出水郡

鹿児島県(薩摩国)の郡

出水郡(いずみぐん)は、鹿児島県薩摩国)の

鹿児島県出水郡の位置(緑:長島町)

人口8,876人、面積116.19km²、人口密度76.4人/km²。(2024年12月1日、推計人口

以下の1町を含む。

郡域

1879年明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記1町に阿久根市出水市の全域を加えた区域にあたる。

歴史

古代

式内社

延喜式神名帳に記される郡内の式内社

神名帳 比定社 集成
社名 読み 付記 社名 所在地 備考
出水郡 1座(小)
加紫久利神社 カシクリノ 加紫久利神社 鹿児島県出水市下鯖町 薩摩国二宮
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近世以降の沿革

  • 天正9年(1581年) - 長島獅子島諸浦島伊唐島が本郡に移管。
  • 明治初年時点では全域が薩摩鹿児島藩領であった。「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での村は以下の通り[1]。(38村)
    • 長島郷 - 山門野村、川床村、鷹巣村、諸浦村、浦底村、平尾村、下山門野村、蔵之元村、指江村、城川内村、獅子島村(現・長島町)
    • 阿久根郷 - 赤瀬川村、大川村、波留村、西目村、多田村、鶴川内村、山下村、折口村(現・阿久根市)
    • 野田郷 - 上名村、下名村(現・出水市)
    • 高尾野郷 - 下高尾野村、唐笠木村、柴引村、下水流村、上水流村、大久保村(現・出水市)
    • 出水郷 - 西目村(現・阿久根市)、下鯖淵村、上大川内村、荘村、六月田村、武本村、下大川内村、下知識村、上鯖淵村、江内村、上知識村(現・出水市)
  • 明治4年7月14日1871年8月29日) - 廃藩置県により鹿児島県の管轄となる。
  • 明治12年(1879年2月17日 - 郡区町村編制法の鹿児島県での施行により、行政区画としての出水郡が発足。「阿久根郡役所」が波留村に設置され、高城郡とともに管轄。
  • 明治14年(1881年
    • 7月28日 - 薩摩郡・高城郡・伊佐郡甑島郡とともに「隈之城郡役所」の管轄となる。
    • 西目���(出水郷)が改称して脇本村となる。
  • 明治20年(1887年5月9日 - 「出水郡役所」の管轄となる。

町村制以降の沿革

 
1.上出水村 2.野田村 3.高尾野村 4.阿久根村 5.下出水村 6.中出水村 7.東長島村 8.西長島村(紫:阿久根市 桃:出水市 赤:長島町)
  • 明治22年(1889年4月1日 - 町村制の施行により、各郷に上出水村[出水郷のうち武本村・上鯖淵村・上大川内村・下大川内村・上知識村]、野田村高尾野村阿久根村中出水村[出水郷のうち下知識村・六月田村・下鯖淵村・荘村]、下出水村[出水郷のうち脇本村・江内村]、東長島村[長島郷のうち鷹巣村・川床村・浦底村・諸浦村・獅子島村・山門野村]、西長島村[長島郷のうち平尾村・蔵之元村・城川内村・指江村・下山門野村]が発足。郡役所所在地が上出水村となる[注釈 1]。(8村)
  • 明治31年(1897年)4月1日 - 郡制を施行。
  • 明治24年(1891年)8月8日 - 上出水村が分割し、一部(上大川内・下大川内)の区域に大川内村、残部の区域に改めて上出水村がそれぞれ発足。[2](9村)
  • 大正6年(1917年)4月1日 - 上出水村が町制施行・改称して出水町となる。(1町8村)
  • 大正12年(1923年
    • 4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
    • 7月1日 - 中出水村が町制施行・改称して米之津町となる。(2町7村)
  • 大正12年(1924年)4月1日 - 下出水村が改称して三笠村となる。
  • 大正14年(1925年1月1日 - 阿久根村が町制施行して阿久根町となる。(3町6村)
  • 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和7年(1932年)1月1日 - 高尾野村が町制施行して高尾野町となる。(4町5村)
  • 昭和24年(1949年)4月1日 - 三笠村の一部(江内)が分立して江内村が発足。(4町6村)
  • 昭和27年(1952年)4月1日 - 阿久根町が市制施行して阿久根市となり、郡より離脱。(3町6村)
  • 昭和28年(1953年5月3日 - 三笠村が町制施行して三笠町となる。(4町5村)
  • 昭和29年(1954年
    • 4月1日 - 出水町・米之津町が合併して出水市が発足し、郡より離脱。(2町5村)
    • 10月9日 - 大川内村が出水市に編入。(2町4村)
  • 昭和30年(1955年4月10日 - 三笠町が阿久根市に編入。(2町4村)
  • 昭和31年(1956年7月10日 - 東長島村が町制施行・改称して東町となる。(2町3村)
  • 昭和34年(1959年)4月1日 - 高尾野町・江内村が合併し、改めて高尾野町が発足。(2町2村)
  • 昭和35年(1960年)1月1日 - 西長島村が町制施行・改称して長島町となる。(3町1村)
  • 昭和50年(1975年)4月1日 - 野田村が町制施行して野田町となる。(4町)
  • 平成18年(2006年
    • 3月13日 - 野田町・高尾野町が出水市と合併し、改めて出水市が発足、郡より離脱。(2町)
    • 3月20日 - 東町・長島町が合併し、改めて長島町が発足。(1町)

変遷表

自治体の変遷
明治22年4月1日 明治22年 - 明治45年 大正元年 - 大正15年 昭和元年 - 昭和29年 昭和30年 - 昭和63年 平成元年 - 現在 現在
阿久根村 阿久根村 大正14年1月1日
町制 阿久根町
昭和27年4月1日
市制 阿久根市
阿久根市 阿久根市 阿久根市
下出水村 下出水村 大正13年4月1日
改称 三笠村
昭和28年5月3日
町制 三笠町
昭和30年4月10日
阿久根市に編入
昭和24年4月1日
分立 江内村
昭和34年4月1日
高尾野町
平成18年3月13日
出水市
出水市
高尾野村 高尾野村 高尾野村 昭和7年4月1日
町制 高尾野町
上出水村 明治24年8月8日
分割 大川内村
大川内村 昭和29年10月9日
出水市に編入
出水市
明治24年8月8日
分割 上出水村
大正6年4月1日
町制 出水町
昭和29年4月1日
出水市
中出水村 中出水村 大正12年7月1日
町制 米ノ津町
野田村 野田村 野田村 野田村 昭和50年4月1日
町制 野田町
東長島村 東長島村 東長島村 東長島村 昭和31年7月10日
町制 東町
平成18年3月20日
長島町
長島町
西長島村 西長島村 西長島村 西長島村 昭和35年1月1日
町制 長島町

行政

歴代郡長

出典[3]

氏名 就任年月日 退任年月日 備考
1 伊藤祐徳 明治20年(1887年)4月29日 明治26年(1893年)2月13日 2月13日に非職
同年8月20日依願免官
2 田野熾 明治26年(1893年)2月13日 明治30年(1897年)3月31日 3月31日に非職
同年10月20日依願免官
3 倉田藤太 明治30年(1897年)4月1日 明治35年(1902年)2月24日 郡制施行。鹿児島県属より初任
囎唹郡長に転任
4 肝付忠一 明治35年(1902年)2月24日 明治40年(1907年)7月22日 熊本県下益城郡長から転任
伊佐郡長に転任
5 甲斐田毅 明治40年(1907年)7月22日 明治41年(1908年)12月11日 川辺郡長から転任
肝属郡長に転任
6 肝付勇吉 明治41年(1908年)12月11日 明治43年(1910年)12月23日 鹿児島県属から初任
姶良郡長に転任
7 伊集院與助 明治43年(1910年)12月23日 大正5年(1916年)5月24日 鹿児島県警視から初任
肝属郡長に転任
8 田畑鉄平 大正5年(1916年)5月24日 大正9年(1920年)6月8日 鹿児島県警視から初任
薩摩郡長に転任
9 安藤狂四郎 大正9年(1920年)6月8日 大正11年(1922年)6月9日 内務属から初任
栃木県理事官に転任
10 濱田壽一 大正11年(1922年)7月12日 大正12年(1923年)2月19日 福島県属から初任
鹿児島郡長に転任
11 平山喜一 大正12年(1923年)2月19日 大正15年(1926年)6月30日 鹿児島県視学から初任
郡役所廃止により廃官

脚注

  1. ^ 郷については「角川日本地名大辞典」による。
  2. ^ 鹿児島県告示第115号 https://dl.ndl.go.jp/pid/1087308/1/357
  3. ^ 出水郡役所『鹿児島県出水郡誌』1923年12月10日、49頁。 

参考文献

  • 「角川日本地名大辞典」編纂委員会 編『角川日本地名大辞典』 46 鹿児島県、角川書店、1983年3月1日。ISBN 404001460X 
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連文献

脚注

注釈

  1. ^ 出水郡役所を出水郡出水町(常時出水郷武本村)に置き『出水郡誌』7頁

出典

外部リンク