トリキティシャ(バスク語方言 : trikitixa, [tɾiˈkitiʃa])は、バスク地方特有の管楽器(民族楽器)。右手部分に2列のボタンを持つダイアトニック・アコーディオンである。トリキティ(共通バスク語 : trikiti, [tɾiˈkiti])やエスクソイヌ・チキ(バスク語 : eskusoinu txiki)と呼ばれることもある。

トリキティシャ
Trikitixa
別称:トリキティ、エスクソイヌ・チキ
各言語での名称
トリキティシャ Trikitixa
分類

管楽器鍵盤楽器蛇腹楽器

関連楽器

アコーディオンメロディオン
コンサーティーナバンドネオン

演奏者

トリキティラリス(Trikitilaris)

「trikiti」(トリキティ)とは擬音語であり、タンバリンによって出された音に起因することが明白である。もともとはアルボカ英語版チストゥ英語版、他の楽器同様に、伝統的なバスクの合奏に使用された。現在の伝統的なスタイルの合奏は、トリキティシャ2組、タンバリン、ボーカルの4者で構成される。トリキティシャの演奏家は一般的に、スタッカート三連音符を用いたとても装飾的かつ敏速なスタイルで演奏する。

歴史

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文書によるトリキティシャへの最古の言及は1889年であり、ビスカヤ県ウルキオラの巡礼者祝祭でダイアトニック・アコーディオンが使用された。ナバーラ地方の交通の要衝であるアルトゥサス英語版で1890年に撮られた写真にもトリキティシャが写っている[1]。この楽器はイタリアからビルバオ港を通してバスク地方に持ち込まれたとする指摘があるが、イタリアやフランスの鉄道労働者によってアルプス山脈を通して持ちこまれたとする説もある。ダイアトニック・アコーディオン自体は1829年にウィーンで考案され[2]、その後ヨーロッパ各地に広まった。

ダイアトニック・アコーディオンとタンバリンの組み合わせは徐々に人気を高め、地元の祝祭などで演奏された。カトリック教会はこのような風潮に抵抗したが、若者はトリキティシャとタンバリンのリズムに合わせて踊った。1980年代までは演奏パターンに変化がなかったが、1980年代にはケパ・フンケラとホセバ・タピアが前例のない演奏方法を試みはじめた。両者の演奏スタイルの斬新さと実験的手法は��くの批評がなされ、両者の演奏スタイルには伝統的・現代的それぞれの手法が見られる。トリキティシャは、フラコ・ヒメネスなどテハノ・ミュージックの演奏家や、他の国際的な演奏家にも影響を与えている。その他の著名な演奏家には、アライツ・テリェチェア、イニャキ・マルバディ、マイシャ・リサリバル、シャビ・アブルサガ、イケル・ゴエナガ、カルロス・ベルダ、アライツ・テリェチェアなどがいる。

著名な演奏者

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ホセバ・タピア
 
シャビ・ソラーノ

ソロ

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ペドロ・ソドゥペ・ゲラチョ(Pedro Sodupe Gelatxo)
1928年生、2007年没。ギプスコア県エルゴイバル出身。
カシアノ(Kaxiano)
1932年生、2002年没。ギプスコア県リサルツァ英語版出身。
イニャキ・ガルメンディア・ラハ(Inaki Garmendia Laja)
ギプスコア県アスコイティア出身。
トマス・エペルデ(Tomás Epelde)
1945年生。ギプスコア県アスコイティア出身。『エペルデとララニャガ』で活動。
イニャキ・マルバディスペイン語版
1957年生。ギプスコア県アルビストゥル出身。
ホセバ・タピア(Joseba Tapia)
1964年生。ギプスコア県ラサルテ=オリア出身。
ケパ・フンケラ
1965年生。ビスカヤ県ビルバオ出身。
シャビ・ソラーノスペイン語版
ギプスコア県エルナニ出身。
イケル・ゴエナガ(Iker Goenaga)
1974年生。ギプスコア県シスルキル英語版出身。
アライツ・テリェチェア(Alaitz Telletxea)
1976年生。ギプスコア県オイアルツン出身。ガールズポップデュオ『アライツ・エタ・マイデル』で活動。
マイシャ・リサリバル(Maixa Lizarribar)
ギプスコア県トローサ出身。『マイシャとイシアル』で活動。
シャビ・アブルサガ英語版
1978年生。ビスカヤ県ポルトゥガレテ出身。1999年に1stアルバムを発表。2009年には小説家のキルメン・ウリベが詩を付けたアルバムを発表。

グループ

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アライツ・エタ・マイデル
アライツ・テリェチェアらのガールズポップデュオ。
エスネ・ベルツァスペイン語版
シャビ・ソラーノ、セルヒオ・オルドニェススペイン語版ら。
エツァキットスペイン語版
シャビ・ソラーノら。
タピア・エタ・レトゥリアスペイン語版
ホセバ・タピアとレトゥリア。
ケン・サスピスペイン語版
ポップロックバンド。

関連項目

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脚注

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  1. ^ What is trikitixa?”. Euskal Herriko Trikitixa Elkartea. 2008年2月27日閲覧。
  2. ^ Trikitixa, soinu diatonikoa”. Euskal Herriko Trikitixa Elkartea. 2008年2月27日閲覧。 Site in Basque