ヴォン・ヴィレブランド病
フォン・ウィルブランド病(Von Willebrand disease、略称vWD)は、出血傾向の異常を主徴とする疾患のこと[1]
[2][3]。
ヴォン・ヴィレブランド病 | |
---|---|
概要 | |
診療科 | 血液学 |
分類および外部参照情報 | |
ICD-10 | D68.0 |
ICD-9-CM | 286.4 |
OMIM | 193400 |
DiseasesDB | 14007 |
MedlinePlus | 000544 |
eMedicine | ped/2419 |
MeSH | D014842 |
GeneReviews |
概要
編集フォン・ウィルブランド因子(VWF)の遺伝的欠損症で血小板の機能異常をおこす[2]。通常は常染色体優性遺伝だが常染色体劣性遺伝例もみられる[1]。症状は紫斑、鼻出血、歯肉出血、粘膜出血などの表在性の出血、また血便、消化管出血、性器過剰出血もみられる[1]。VWFの量的欠損の1型と質的異常の2型[2]、完全にVWFが生成されない3型に分けられる[3]。1型の患者が最も多く[2]、3型の患者はもっとも重症例となる[3]。
状態 | プロトロンビン時間 | 活性化部分トロンボプラスチン時間 | 出血時間 | 血小板数 |
---|---|---|---|---|
ビタミンK欠乏 or ワルファリン | 延長 | 変化なし または やや延長 | 変化なし | 変化なし |
播種性血管内凝固症候群 | 延長 | 延長 | 延長 | 減少 |
ヴォン・ヴィレブランド病 | 変化なし | 延長 or 変化なし | 延長 | 変化なし |
血友病 | 変化なし | 延長 | 変化なし | 変化なし |
アスピリン | 変化なし | 変化なし | 延長 | 変化なし |
血小板減少症 | 変化なし | 変化なし | 延長 | 減少 |
急性肝不全 | 延長 | 変化なし | 変化なし | 変化なし |
末期肝不全 | 延長 | 延長 | 延長 | 減少 |
尿毒症 | 変化なし | 変化なし | 延長 | 変化なし |
無フィブリノーゲン血症 | 延長 | 延長 | 延長 | 変化なし |
第V因子欠乏 | 延長 | 延長 | 変化なし | 変化なし |
第X因子欠乏 | 延長 | 延長 | 変化なし | 変化なし |
血小板無力症 | 変化なし | 変化なし | 延長 | 変化なし |
ベルナール・スリエ症候群 | 変化なし | 変化なし | 延長 | 減少 または 変化なし |
第XII因子欠乏 | 変化なし | 延長 | 変化なし | 変化なし |
遺伝性血管浮腫 | 変化なし | 短縮 | 変化なし | 変化なし |
診断
編集軽度のフォン・ウィルブランド病の場合は一時的なVWFの濃度上昇があり、偽陰性をおこす場合があるため検査を繰り返す必要がある[2]。確定診断は全血漿VWV因子抗原の測定などをおこなう[2]。
治療
編集治療はVWFの補充療法をおこなう[2]。
脚注
編集関連項目
編集- フォン・ウィルブランド因子
- ベルナール・スリエ症候群...フォン・ウィルブランド因子受容体であるGPIbまたはGP9の異常による疾患群
- 出血傾向