トヨタ・イプサム
概要
編集初代は、当時の初代ホンダ・オデッセイを始めとするミニバンブームの中で目標販売台数を大幅に上回る受注を獲得した。しかし、ブームに乗り遅れないよう、かなり性急に開発されたため、居住性の低さやエクステリア、インテリアの質感の低さなどが徐々に露呈し、結果としてオデッセイに歯が立たず人気は長続きしなかった。
2代目��のフルモデルチェンジで大型化や高級化を図り、約8年という長期にわたって販売されたが、初代の人気を下回った。さらにエコカー減税の対象となる競合車の登場で大幅に販売台数を減らし、2010年1月を以って販売終了。2代・13年7か月の歴史に幕を下ろした。
初代(1996年 - 2001年)
編集トヨタ・イプサム(初代) SXM1#G/CXM1#G型 | |
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前期型(1996年5月 - 1998年4月) | |
後期型(1998年4月 - 2001年5月) | |
後期型 U.S.カスタム(TECS特装車) | |
概要 | |
別名 |
トヨタ・ガイア トヨタ・ナディア ヨーロッパ : トヨタ・ピクニック(初代) デンマーク: トヨタ・スポーツバン(初代) |
製造国 | 日本(愛知県豊田市)→(愛知県田原市) |
販売期間 | 1996年5月 - 2001年5月 |
ボディ | |
乗車定員 | 7人 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | FF/4WD(4WDはガソリンのみ) |
パワートレイン | |
エンジン |
-ガソリンエンジン- 3S-FE型 直4 1,998cc -ディーゼルエンジン- 3C-TE型 直4 2,184cc ターボ |
最高出力 |
3S-FE型:135PS/6,000rpm 3C-TE型:94PS/4,000rpm |
最大トルク |
3S-FE型:18.5kgm/4,000rpm 3C-TE型:21.0kgm/2,200rpm |
変速機 | 4速コラムAT |
前 |
前:ストラット 後:トーションビーム |
後 |
前:ストラット 後:トーションビーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,735mm |
全長 | 4,530mm |
全幅 | 1,695mm |
全高 |
1,620mm(2WD) 1,645mm(4WD) (ルーフレール装着車は+40mm) |
車両重量 | 1,390 - 1,490kg |
その他 | |
最小回転半径 | 5.5m |
最低地上高 | 155mm |
系譜 | |
後継 |
トヨタ・イプサム(2代目) ※ビスタ店(現ネッツ店)は販売終了約1年8ヶ月後に発売されるウィッシュを含む。 |
CMは家族向けというより、まるで子供向けの玩具のようなコンセプトで製作された。CMキャラクターには西村雅彦やビビアン・スーらを起用していた。 また田村亮子(現・谷亮子)も一時的に登場していた。オリジナルキャラクターの「イプー」は、初代型のCMやカタログ、更にディーラーオプションのステッカーにも登場した程、当車との関係が深い。
年表
編集- 1995年 - 第31回東京モーターショーに参考出品。
- 1996年
- 5月 - 登場。コロナプレミオの車台をベースとした排気量2.0Lガソリンエンジン(3S-FE型)および2.2Lディーゼルターボエンジン(3C-TE)を搭載。5ナンバーサイズのため車体が小さかった。乗車人数は7人乗りのみ。基本的にはツートンカラーで、原色を避けた明るい色が多かった(パープリッシュブルーマイカメタリック等)。
- 12月 - 特別仕様車「ホワイトパールイプサム」、「ホワイトパールイプサム L-セレクション」を発売。イプサムグレード、イプサムL-セレクショングレードの2.0L FF車と4WD車をベースに、ボディカラーはホワイトパールマイカを採用。内装は専用シート表皮、ラジオレス4スピーカーなどを特別装備している。
- 1997年8月 - 2WDのディーゼル車が追加され、さらにエアロツーリングが追加された。
- 1998年
- 2月 - 長野オリンピックの公式カーとして、スノーレッツデザインのホワイト・イプサムが登場。後に特別仕様車として「ホワイト・イプサム」が��売。1998年2月の取り扱いはトヨペット店・ビスタ店(大阪では前期型に限り大阪トヨタでも取扱っていた)。
- 4月 - マイナーチェンジ。マルチリフレクターヘッドランプの採用およびバンパー部等のカラー変更、原色系への移行、落ち着いた色合いへの変更があった。ミラーやフロントグリル、テールランプ、インパネ周り、シートアレンジも変更。さらに、トヨタで初のアクティブトルクコントロール4WDを採用。
- 12月 - 特別仕様車「イプサム スペシャルバージョン」を追加。イプサムグレードの2.0L FF車と4WD車をベースに、ボディカラーにダークターコイズマイカに加えホワイトパールマイカ、内装色にアイボリーを採用。内装はプライバシーガラス、木目調のパネル&スイッチベース、4スピーカーなどを特別装備している。
- 1999年10月 - 特別仕様車「メモリアルエディション」を発売。イプサムグレードの2.0L FF車と4WD車をベースに、ボディカラーは特別色ホワイトパールマイカを採用。そのほか、プライバシーガラス、フォグランプ、GPSボイスナビゲーション付きオーディオなどを特別装備している。
- 2000年
- 4月 - モノトーン仕様を追加設定。
- 10月 - 特別仕様車「エクセレントバージョンII ナビスペシャル」を発売。ボイスナビゲーション&6スピーカー、バックモニターと専用シート&ドアトリム表皮を採用したほか、外板色にシャンパンメタリック、ホワイトパールマイカ(オプション)を設定する。
- 2001年
-
前期型 エアロツーリング フロント
-
前期型 エアロツーリング リア
2代目(2001年 - 2010年)
編集トヨタ・イプサム(2代目) ACM2#W型 | |
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後期型(2003年10月 - 2010年1月) | |
概要 | |
別名 |
ヨーロッパ・オーストラリア : トヨタ・アベンシスヴァーソ 香港・シンガポール : トヨタ・ピクニック(2代目) デンマーク: トヨタ・スポーツバン(2代目) |
製造国 | 日本(愛知県刈谷市、愛知県田原市) |
販売期間 | 2001年5月 – 2010年1月 |
ボディ | |
乗車定員 | 6-7人 |
ボディタイプ | 5ドア ミニバン |
駆動方式 | FF/4WD |
プラットフォーム | トヨタ・MCプラットフォーム |
パワートレイン | |
エンジン | 2AZ-FE型 直4 2.362L |
最高出力 | 118kW(160PS)/5,700rpm |
最大トルク | 221Nm(22.5kgm)/4,000rpm |
変速機 | 4速コラムAT (Super ECT) |
前 |
前:ストラット 後:トーションビーム |
後 |
前:ストラット 後:トーションビーム |
車両寸法 | |
ホイールベース | 2,825mm |
全長 | 4,690mm(前期型:4,650mm) |
全幅 | 1,760mm |
全高 |
1,645mm(240S/FF) 1,660mm(240U,240I/FF) 1,665mm(240S/4WD) 1,680mm(240U,240I/4WD) |
車両重量 | 1,480 - 1,570kg |
その他 | |
製造工場 |
トヨタ自動車田原工場 トヨタ車体 |
本体価格 | 225.7 - 302.4万円 |
系譜 | |
後継 | トヨタ・プリウスα(実質的)[独自研究?] |
- 2001年
- 5月 - 登場。キャッチコピーは「ミニバン・トゥモロー」。CMも「イプー」を起用した先代のコミカルな路線から一転、ゆとりを強調したものとされる。
- 2代目は排気量を2.4L(2AZ-FE型)に引き上げ、車体を少し大きくして3ナンバー化され、車格もホンダ・オデッセイや三菱・グランディスと並んだ。なお、当初は「240シリーズ」としていたが、V6エンジンなどは追加されることはなかった。また先代にはあったディーゼルターボも時期の悪さや規制もあり設定されなかった。
- リヤ床下に大きい収納スペースを搭載したため、スペアタイヤは車体中央の床下に搭載されている。それゆえ、イプサム専用のプラットフォームを開発している。これに伴い大幅にデザインとロゴマークを変更(英字筆記体の「Ipsum」から英字活字体の「IPSUM」)。過去には6人乗りの上級グレードが追加されていたが、7人乗りの販売台数が圧倒的に多いという背景があり廃止された。
- 10月 - DVDボイスナビゲーションとブラインドコーナーモニターがセットでメーカーオプション化され、スーパーホワイトII(040)の設定が拡大された。
- 5月 - 登場。キャッチコピーは「ミニバン・トゥモロー」。CMも「イプー」を起用した先代のコミカルな路線から一転、ゆとりを強調したものとされる。
- 2002年6月 - ヒーターミラーが寒冷地仕様全車にメーカーオプションとして追加設定された。
- 2003年
- 4月 - 特別仕様車「タイプG」「タイプG ナビスペシャル」を発売。
- 「タイプG」は、外観にエアロパーツ(フロント・リヤ大型バンパー/サイドマッドガード)、16インチアルミホイール、フロントフォグランプなどを特別装備し、外板色には特別設定のスーパーレッドマイカ(オプション)とブラックを含む全4色を設定。内装は、上級グレードのシート&ドアトリム表皮(アイボリー)、本革巻き4本スポークステアリング、オプティトロンメーターを採用し、質感を向上している。「タイプG ナビスペシャル」は、加えて、専用DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーション、ブラインドコーナーモニター、音声ガイダンス機能付バックガイドモニター(カラータイプ)を特別装備する。
- 10月 - マイナーチェンジ。内外装デザインの変更、240eの廃止など、多岐にわたる変更が行われた。その後はエンジンの環境・燃費対策、ボディカラー変更、特別仕様車の追加など極細かい変更のみ受けながら、2009年末の生産終了まで6年以上このデザインのまま生産された。
- 4月 - 特別仕様車「タイプG」「タイプG ナビスペシャル」を発売。
- 2004年
- 1月 - 特別仕様車「ALCANTARA version(アルカンターラバージョン)」を発売。240iをベースに、シート表皮に「アルカンターラ」を採用し、質感を高めるとともに、同仕様の専用車検証入れを特別装備している。さらに、オプティトロンメーター、プッシュ式ヒーターコントロールパネル(LED照明・外気温度表示機能付)、16インチアルミホイールなどを特別に装備している。さらに、特別仕様車240i 「ALCANTARA version・NAVI Special(アルカンターラバージョン・ナビスペシャル)」には、加えて、G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーションと音声案内クリアランスソナー、ガラスプリントアンテナを特別に装備する。
- 2月 - 平成17年基準排出ガス50%低減 『新☆☆☆』を全車で達成(U-LEV)。
- 4月 - 一部改良。
- 12月 - 特別仕様車240i「Premium ALCANTARA version(プレミアムアルカンターラバージョン)」を発売。240iをベースに、シート表皮に「アルカンターラ」を採用し、質感を高めるとともに、4本スポークステアリングホイール(本革巻き+木目調)、専用シフトレバーノブ(本革巻き+木目調)、コンライト、クルーズコントロールなどを、また、外装にはエアロパーツを装備した。さらに、240i「Premium ALCANTARA version・NAVI Special(ナビスペシャル)」には、G-BOOK対応DVDボイスナビゲーション付ワイドマルチAVステーションにブラインドコーナーモニター(フロント直下モニター付)&レーンモニタリングシステム&音声ガイダンス機能付カラーバックガイドモニター(暗視機能付)をセットで特別装備した。
- 2005年8月 - 平成17年基準排出ガス75%低減 『新☆☆☆☆』を全車で達成(SU-LEV)。全車のヘッドランプにオートレベリング機能が標準装備された。
- 2007年6月 - 特別仕様車「タイプS-II」を発売。「240i」をベースに、特別外板色ブロンズマイカメタリックを含む全4色を設定するとともに、エアロパーツ(フロントグリル、フロント・リヤバンパー、サイドマッドガード)、16インチアルミホイール、エクステンションにスモーク加工を施したディスチャージヘッドランプ・リヤコンビネーションランプなどを特別装備、さらに、本革巻きの4本スポークステアリングホイール、オプティトロンメーター、ステアリングスイッチ(オーディオ)、コンライト(ライト自動点灯・消灯システム)、クルーズコントロールなどを採用し、利便性を向上させている。また、今回イプサム全車にシートベルトウォーニングブザー設定などの改良を行うとともに、ウェルキャブ(メーカー完成特装車)についても、ベース車と同様の改良を施している。
- 2009年12月25日 - 生産終了。
- 2010年1月29日 - 販売終了。2003年より販売台数が下降したが、2007年に同じトヨペット店にマークXジオが登場した後も販売が続行され、8年を超える長寿モデルとなった。販売期間中の新車登録台数の累計は18万9241台[3]
-
前期型(2001年5月-2003年10月)
-
前期型リア
-
後期型リア
-
欧州仕様アベンシスヴァーソ
販売
編集ヨーロッパでは初代が「ピクニック」で輸出され、2代目が「アベンシスヴァーソ」の名前で発売された。
香港、シンガポールでは2代目も「ピクニック」名で販売。豪州では「アベンシス」(欧州製のセダン、ハッチバック、ワゴンはなし)として販売されているが、リアハッチ右下のバッジやオーナーズマニュアルは、欧州仕様同様に「AVENSIS VERSO」となっている。
取り扱いはトヨペット店(大阪府は2006年8月7日までトヨタ店。ただしガイアが登場するまでは大阪トヨペット(現・大阪トヨタ)でも取り扱っていた)、ネッツ店(2004年4月まではトヨタビスタ店)。
車名の由来
編集ラテン語で「本来の」「自分自身の」の意味。
その名の通り、豪華な装備や付加機能などよりも、広さや車としての使いやすさなど、本来性が重視されている車である。
脚注
編集- ^ “イプサム(トヨタ)1996年5月~2001年4月生産モデルのカタログ”. リクルート株式会社 (2020年1月11日). 2020年1月11日閲覧。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第31号15ページより。
- ^ デアゴスティーニジャパン週刊日本の名車第53号13ページより。