パストレイン
パストレイン (Port Authority Trans-Hudson, PATH) は、アメリカ合衆国のニューヨーク州ニューヨーク市とニュージャージー州ニューアーク市を結ぶ鉄道。正式名称 The Port Authority Trans-Hudson Corporation(港湾公社ハドソン川横断公社)の頭文字をとって PATH と呼ばれている (なお英語で "path" は「軌道」の意)。路線の全長は 22.2 km で、ニューヨーク・ニュージャージー港湾公社 (The Port Authority of New York and New Jersey) が運営している。
パストレイン ( Port Authority Trans-Hudson ) | |
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PATH Kawasaki 5602c | |
基本情報 | |
運行範囲 |
Newark/Hudson County,New Jersey and Manhattan, New York |
種類 | 地下鉄 |
開業 |
1908年2月25日 (H&M Railroad が開業) 1962年9月1日 (PATH が開業) |
運営者 | Port Authority Trans-Hudson Corporation |
公式サイト | PATH公式ホームページ |
詳細情報 | |
総延長距離 | 22.2 km |
路線数 | 4路線 |
駅数 | 13駅 |
軌間 | 1,435 mm (標準軌) |
電化方式 | 直流600V 第三軌条 |
路線図 | |
パストレイン路線図(ラッシュ時および昼間時) |
路線一覧
編集4つ設定された運転系統のうち、2系統が終夜運転でニュージャージーとニューヨークを結ぶ。ラッシュ時および昼間時 (平日6:00~23:00/土日祝日 9:00~19:30) は4系統、深夜・早朝時間帯 (平日23:00~6:00/土日祝日 19:30~9:00) は2系統での運転となる。
ラッシュ時および昼間時
編集路線色 | 略称 | 始発駅 | 終着駅 | 所要時間 |
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NWK-WTC | ワールド・トレード・センター駅 | ニューアーク・ペン駅 | 22分 | |
HOB-WTC | ホーボーケン駅 | ワールド・トレード・センター駅 | 10分 | |
JSQ-33 | 33丁目駅 | ジャーナル・スクエア駅 | 22分 | |
HOB-33 | 33丁目駅 | ホーボーケン駅 | 14分 |
深夜時間帯
編集路線色 | 路線略称 | 始発駅 | 経由駅 | 終着駅 | 備考 |
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NWK-WTC | ニューアーク・ペン駅 | 無し | ワールド・トレード・センター駅 | ||
JSQ-33 (via HOB) | ジャーナル・スクエア駅 | ホーボーケン駅 | 33丁目駅 | ホーボーケン駅からワールド・トレード・センター駅にまで向かうには、グローブ・ストリート駅にて乗り換える必要がある。 |
歴史
編集パストレインの歴史は古く、最初の営業運転は1908年2月25日のことであった。この年、パストレインの前身であるハドソン・アンド・マンハッタン鉄道が19丁目駅 - ホーボーケン駅間を開通させた。この鉄道の計画立案は1874年に行われていたが、ハドソン川を開削する技術的な問題から工事は1890年に始まった。その後も資金難等の問題があり、計画から開通までに30年以上の歳月を要することになった。
その後、1911年までに現在の路線網(33丁目駅 - ニューアーク・ペン駅間)を開業し、ハドソン川対岸の都市とニューヨーク間の連絡輸送の他、ジャージーシティや、ホーボーケンを基点とするエリー鉄道やデラウェア・ラッカワナ・アンド・ウェスタン鉄道の通勤列車の連絡輸送で大活躍した。その最盛期は1920年代の後半で、その後は大恐慌や自動車トンネルの整備などにより乗客が減少、コスト上昇に対して十分な運賃改訂が行えなかった事などもあり、1954年にはハドソン・アンド・マンハッタン鉄道は債務超過状態に陥った。
利用客が減少したとはいえ、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道はハドソン川を連絡する重要な通勤路線で、債務超過を理由に廃止することはできなかった。しかしながら、この路線はニューヨーク、ニュージャージー両州にまたがる鉄道であることから、各自治体の思惑の違いにより、抜本的な対応は1962年にずれ込んだ。この年、ワールドトレードセンター計画を進めていたニューヨーク港湾公社(The Port of New York Authority、1930年に設立されたニューヨーク・ニュージャージー両州にまたがる港湾地域の開発を目的とした公法人、1972年に現在の名称に変更)が、ハドソン・アンド・マンハッタン鉄道に代わり運営を引き継いだのである。港湾公社は買収したマンハッタンのハドソン・ターミナルをワールドトレードセンターの敷地として利用し、マンハッタン南部の再開発を行った。これは再開発に伴う公共交通整備や公共交通維持・拡充のための資金確保の方法としては非常に有益なもので、利用客の大幅な増加も実現されたのである。
2001年のアメリカ同時多発テロ事件でターミナルの一つであるワールド・トレード・センター駅は破壊されたが、33丁目駅を使って仮系統のホーボーケン経由ニューアーク-33丁目線を設定することで運行は続けられ、2003年11月にはワールドトレードセンター跡地に仮駅を再開することで現在に至っている。2009年には、新ターミナルが完成した。ただし、ワールド・トレード・センター・トランスポーテーション・ハブ全体の完成予定は2015年である。駅は長いエスカレータを降りた先にある自動改札機のさらに下にある。
切符
編集切符は、PATHの全駅の中にある「Blue SmartLink vending machines」というSmartLinkカードの自動販売機から購入できる(不正確な翻訳だが日本語も選べる)。 有効期限は購入後2時間以内となっている。これは24時間営業であり日付制限がなじまない(日を跨いでの乗車はむしろ当然で、終電がないので日本のように「当日の終電まで有効」という運用もできない)ためである。 ニューヨーク地下鉄やバスで使用できるメトロカードが使用できるが、片道切符と往復切符でしか使うことができない。
種類 | 種類(英語) | 料金 | 1回分の料金 | 備考 |
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片道切符 | 1-trip SmartLink / PATH SingleRide Ticket / Pay-Per-Ride MetroCard | 2.75ドル | 2.75ドル | SmartLinkまたはMetroCardというカードで1回乗車したときに引かれる料金。 |
往復乗車券 | PATH 2-trip MetroCard | 5.50ドル | 2.75ドル | 往復乗車券。MetroCardというカードで1回乗車したときに引かれる料金。割引はない。 |
10回回数券 | 10-trip - SmartLink / SmartLink Gray | 21.00ドル | 2.10ドル | 10回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。 |
20回回数券 | 20-trip - SmartLink / SmartLink Gray | 42.00ドル | 2.10ドル | 20回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。 |
40回回数券 | 40-trip - SmartLink / SmartLink Gray | 84.00ドル | 2.10ドル | 40回分乗車できる回数券。SmartLinkまたはSmartLink Grayというカードでしか使えない。 |
シニア・スマートリンクカード | Senior SmartLink Card - for riders 65 years or older | 1.00ドル | 1.00ドル | 65歳以上限定の老人割引カード。当然ながら現地在住を証明する書類が必要。 |
1日乗車券 | SmartLink 1-day pass-unlimited | 8.25ドル | 1日乗車券。SmartLinkというカードでしか使えない。 | |
7日乗車券 | SmartLink 7-day pass - unlimited* | 29.00ドル | 7日間乗車券。SmartLinkというカードでしか使えない。 | |
30日乗車券 | SmartLink 30-day pass - unlimited | 89.00ドル | 30日間乗車券。日本で言う定期券と同じようなもの。SmartLinkというカードでしか使えない。 |