は陸上交通が中心の経済体制が築かれて行った。

太平洋戦争後

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昭和(戦後)

かつて北陸地方は国内でも有数の人口を持つ地方であり、1876年金沢市の人口は全国5位で横浜市広島市より多く[7]1945年時点でも新潟県の人口が全国7位だったが[8]太平洋ベルト地帯を中心とした国土軸から漏れた結果、過疎化が顕在化した。しかし、新潟県出身の田中角栄政権下で「太平洋ベルト地帯との格差の是正」が謳われ、上越新幹線北陸新幹線北陸自動車道等が計画され、北陸工業地域も形成された。特に新幹線の建設については角栄の政治力が関与したという見方も強い[9][10]。これ以後は、それまでの「農業地域」から、「農工折衷型の地域」に変わり、日本海側最大規模の工業地域を持つようになった。さらに田中政権は電源三法を制定、原発銀座の基礎を作った[11]

平成

北越急行ほくほく線北陸自動車道が全線開通、北陸新幹線金沢駅まで開通した。一方、全国平均より速いペースでの人口減が始まった[12]

令和

2024年(令和6年)1月1日、能登半島を震源とする令和6年能登半島地震が発生した。その影響で能登半島で大津波警報が発令されるなど、大きな被害があった。

文化・方言

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食文化

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佐渡や富山・石川など北陸西部は西日本(ブリ)文化圏の性質を持つ一方で、新潟県下越地方・中越地方は東日本(サケ)文化圏の性質が強い[13]

建築、住居

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能登や佐渡、富山、新潟県上中越沿岸部などで広く見られる、黒い釉薬の
 
雁木造
 
散居村

方言

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人口

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2024年国勢調査
都道府県名 順位 人口 割合
新潟県 15 2,107,490 1.74%
富山県 37 999,476 0.82%
石川県 33 1,101,105 0.89%
福井県 43 740,232 0.6%
合計 4,948,303 4.05%

主要都市

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北陸地方の主要都市を掲載する。

新潟市(766,259人)
金沢市(455,759人)、富山市(403,869人)、福井市(254,776人)
長岡市(255,833人)、上越市(179,294人)
  • その他、人口10万人以上の都市
高岡市(160,054人)、白山市(109,314人)、小松市(104,031人) 

都市圏

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順位 都市雇用圏 人口
16 富山都市圏 1066328
17 新潟都市圏 1060013
26 金沢都市圏 747780
32 福井都市圏 646813
54 長岡都市圏 356767
78 上越都市圏 230186
82 小松都市圏 222986
85 三条都市圏 215037
順位 都市雇用圏 人口
- 柏崎都市圏 91608
- 敦賀都市圏 76079
- 七尾都市圏 72896
- 村上都市圏 68274
- 十日町都市圏 64946
- 小浜都市圏 53252
- 糸魚川都市圏 44162

産業

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2007年度の北陸地方4県の県内総生産の合計は21兆6509億円である[14]。これはアラブ首長国連邦GDPにほぼ匹敵しており、世界で35位前後の「国」に相当する経済規模を有している[15]

農業

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豊富な解け水を利用したかんがい用水を整備し、海岸ラグーン(潟)を干拓した広大な土地は、日本の代表的な穀倉地帯となっていて、コシヒカリなどの稲作がさかんである。それに伴い日本酒醸造元も多く存在する。地域を象徴する「越(こし)」を冠する銘柄が目立つ。水産資源としてブリカニが水揚げされ、富山湾では定置網漁が盛な漁場として知られている。

工業

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金箔

石油輸入が本格化する以前は、水を利用した水力発電を開発した北陸地方が多くの電力を必要とする重工業に有利だった。水資源自体の価値と賃金の安さも相まって北陸工業地域として富山湾沿岸や上越市周辺を中心に発達した。現在でも北陸電力は全国でもトップクラスの安さで電力を供給している[16]。また豊富な水資源自体も工業、特に半導体産業等に有利となっている。金沢金箔鯖江眼鏡に代表されるような軽工業副業として発達した漆器織物、そして和紙などの伝統工芸も多い。

商業

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自家用乗用車の世帯当たり普及台数が非常に高い車社会である[12]

近年の減反政策モータリゼーションを反映してロードサイドショップなどの商業地の郊外への分散化が著しい。大規模な郊外型ショッピングセンターの進出は、関東地方に次ぐ規模となっている。[要出典]

マスコミ

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地上波テレビ局
放送エリア NHK総合
(NHK G)
日本テレビ系列
(NNN・NNS)
テレビ朝日系列
(ANN)
TBS系列
(JNN)
フジテレビ系列
(FNN・FNS)
新潟県 NHK新潟放送局
1
テレビ新潟放送網
(TeNY) 4
新潟テレビ21
(UX) 5
新潟放送
(BSN) 6
NST新潟総合テレビ
(NST) 8
富山県 NHK富山放送局
3
北日本放送
(KNB) 1
チューリップテレビ
(TUT) 6
富山テレビ放送
(BBT) 8
石川県 NHK金沢放送局
1
テレビ金沢
(KTK) 4
北陸朝日放送
(HAB) 5
北陸放送
(MRO) 6
石川テレビ放送
(ITC) 8
福井県 NHK福井放送局
1
福井放送
(FBC) 7
福井テレビジョン放送
(FTB) 8

新潟県、石川県には日本テレビテレビ朝日TBSフジテレビの通称「4大キー局」の各民放系列局がある。富山県は4大キー局のうちテレビ朝日系列の局がなく3局がある。福井県は4大キー局のうちテレビ朝日系列(厳密には日本テレビ系列メインのクロスネットとして存在)とTBS系列の局がなく2局がある。いずれの県にもテレビ東京系列のローカル局はない。北陸地方でこれら系列の放送を視聴するにはケーブルテレビ衛星放送などを利用する必要がある。一部の地域では他県の越境電波を利用でき、新潟県では関東地方の放送局を、富山県では石川県や新潟県の放送局を、福井県では石川県や近畿地方の放送局を受信できる場合がある。

電力

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電話

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  • 電話番号の市外局番(当記事では便宜上、市外局番に国内開放番号「0」を付して表示する)
    • 023番台 - 新潟県(村上市の一部)
    • 024番台 - 新潟県(魚沼市の一部)
    • 025番台 - 新潟県(村上市、魚沼市、妙高市のそれぞれ一部を除く)
    • 026番台 - 新潟県(妙高市の一部)、富山県(中新川郡の一部)
    • 076番台 - 富山県(中新川郡の一部を除く)、石川県、福井県(あわら市の一部)
    • 077番台 - 福井県(あわら市の一部を除く)

郵便

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  • 郵便番号の地域番号(上2桁)
    • 95 - 新潟県の北部
    • 94 - 新潟県の中部、西部(妙高市の一部を除く)
    • 38 - 新潟県(妙高市の一部)
    • 93 - 富山県、石川県(七尾市、宝達志水町のそれぞれ一部)
    • 92 - 石川県(七尾市、宝達志水町のそれぞれ一部を除く)、福井県(あわら市の一部)
    • 91 - 福井県(あわら市の一部を除く)

交通

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新潟港西港区
 
えちごトキめき鉄道妙高はねうまライン

交通史については北陸道の記事を参照。

鉄道・道路

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空港

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空港 旅客合計 国内線 国際線
旅客数 定期便 旅客数 定期便
小松 1143850人 ??人 新千歳仙台東京
成田福岡那覇
0人 ソウル上海台北・香港
富山 251509人 251509人 新千歳・東京 0人 台北・大連・上海
新潟 1056208人 1053214人 新千歳・成田・
中部名古屋大阪関西

・福岡・那覇
5万2994 ソウル・上海・ハルビン
台北・ウラジオストク・ハバロフスク
能登 111212人 111212人 東京 0人
佐渡 0人 0人 0人
福井 0人 0人 0人

都道府県間流動

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居住地:福井県
旅行先 万人/年
1 石川県 358.2
2 京都府 257.6
3 滋賀県 160.6
4 大阪府 55.7
5 東京都 54.2
6 愛知県 50.6
7 富山県 49.7
8 兵庫県 29.4
9 岐阜県 24.5
10 三重県 8.5
居住地:石川県
旅行先 万人/年
1 富山県 573.4
2 福井県 383.6
3 岐阜県 93.4
4 東京都 75.8
5 大阪府 58.6
6 京都府 51.7
7 愛知県 51.0
8 滋賀県 33.4
9 長野県 25.9
10 新潟県 20.6
居住地:富山県
旅行先 万人/年
1 石川県 701.0
2 長野県 190.5
3 岐阜県 166.1
4 新潟県 98.3
5 東京都 87.5
6 大阪府 56.4
7 愛知県 49.9
8 京都府 47.3
9 福井県 42.7
10 神奈川県 15.5
居住地:新潟県
旅行先 万人/年
1 東京都 319.0
2 長野県 251.9
3 福島県 146.7
4 群馬県 119.0
5 富山県 79.5
6 埼玉県 78.3
7 千葉県 62.2
8 神奈川県 47.7
9 石川県 30.2
10 山形県 26.5
居住地:福井県
旅行先 万人/年
1 石川県 479.8
2 滋賀県 265.0
3 京都府 205.4
4 大阪府 89.8
5 富山県 86.9
6 東京都 51.8
7 愛知県 50.3
8 岐阜県 40.5
9 兵庫県 20.9
10 三重県 12.5
居住地:石川県
旅行先 万人/年
1 富山県 724.8
2 福井県 328.5
3 東京都 113.4
4 愛知県 77.9
5 岐阜県 72.2
6 大阪府 60.9
7 京都府 43.4
8 新潟県 39.6
9 長野県 31.5
10 滋賀県 21.3
居住地:富山県
旅行先 万人/年
1 石川県 845.7
2 岐阜県 172.1
3 東京都 133.2
4 新潟県 87.4
5 長野県 69.2
6 福井県 58.9
7 愛知県 41.5
8 大阪府 32.2
9 京都府 24.6
10 千葉県 23.1
居住地:新潟県
旅行先 万人/年
1 長野県 407.8
2 東京都 343.1
3 福島県 190.7
4 群馬県 171.3
5 富山県 104.7
6 埼玉県 88.2
7 千葉県 78.2
8 神奈川県 73.0
9 栃木県 51.8
10 石川県 39.1

行政機関等の管轄

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ここでは北陸地方を管轄する主な官公庁の地方支分部局出先機関)を取り上げる。

総合通信局総務省
財務局財務省)・国税局国税庁
地方整備局国土交通省
地方運輸局(国土交通省)
経済産業局(経済産業省
  • 関東経済産業局:新潟県
  • 中部経済産業局:富山県・石川県(電気事業のみ福井県の東部を含む)
  • 近畿経済産業局:福井県(電気事業のみ東部を除く)
地方厚生局厚生労働省
地方農政局農林水産省
環境事務所(環境省
海上保安本部海上保安庁
管区警察局警察庁
森林管理局林野庁
高等裁判所高等検察庁
日本銀行支店
  • 新潟支店:新潟県
  • 金沢支店:富山県・石川県・福井県

北陸3県について

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北陸地方の各県の経済動向や人的動向、交通網をみると、東部の新潟県については関東甲信越信越地方と言うように関東地方長野県方面との結びつきが大きいのに対し、西部の3県(富山県・石川県・福井県)はこの3県での結びつきの他に近畿地方中京圏とのつながりが大きい。特に北陸本線特急サンダーバードによって直接アクセスが可能な京都大阪などの関西圏との結びつきが大きい。北陸新幹線の延伸開業以前は関西志向が強かったが、2015年北陸新幹線金沢駅延伸開業や2024年敦賀駅延伸開業によって関東からのアクセスが大幅に向上した。その一方で、大阪や名古屋方面からは、2024年の敦賀駅延伸開業以降は敦賀駅での特急列車から新幹線への乗り継ぎが必須となるなど、利便性が低下した部分もあり、北陸地方における関西の影響力は相対的に低下した。また、敦賀駅から新大阪駅までの延伸開業については先行きが見通せない状態にあり、北陸地方におけるさらなる関西離れが懸念されている。

3県は企業などの管轄では西日本または中日本のエリアに含まれることが多い(JR西日本NEXCO中日本NTT西日本北陸電力など)。新潟県上越地方(県南部)も西日本・中日本の一部として扱われることがあり、北陸新幹線の糸魚川駅大糸線末端区間はJR西日本の金沢支社であるほか、上越市には中部電力発電所がある。静岡県を含めて中日本として一体化している東海地方(静岡県・愛知県岐阜県三重県)とは異なり、新潟県の大部分は東日本として扱われている(JR東日本NEXCO東日本NTT東日本東北電力)。

上記のように現代において4県の一体性は必ずしも高くはない。そのためこの西部3県のみを指して「北陸3県」と称する例が見られる。富山県・石川県・福井県においては、単に北陸と言う場合、北陸3県を指すことも多く、「北陸初」や「北陸最大級」といった表現における北陸とはこの3県のみを指す例が多い[† 4][† 5][† 6]

以下では、この北陸3県(富山県・石川県・福井県)のつながりについて特筆する。

概要

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北陸3県では、県庁所在地である富山市金沢市福井市が、それぞれの県での中心都市となっている。富山は重工業を中心として経済力が発達しており、金沢は観光と商業が発達、福井は軽工業が発達している。市町村人口は46万人の金沢市が最大である[† 7]。全国から企業が進出し、北陸3県内で物販・サービスなどの業務を集約する場合は金沢市あるいは富山市に拠点を置く場合が多い。業種によっては他に拠点を置くこともあり、福井市には旭化成東レ飛島建設などが拠点を置いている。また、北陸3県の主要企業である北陸電力北陸銀行は富山市に本店を置いており、金沢市に一極集中しているわけではない。都市圏規模では、金沢都市圏より富山都市圏の方が大きい。

また北陸3県振興の試みとして、富山県・石川県・福井県と、各県での最有力紙である北日本新聞北國新聞福井新聞が共同で「ネクスト北陸キャンペーン実行委員会」を組織し、毎年3県全てでパネル討論会などを行っている。同様に北陸3県と北陸経済連合会北陸電力が北陸イメージアップ推進会議を設立し、対外的な北陸のイメージアップの調査・実践を試みている。

メディア

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富山県・石川県・福井県でそれぞれテレビ、新聞、雑誌などのメディアが分かれていて、北陸3県全体を対象にする媒体はあまり多くないものの、様々な形態で番組の共同制作や企画ネットが行われている。

新聞

全国紙は地理的な関係で多くは大阪本社製作のものが配送されているが、読売新聞のみ東京本社(実際の発行所は北陸支社高岡市 福井県は大阪本社管轄)の分が使われている。また朝日新聞1989年9月から2011年3月までは富山県に限り東京本社(実際の印刷は名古屋本社が担当)の管轄だったが、2011年4月より大阪本社管轄に変更となった。

ラジオ局・地上波テレビ局

北陸3県を対象とする番組および番組内の企画として以下のようなものがある。

この他、フジネットワーク(FNS)加盟の北陸3県の3局(富山テレビ石川テレビ福井テレビ)が共同制作する番組も不定期に放送されている。

情報誌

北陸3県をエリアとする雑誌として『自然人』(橋本確文堂)が2017年12月まで年4回発行されていた。No.55で休刊。

金融機関

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北陸3県全地域共通の銀行サービスは、長い間北陸銀行(富山県富山市)のみであったが、2005年9月26日に、富山第一銀行北國銀行(石川県金沢市)、福井銀行が、3行間でのATMCD利用手数料無料提携及び3行とのビジネスマッチング、ビジネスセミナー[19]などを行う業務提携FITネットを開始した[20]。2007年10月には、FITネットが時間外、休日を含め完全無料化することに対抗し、2007年5月22日に福邦銀行と北陸銀行は、同10月を目処にATMの相互無料開放をすると発表した[21][22]

北陸銀行は2003年5月30日、北陸3県に本社を置くまたは進出する企業の株式投資をする金融商品、北陸3県応援ファンドを開始した[23]。これに対し福井銀行、北國銀行、富山第一銀行は、FITネット・三県応援ファンドの募集を2005年11月15日から開始した[24]。FITネット・三県応援ファンドは、80%がソブリン債など、20%が北陸3県に本社を置くまたは、進出などで雇用を創出している企業に投資される[25]

電力

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北陸3県は発電所の建設に適した立地に恵まれ発電所が多く存在している。その内、関西電力黒部川庄川を中心に北陸3県では25か所の水力発電所(富山県24・福井県1[† 9])と、福井県の若狭地方にある美浜高浜大飯の各原子力発電所を運営している。

若狭地方は、上記の関西電力の3つの原子力発電所の他、敦賀市に日本原子力発電敦賀発電所や、日本原子力研究開発機構の有する高速増殖炉もんじゅ新型転換炉ふげん(現在は運転終了・廃炉作業中)などがあるため、別名「原発銀座」とも言われている。また、北陸電力(富山県富山市)も石川県に志賀原子力発電所を運営している。

この他、日本で唯一市営の発電事業を行う金沢市企業局犀川水系で、電源開発手取川九頭竜川水系で水力発電を行っている。

北陸電力の電気料金は日本でもトップクラスの安さで(電力小売り自由化以前は、最安値[16])、アルミ産業をはじめとする製造業が北陸に拠点を置く理由となっている。一般家庭の電気消費量も高く、富山が全国1位となっている。さらに余剰電力を隣接する関西電力と中部電力愛知県名古屋市)に売却している。

雇用

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有効求人倍率・女性就業率が高く、通勤時間が短い傾向にある[26][27][28]

経済団体

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宗教

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一向一揆の拠点であった北陸3県では浄土真宗浄土宗系への信仰心が際立って高く[29]、「真宗王国」とも呼ばれる[30]

かつて全国有数の人口があった理由として、信仰熱心な影響で北陸3県・新潟では間引きが少なかったことが挙げられる[31]

政党

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いわゆる「保守王国」で3県とも自由民主党が非常に強い。

年齢構成

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年齢5歳階級別人口
2004年10月1日現在推計人口
総計 [単位 千人]

年齢 人口
0〜4歳     144
5〜9      149
10〜14      149
15〜19       168
20〜24       169
25〜29       208
30〜34      221
35〜39     189
40〜44        185
45〜49      192
50〜54     247
55〜59   234
60〜64      200
65〜69        181
70〜74       174
75〜79     142
80歳以上      172

年齢5歳階級別人口
2003年10月1日現在推計人口
男女別 [単位 千人]

年齢
74    0〜4歳   70
76     5〜9    73
77    10〜14   72
86     15〜19    82
89     20〜24     80
107      25〜29     101
112      30〜34      109
94    35〜39    95
92      40〜44      93
95    45〜49     97
122     50〜54    125
116       55〜59   118
97     60〜64      103
83    65〜69      98
78    70〜74     96
59     75〜79    83
54     80歳以上   118

脚注

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注釈

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  1. ^ a b 統計日は、新潟県が2024年10月1日、富山県が2024年10月1日、石川県が2024年10月1日、福井県が2024年10月1日。
  2. ^ 実際の管轄範囲は、地方支分部局#地方支分部局の一覧に記載されている各地方支分部局のリンク先を参照。
  3. ^ 2024年1月14日時点
  4. ^ 新潟県には日本三大花火大会長岡まつりがあるが、石川県川北町川北まつりでは打ち上げ花火10,000発程度の時代(2004年まで 川北まつり資料参照)からすでに「北陸最大級」の表現を使用している。
  5. ^ 新潟県のアルビレックス新潟Jリーグに参加しているにもかかわらず、北陸3県で初めてのJリーグクラブとなったカターレ富山は、Jリーグ公式サイトや地元紙の北日本新聞で「北陸初」と言及されている(新規入会クラブ紹介:2009シーズン Jリーグ公式サイト 2009年作成 2009年7月18日閲覧)(Jに挑む カターレ富山の戦士(特集:富山) 北日本新聞社 2008年作成 2009年7月18日閲覧 2008年6月10日時点のアーカイブ)。
  6. ^ 同様に北陸3県で初めてのプロスポーツチームとなった富山グラウジーズは、bjリーグ公式サイトなどで「北陸初」と言及されている。
  7. ^ ただし、都市雇用圏の比較では、金沢都市圏より富山都市圏(高岡市等を含む)の方が人口・経済規模ともに大きい。
  8. ^ 北陸地方にあるNHKの各放送局では、各地域のローカルニュースを融通し合っており、朝や夕方の時間帯の番組で近県のニュースを伝えている。
  9. ^ 九頭竜川水系の市荒川発電所(福井県吉田郡永平寺町

出典

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  1. ^ a b 『日本地名大百科』、小学館、1996年、p.1041 ISBN 4-09-523101-7
  2. ^ 北陸4県のデジタル標高地形図 | 国土地理院”. www.gsi.go.jp. 2024年3月17日閲覧。
  3. ^ 新潟県を含む北陸地方「梅雨入り」平年通り(十日町タウン情報)
  4. ^ 石川県立図書館 (2015年12月1日). “北陸4県という言い方はおかしいのではないか。”. レファレンス協同データベース. 国立国会図書館. 2023年10月2日閲覧。
  5. ^ 中川正「関東における北陸人集落の繁栄」『とやま経済月報』平成14年3月号
  6. ^ 明治25年至同29年府県別北海道移住者人員 この4年間で35% 道庁殖民部拓殖課『明治29年来住戸口表』[リンク切れ]
  7. ^ 山陰中央新報社|第1部 格差の象徴 (1)プロローグ 山陰中央新報社[リンク切れ]
  8. ^ 都道府県の人口一覧
  9. ^ 北陸新幹線、いくらかかった? 知っておきたい「そもそも」のこと ハフポスト
  10. ^ 山陰中央新報社|第1部 格差の象徴 (2)絵に描いた餅 山陰中央新報社[リンク切れ]
  11. ^ 住友陽文戦後日本政治史のなかの原発問題
  12. ^ a b 北陸圏の現状と課題 国土交通省北陸地方整備局
  13. ^ 本間伸夫、新宮璋一、石原和夫、佐藤恵美子「東西食文化の日本海側の接点に関する研究(III) : 年取り魚と昆布巻」『県立新潟女子短期大学研究紀要』第27巻、1990年3月、75-82頁。 
  14. ^ 平成19年度県民経済計算
  15. ^ World Economic Outlook Database
  16. ^ a b 電気料金(一般電気事業者間比較) (PDF) [リンク切れ] 電気事業便覧
  17. ^ 都道府県間流動表 居住地-旅行先 【交通機関別流動表】 全交通機関、年間データ利用
  18. ^ 都道府県間流動表 居住地-旅行先 利用交通機関別 全交通機関、年間データ利用
  19. ^ 「FITネットビジネスセミナー」の三行共同開催について 福井銀行 2007年2月20日(2007年9月28日時点のアーカイブ
  20. ^ 富山第一銀行・北國銀行・福井銀行の「FITネット」業務提携の締結について 北國銀行 2005年9月26日(2005年11月27日時点のアーカイブ
  21. ^ 福邦銀行発表 2007年5月22日。閲覧:2007年8月9日(2007年8月20日時点のアーカイブ
  22. ^ 福邦銀行(福井)とATM提携 北銀・10月めど相互無料化 北日本新聞 2007年5月23日付(2007年7月5日時点のアーカイブ
  23. ^ 「「北陸3県応援ファンド」の窓口販売開始について」北陸銀行 2003年5月16日
  24. ^ 福井銀行の現況 2010.3” (pdf). 福井銀行. p. 4. 2014年1月25日閲覧。[リンク切れ]
  25. ^ 投資家の皆様へ FITネット・三県応援ファンド(毎月分配型)” (pdf). 大和投資信託. 2014年1月26日閲覧。
  26. ^ 厚生労働省:都道府県別有効求人倍率の推移[季調値](含パート)」、厚生労働省、2005年
  27. ^ 平成16年版 働く女性の実情」、厚生労働省、2005年
  28. ^ 「平成15年住宅・土地統計調査」、総務省統計局、2004年
  29. ^ 図録▽都道府県民の信仰(都道府県宗教マップ) 社会実情データ図録
  30. ^ 【石川】真宗王国「御影」が礎 教如、北陸に大量授与:北陸中日新聞Web
  31. ^ なぜ新潟や石川が「人口日本一」だったのか? 都道府県の人口推移から見る、日本近代化の歴史(2/4) | ねとらぼ調査隊:2ページ目

関連項目

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座標: 北緯37度54分58秒 東経139度02分11秒 / 北緯37.91611度 東経139.03639度 / 37.91611; 139.03639