ダンスインザムード(欧字名:Dance in the Mood2001年4月10日 - )は、日本競走馬繁殖牝馬[1]

ダンスインザムード
第130回天皇賞(秋)パドック
(2004年10月31日)
欧字表記 Dance in the Mood[1]
香港表記 隨心起舞
品種 サラブレッド[1]
性別 [1]
毛色 青鹿毛[1]
生誕 2001年4月10日(23歳)[1]
抹消日 2006年12月21日
サンデーサイレンス[1]
ダンシングキイ[1]
母の父 Nijinsky II[1]
生国 日本の旗 日本北海道千歳市[1]
生産者 社台ファーム[1]
馬主 (有)社台レースホース[1]
調教師 藤沢和雄美浦[1]
厩務員 剣持純一[1]
競走成績
タイトル JRA賞最優秀3歳牝馬(2004年)
JRA賞最優秀4歳以上牝馬(2006年)[1]
生涯成績 25戦6勝
中央競馬)21戦5勝
アメリカ)2戦1勝
香港)2戦0勝[1]
獲得賞金 (中央競馬)5億3887万8000円[1]
(アメリカ)550,000USドル[2]
WTRR 115M(2006年)[3]
勝ち鞍
GI 桜花賞 2004年
GI ヴィクトリアマイル 2006年
GIII フラワーC 2004年
G3 キャッシュコールマイル招待S 2006年
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2004年桜花賞GI)、2006年ヴィクトリアマイルGI)優勝馬である。2006年にはアメリカ合衆国の重賞・キャッシュコールマイル招待ステークスG3)も制した。その他の勝ち鞍に、2004年のフラワーカップGIII)。

経歴

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2歳 - 3歳

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第64回桜花賞

2003年12月20日中山の2歳新馬戦を6馬身差勝利でデビューすると、3歳初戦となった若竹賞も勝利。この時騎乗していた岡部幸雄に復帰後[注 1]初勝利をもたらした。その後武豊を主戦に据え、フラワーカップを制し重賞初勝利。牝馬クラシック競走に向かう。その初戦、桜花賞では単勝2.9倍の1番人気に支持され、2着アズマサンダースに2馬身差をつけて4戦無敗で桜花賞を制した。これはメジロラモーヌ以来となる18年ぶりの関東馬[注 2]の桜花賞勝利ともなった。

この後東京優駿(日本ダービー)に出走するのではないかと騒がれたが、優駿牝馬(オークス)に出走する。単勝1.4倍の圧倒的1番人気に推されるもののダイワエルシエーロに逃げ切りを許し4着に敗退。レース前から大量の発汗が目立つほど焦れ込んでいた。また、馬体重も+12kgと増えていた。このころから気性難が騒がれ始める。優駿牝馬後は日本調教の3歳牝馬としては異例のアメリカ遠征を選択。そのアメリカンオークス招待ステークスでは2着となった[注 3]

帰国後は牝馬三冠目の秋華賞にぶっつけで挑み、単勝1.7倍の1番人気に支持されるがスイープトウショウの4着に敗れる。調教師藤沢和雄が次走に選択したのは天皇賞(秋)。ここでは単勝13番人気となるが、ゼンノロブロイの2着に好走し藤沢厩舎所属馬のワンツーとなった。その後はマイルチャンピオンシップに挑み、デュランダルの2着に入る。マイルチャンピオンシップの後は香港国際競走香港カップに出走し、14頭中13着と惨敗するも、同年のJRA賞最優秀3歳牝馬を受賞した。

藤沢は「スタンド前発走が合わない」と語っており、4歳の初戦は京王杯スプリングカップとなったが9着、続く安田記念はシンガリ負けを喫するなど、ここからしばらく掲示板にも載れないという惨敗を続けるようになった。府中牝馬ステークスでは初騎乗となった北村宏司騎手の判断で、今までと違い最後方からの競馬を行い8着に敗れるが、出走馬最速の上がり3ハロン32秒7の末脚を繰り出す。結果的にこのレースを境に好調時の勢いを取り戻した本馬は次の天皇賞(秋)でヘヴンリーロマンスの3着と久々に好走し、続くマイルチャンピオンシップでも4着となった。

2006年初戦は読売マイラーズカップ。秋華賞以来、武豊が騎乗したが、ダイワメジャーの2着に敗れた。しかし次走、この年に創設されたJRAGIヴィクトリアマイルでは北村宏司の手綱に導かれ、内から鋭く伸びて優勝。GI2勝目を挙げ、当レースの初代女王、北村は初のGI勝利となった。続いて安田記念に出走するも5着に敗れる。その後、アメリカンオークスへ出走するアサヒライジングに帯同する形で再びアメリカへ遠征、キャッシュコールマイル招待ステークス (G3) では3コーナーから大外を追い上げ、4コーナーで先頭に立つとそのまま押し切り優勝した。

日本に帰り、毎日王冠に出走。ダイワメジャーと再び競り合う形となったが最後はクビ差敗れて2着となった。続いての天皇賞(秋)では最後の直線コースで伸びを欠き6着に敗れた。次走は得意のマイル戦のマイルチャンピオンシップに挑戦し、またもダイワメジャーにクビ差届かず2着となった。その後、引退レースとなった香港マイルに挑戦したが、内の馬の煽りもあってか12着に敗れた。2006年12月21日付けで競走馬登録を抹消され、引退[4]。なお、この年のJRA賞最優秀4歳以上牝馬に選ばれている。

繁殖入り後

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2007年より社台ファームで繁殖入りし、初年度はファルブラヴと交配された。2008年4月2日に初仔ダンスファンタジアを出産。この産駒の父ファルブラヴはG1競走を8勝しており、自身もGI競走を2勝していることからG1競走10冠ベイビーとして話題になった。ダンスファンタジアは2010年10月31日のデビュー戦から2連勝を飾り、その後2011年1月10日フェアリーステークスを制した。

2021年11月6日をもって繁殖を引退。現在も社台ファームにて繋養されている。

第5回ヴィクトリアマイルの当日の第12競走であるJRAプレミアムレース「東京ロイヤルプレミアム」の人気投票で最多得票を獲得し、『ダンスインザムードメモリアル』の副名称を付与して施行することとなった。

競走成績

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年月日 競馬場 競走名


オッズ
(人気)
着順 騎手 斤量
[kg]
距離(馬場) タイム
(上り3F
タイム
勝ち馬/(2着馬)
2003. 12. 20 中山 2歳新馬 16 1 2 1.3(01人) 1着 O.ペリエ 54 芝1600m(良) 1:36.0 (36.6) -1.0 ジョリーダンス
2004. 1. 25 中山 若竹賞 500万下 12 3 3 1.2(01人) 1着 岡部幸雄 54 芝1600m(良) 1:34.3 (35.1) -0.1 (ツィンクルヴェール)
3. 20 中山 フラワーC GIII 15 6 10 1.2(01人) 1着 武豊 54 芝1800m(重) 1:50.9 (36.5) -0.2 ヤマニンアラバスタ
4. 11 阪神 桜花賞 GI 18 5 9 2.9(01人) 1着 武豊 55 芝1600m(良) 1:33.6 (34.2) -0.3 アズマサンダース
5. 23 東京 優駿牝馬 GI 18 3 5 1.4(01人) 4着 武豊 55 芝2400m(稍) 2:27.8 (35.0) 0.6 ダイワエルシエーロ
7. 3 ハリウッド アメリカンオークス G1 13 6 2.4(01人) 2着 武豊 55 芝2000m(良) 0.0 Ticker Tape
10. 17 京都 秋華賞 GI 18 1 2 1.7(01人) 4着 武豊 55 芝2000m(良) 1:59.3 (35.7) 0.9 スイープトウショウ
10. 31 東京 天皇賞(秋) GI 17 2 4 38.3(13人) 2着 C.ルメール 54 芝2000m(稍) 1:59.1 (34.9) 0.2 ゼンノロブロイ
11. 21 京都 マイルCS GI 16 8 15 7.2(04人) 2着 C.ルメール 54 芝1600m(良) 1:33.3 (34.4) 0.3 デュランダル
12. 12 沙田 香港C G1 14 14 13着 O.ペリエ 54 芝2000m(良) 2:04.9 1.6 Alexander Goldrun
2005. 5. 15 東京 京王杯SC GII 18 7 15 3.6(01人) 9着 K.デザーモ 56 芝1400m(良) 1:21.4 (34.9) 1.1 アサクサデンエン
6. 5 東京 安田記念 GI 18 3 5 7.5(03人) 18着 K.デザーモ 56 芝1600m(良) 1:36.0 (38.2) 3.7 アサクサデンエン
8. 14 札幌 クイーンS GII 14 5 8 3.3(02人) 8着 藤田伸二 57 芝1800m(良) 1:47.8 (36.8) 1.1 レクレドール
8. 21 札幌 札幌記念 GII 14 7 12 6.0(03人) 12着 横山典弘 55 芝2000m(良) 2:03.6 (39.1) 2.5 ヘヴンリーロマンス
10. 16 東京 府中牝馬S GII 17 2 4 5.3(02人) 8着 北村宏司 56 芝1800m(稍) 1:47.4 (32.7) 0.7 ヤマニンアラバスタ
10. 30 東京 天皇賞(秋) GI 18 6 12 53.9(13人) 3着 北村宏司 56 芝2000m(良) 2:00.1 (33.3) 0.0 ヘヴンリーロマンス
11. 20 京都 マイルCS GI 17 4 8 17.8(05人) 4着 北村宏司 55 芝1600m(良) 1:32.3 (34.8) 0.2 ハットトリック
2006. 4. 15 阪神 マイラーズC GII 11 6 6 4.5(02人) 2着 武豊 55 芝1600m(稍) 1:36.3 (34.6) 0.1 ダイワメジャー
5. 14 東京 ヴィクトリアM GI 18 1 1 3.9(02人) 1着 北村宏司 55 芝1600m(稍) 1:34.0 (33.8) -0.2 エアメサイア
6. 4 東京 安田記念 GI 18 1 2 7.3(04人) 5着 北村宏司 56 芝1600m(良) 1:33.3 (34.2) 0.7 ブリッシュラック
7. 1 ハリウッド キャッシュコールM G3 8 9 1着 V.エスピノーザ 55.5 芝1600m(良) 1:33.3 0.0 (Sweet Talker)
10. 8 東京 毎日王冠 GII 16 5 10 5.5(02人) 2着 北村宏司 56 芝1800m(良) 1:45.5 (34.4) 0.0 ダイワメジャー
10. 29 東京 天皇賞(秋) GI 16 2 4 7.1(05人) 6着 北村宏司 56 芝2000m(良) 1:59.3 (35.5) 0.5 ダイワメジャー
11. 19 京都 マイルCS GI 18 4 7 6.7(03人) 2着 武豊 55 芝1600m(良) 1:32.8 (34.5) 0.1 ダイワメジャー
12. 10 沙田 香港マイル G1 14 14 12着 武豊 55.5 芝1600m(良) 1:34.5 The Duke

繁殖成績

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馬名 誕生年 毛色 厩舎 馬主 戦績・備考
初仔 ダンスファンタジア 2008年 鹿毛 ファルブラヴ 美浦・藤沢和雄 (有)社台レースホース 29戦3勝(引退・繁殖)
フェアリーS-GIII
2番仔 サトノプレジデント 2009年 黒鹿毛 シンボリクリスエス 里見治 22戦2勝(引退)
3番仔 マンインザムーン 2010年 芦毛 チチカステナンゴ (有)社台レースホース 21戦2勝(引退)
2016年より福島競馬場誘導馬
4番仔 シャドウダンサー 2011年 黒鹿毛 ホワイトマズル 栗東角居勝彦* 飯塚知一 33戦4勝(引退)
5番仔 フローレスダンサー 2012年 鹿毛 ハービンジャー 栗東・松田博資 (有)社台レースホース 13戦1勝(引退・繁殖)
6番仔 カイザーバル 2013年 黒鹿毛 エンパイアメーカー 栗東・角居勝彦* 21戦5勝(引退・繁殖)
7番仔 ムードメーカー 2014年 黒鹿毛 美浦・菊沢隆徳 2戦0勝(引退)
8番仔 シャンデリアスピン 2015年 青鹿毛 ノヴェリスト 栗東・松永幹夫 5戦0勝(引退・繁殖)
9番仔 ダンスディライト 2016年 黒鹿毛 キングカメハメハ 19戦4勝(引退)
(不受胎) 2017年
10番仔 インフォーマント 2018年 黒鹿毛 ノヴェリスト 美浦・加藤征弘
北海道・林和弘
大井・阪本一栄
金沢加藤和宏
名古屋・地辺幸一
(有)社台レースホース
→(株)ファーストビジョン
79戦7勝(現役)
11番仔 エトーソ 2019年 鹿毛 キングカメハメハ 栗東・清水久詞 吉田照哉 4戦0勝(引退・繁殖)
(不受胎) 2020年 ロードカナロア
(不受胎) 2021年 ブリックスアンドモルタル
  • 産駒の成績は2024年10月8日現在。
  • *:角居の酒気帯び運転による調教停止中栗東・中竹和也厩舎に転厩していた馬。シャドウダンサーは中竹厩舎所属のまま引退。


血統表

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ダンスインザムード血統 (血統表の出典)[§ 1]
父系 サンデーサイレンス系

* サンデーサイレンス
Sunday Silence
1986 青鹿毛
父の父
Halo
1969 黒鹿毛
Hail to Reason Turn-to
Nothirdchance
Cosmah Cosmic Bomb
Almahmoud
父の母
Wishing Well
1975 鹿毛
Understanding Promised Land
Pretty Ways
Mountain Flower Montparnasse
Edelweiss

*ダンシングキイ
Dancing Key
1983 鹿毛
Nijinsky II
1967 鹿毛
Northern Dancer Nearctic
Natalma
Flaming Page Bull Page
Flaring Top
母の母
Key Partner
1976 黒鹿毛
Key to the Mint Graustark
Key Bridge
Native Partner Raise a Native
Dinner Partner
母系(F-No.) Dinner Partner系(FN:7) [§ 2]
5代内の近親交配 Almahmoud4×5、Native Dancer5・5(母内) [§ 3]
出典
  1. ^ JBISサーチ ダンスインザムード 5代血統表2016年6月30日閲覧。
  2. ^ [5]JBISサーチ ダンスインザムード 5代血統表2016年6月30日閲覧。
  3. ^ JBISサーチ ダンスインザムード 5代血統表2016年6月30日閲覧。

脚注

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注釈

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  1. ^ 岡部はの故障のため、13ヶ月間休養していた
  2. ^ 中央競馬関東地方を拠点にする競走馬。現在は美浦トレーニングセンター1箇所
  3. ^ この遠征が、その後、3歳牝馬のアメリカ遠征という、新たな選択肢を増やしたことになり、その足跡を作った功績は大きい。

出典

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  1. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q ダンスインザムード”. JBISサーチ. 公益社団法人日本軽種馬協会. 2022年6月27日閲覧。
  2. ^ Dance In The Mood Horse Pedigree”. Thoroughbred Horse Pedigree Query. 2021年10月30日閲覧。
  3. ^ The 2006 World Thoroughbred Racehorse Rankings”. IFHA. 2021年10月30日閲覧。
  4. ^ ダンスインザムード引退、社台Fで繁殖入り”. ラジオNIKKEI. 2022年4月16日閲覧。
  5. ^ 平出貴昭 (2014年9月17日). “『覚えておきたい日本の牝系100』収録の全牝系一覧”. 競馬“血統”人生/平出貴昭. 2017年1月28日閲覧。

外部リンク

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