二子玉川ライズ
二子玉川ライズ(ふたこたまがわライズ)は、東京都世田谷区玉川(二子玉川)に所在する東急グループの複合施設である。
二子玉川ライズ | |
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二子玉川ライズタワー&レジデンス | |
情報 | |
用途 | 店舗、事務所、住宅、ホテル、シネマコンプレックス、フィットネスクラブ、駐車場、スタジオ・ホール[1] |
設計者 |
RIA(第1・2期事業計画) RIA・東急設計コンサルタント・日本設計JV(第1・2期設計監理) コンラン&パートナーズ(第2期デザイン監修)[1] |
施工 |
大成建設、東急建設(第1期) 鹿島建設(第2期)[1] |
建築主 |
二子玉川東地区市街地再開発組合(第1期) 二子玉川東第二地区市街地再開発組合(第2期) (参加組合員 東京急行電鉄 (現:東急(株)))[1][2] |
管理運営 | 東急 |
状態 | 完成 |
着工 | 2007年4月[3] |
竣工 | 2015年6月(全体竣工)[1] |
所在地 | 東京都世田谷区玉川 |
二子玉川ライズ FUTAKOTAMAGAWA RISE | |
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ライズ・ショッピングセンターと二子玉川駅 | |
地図 | |
店舗概要 | |
所在地 |
〒158-0094 東京都世田谷区玉川2-21-1 |
座標 | 北緯35度36分44.1秒 東経139度37分42.1秒 / 北緯35.612250度 東経139.628361度座標: 北緯35度36分44.1秒 東経139度37分42.1秒 / 北緯35.612250度 東経139.628361度 |
開業日 | 2011年3月17日 |
施設所有者 | 東急 |
施設管理者 | 東急 |
敷地面積 | 34,700 m² |
中核店舗 | 二子玉川ライズショッピングセンター(東急モールズデベロップメント運営) |
店舗数 | 157 |
駐車台数 | 800台 |
前身 | 二子玉川タイムスパーク |
最寄駅 | 東急田園都市線、大井町線 二子玉川駅 |
最寄IC |
東名高速東京I.C. 首都高3号渋谷線用賀I.C. 第三京浜玉川I.C. |
外部リンク | 二子玉川ライズホームページ |
東急 |
再開発で生まれた街で、再開発組合の施行で約11.2haの開発事業地にショッピングセンター、オフィスビル、バスターミナル、タワーマンションなど集合住宅のほか、それに連続し世田谷区によって約6.3haの二子玉川公園も整備された。
概要
編集1969年に二子玉川駅西口に髙島屋が出店し玉川高島屋S・Cが誕生すると、その影響から東口側は活気が失われていった。そこで活気を取り戻そうと1982年6月、二子玉川東地区で「再開発を考える会」が発足する[4]。考える会は都市再開発に実績のあったRIAに声を掛け、世田谷区とも調整を図りながら、多摩川と武蔵野台地が削り取られてできた河岸段丘が広がる立地ならではの眺望を活かそうと[5]、事業全体の開発コンセプトを「都市から自然へ」に定め計画を練り上げた。
当初の計画ではオフィスと商業施設だけを建設する予定だった。これは二子玉川が東急田園都市線で渋谷まで15分という好立地にあり、事業として成り立つという判断からだった[6]。しかし1991年に施設計画原案が完成した頃にバブル景気が崩壊し、オフィス・商業施設案は暗礁に乗り上げた。このため準備組合とRIAを中心に計画の見直しを進め、バブル崩壊後もオフィス需要と比べ住宅地としての二子玉川の人気は衰えが少なかったことを踏まえ、Ⅲ街区に1000戸程度の分譲住宅を設けることで関係者が合意に達した[6]。
二子玉川ライズは、二子玉川園の閉鎖後に暫定設置された二子玉川タイムスパーク跡地などに整備されたもので、東西に大きく3つの街区があり、中央の街区を第2期に回し開発が着手され、2010年にⅢ街区の住宅ゾーンが完成。翌年春に駅近くの商業施設がオープンして第1期が完成し[2]、3月19日に街開きした[注 1]。それから4年後の2015年、Ⅱ-a街区に5階建ての低層棟と30階建ての高層棟が完成し、検討開始から33年を経て全体が完成を迎えた。事業地は西端の駅周辺から二子玉川公園や多摩川まで「リボンストリート」と呼ぶ1本の歩道が貫かれている[1]。
事業を2期に分けて行った理由は、事業の長期化から途中で亡くなった地権者も少なくなかったため、地権者の負担を少しでも軽くしようと、住宅や商業施設を先に完成させる方法を採ったからである[2]。これによって地権者は第1期で完成した住宅に早期に移り住むことができた[1]。
総事業費は、第1期が1029億1700万円、第2期が411億3940万円だった[1]。
外部認証として、二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業において、JHEP認証制度の最高ランク (AAA)を受けている[8]。
歴史
編集街区の概要
編集Ⅰ-a街区
編集- 二子玉川ライズ・ドッグウッドプラザ
- レストランや物販店舗が入る8フロアの商業施設[5]。
- 1987年に開業し、2007年に再開発に伴い閉鎖された商業施設「Dogwood Plaza」をリニューアルする形でオープンしたもの[12][13]。過去の施設には中庭にオープンテラスがあり、商業施設で購入した飲食物を食べることができた[12]。「ドッグウッド」はハナミズキの英名で、二子玉川周辺の国道246号線沿いにハナミズキが植えられ、別名「花みずき通り」とも呼ばれることから命名された[12]。
Ⅰ-b街区
編集多摩川側から、オフィス棟の二子玉川ライズ・オフィス、ガレリア、商業施設の二子玉川ライズ・ショッピングセンターおよび二子玉川ライズ・オークモールがある[5]。
Ⅱ-a街区
編集商業施設の入る低層棟とオフィスとホテルが入る高層棟の2棟が位置する。
低層棟
編集2階にリボンストリートとつながる中央広場を置き[14]、3・4・5階レベルにビオトープや菜園が3ヵ所に配置されている[15]。カルチュア・コンビニエンス・クラブ運営の家電店『蔦屋家電』、iTSCOM STUDIO & HALL (多目的ホール)、109シネマズ二子玉川等がある[16][17][18][19]。
高層棟
編集- 楽天クリムゾンハウス
- 楽天が2015年6月22日より同社の本社機能を順次、品川シーサイドフォレストノースタワーから移転し[20][21][注 2]、9月下旬に一部の関係会社を除き概ね移転を完了した。東急が楽天に誘致を働きかけ、楽天は高層棟2階から27階のオフィスゾーンに本社を移した。その効果は絶大で、二子玉川駅の1日の乗降人員は17年度に約16万人と、誘致前の14年度から26%増えたという[1][22]。
- 二子玉川エクセルホテル東急
- 2015年7月17日開業[2]。高層棟28階から30階に入り、客室数は106室。
Ⅱ-b街区
編集- 二子玉川ライズ・バーズモール
- 再開発以前にこの地域で商売を営んでいた地権者を中心とする店舗と住宅が入る[5]。
Ⅲ街区
編集- 二子玉川ライズ・タワー&レジデンス
- 二子玉川東地区市街地再開発組合、東京急行電鉄、東急不動産が開発。総戸数1038戸で3棟のタワー棟、2棟のレジデンス棟からなる。RC造(一部S造)。施工は大成建設[23]。2011年度グッドデザイン賞受賞[24]。
- 二子玉川ライズ・プラザモール
公園
編集- 再開発前の二子玉川ライズの敷地は、半分近くが都市計画公園区域にかかっており、そのまま再開発しても事業性を確保することが難しかった。そこで世田谷区は1989年に都市計画を変更。公園の区域を駅から遠い東側に移動させ、Ⅲ街区に隣接して約6.3haの二子玉川公園を整備し、区が管理している[25]。
バスターミナル
編集- 二子玉川ライズ・楽天クリムゾンハウスバスターミナル
ギャラリー
編集-
二子玉川ライズ S.C. テラスマーケット
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二子玉川ライズ
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3階菜園広場
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4階めだかの池
-
4階109シネマズ二子玉川
脚注
編集注釈
編集出典
編集- ^ a b c d e f g h i 『日経アーキテクチュア』2015年8月10日号 p.81
- ^ a b c d 『日経アーキテクチュア』2015年8月10日号 p.78
- ^ 『日経アーキテクチュア』2011年4月10日号 p.59
- ^ 『日経アーキテクチュア』2011年4月10日号 p.59 - 60
- ^ a b c d 『日経アーキテクチュア』2011年4月10日号 p.58
- ^ a b 『日経アーキテクチュア』2011年4月10日号 p.60
- ^ “二子玉川ライズ・ショッピングセンターも開業延期へ”. 二子玉川経済新聞 (みんなの経済新聞ネットワーク). (2011年3月15日) 2015年12月18日閲覧。
- ^ “JHEP認証シリーズ 事例紹介 二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業”. 公益財団法人日本生態系協会. 2020年2月8日閲覧。
- ^ a b c “歴史 二子玉川ライズとは”. 二子玉川ライズ. 2020年2月10日閲覧。
- ^ “二子玉川東地区・二子玉川東第二地区第一種市街地再開発事業 各街区のご案内”. 2016年12月27日閲覧。
- ^ 『「二子玉川ライズ・ショッピングセンター・テラスマーケット」開業日決定!』(プレスリリース)東急電鉄、2015年3月5日 。2015年12月18日閲覧。
- ^ a b c Dogwood Plazaが戻ってきます 二子玉川駅直結、成熟したライフスタイルの街をより豊かにする42の専門店「Dogwood Plaza/ドッグウッドプラザ」2011年3月17日(木)開業 二子玉川ライズ・ドッグウッドプラザ公式サイト、2011年2月2日、2020年2月17日閲覧。
- ^ 坂木司のハナミズキサンポ「あの広場」 二子玉川ライズ・ドッグウッドプラザ公式サイト、2017年4月、2020年2月17日閲覧。
- ^ 『日経アーキテクチュア』2015年8月10日号 p.79
- ^ 『日経アーキテクチュア』2015年8月10日号 p.83
- ^ “『109シネマズ二子玉川』2015年4月24日(金)グランドオープン”. 東急レクリエーション. 2016年12月27日閲覧。
- ^ “二子玉川ライズ(第2期事業)に情報・文化・エンターテインメント・地域活動を発信する放送スタジオ・多目的ホール「iTSCOM studio hall 二子玉川ライズ」を整備”. イッツ・コミュニケーションズ株式会社. 2016年12月27日閲覧。
- ^ “ライフスタイルを提案する「蔦屋家電」、二子玉川にオープン -”. 家電 Watch (株式会社インプレス). (2015年5月1日) 2015年12月18日閲覧。
- ^ “第2期計画内容”. 二子玉川東第二地区市街地再開発組合. 2020年2月8日閲覧。
- ^ “本社移転のお知らせ”. 楽天株式会社 (2014年8月21日). 2016年12月27日閲覧。
- ^ “2015年夏、楽天株式会社の本社機能が、二子玉川ライズ・第2期事業のオフィス棟に移転”. 東京急行電鉄株式会社、東急不動産株式会社 (2014年8月21日). 2016年12月27日閲覧。
- ^ “TOKYO大変身 老いる東急沿線(中)100年越しの田園都市構想「働ける郊外」沿線活性化”. 日本経済新聞. (2019年2月6日) 2020年2月8日閲覧。
- ^ 『日経アーキテクチュア』2011年4月10日号 p.61
- ^ “集合住宅 二子玉川ライズ タワー&レジデンス”. 公益財団法人日本デザイン振興会. 2020年2月8日閲覧。
- ^ 『日経アーキテクチュア』2015年8月10日号 p.82
- ^ 二子玉川ライズ・楽天クリムゾンハウスのりば案内
関連項目
編集- 二子玉川#東地区再開発 - 当地区の再開発の歴史
- 二子玉川駅#駅周辺
- 二子玉川園 - かつてこの地にあった東急グループの遊園地
- 二子玉川タイムスパーク - 二子玉川園跡地に暫定設置された施設
- 玉川 (世田谷区)
- ハナミズキ (曲) - ドッグウッドプラザの前身Dogwood Plazaから名付けられたという。
外部リンク
編集- 二子玉川ライズ
- 二子玉川ライズ・ショッピングセンター (@futakorisesc) - X(旧Twitter)
- 二子玉川ライズ・ショッピングセンター (sc.rise.sc) - Facebook
- 二子玉川ライズ・ショッピングセンター (@rise_shopping_center) - Instagram
- 二子玉川 エクセルホテル東急
- 109シネマズ二子玉川
- 二子玉川ライズ - いこーよ