ゲパード
ゲパード(ハンガリー語: Gepárd)は、ハンガリーで開発された一連の遠距離狙撃銃[1]である。
ゲパードM3 | |
ゲパード | |
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種類 | 軍用ライフル |
製造国 | ハンガリー |
設計・製造 |
ハンガリー軍研究所(設計) MOMウォーターメジャリング・テクニック社 |
年代 | 現代 |
仕様 | |
種別 |
狙撃銃 対物ライフル |
口径 |
12.7mm 14.5mm |
銃身長 | 110cm |
使用弾薬 |
12.7x108mm B32 12.7x99mm NATO弾 14.5x114mm弾(M3のみ) |
装弾数 |
1発(M1) 5発(その他) 10発(GM6) |
作動方式 |
ボルトアクション方式(M1、M5) ロングリコイル(M2、M3、M4、GM6) |
全長 | 1,570mm |
重量 | 17.5kg |
発射速度 | 4発/分(M1) |
銃口初速 |
860m/s(12.7x108mm) 900m/s(12.7x99mm) 1,000m/s(14.5mm) |
有効射程 | 2km |
歴史 | |
設計年 | 1987年-1990年 |
製造期間 | 1991年-現在 |
配備期間 | 1991年-現在 |
配備先 | ハンガリー軍、ソ連軍、トルコ軍、クロアチア軍、インド軍 |
バリエーション |
M1A1 M1A2 M2 M2A1 M3 M4 M5 M6 GM6 |
ゲパード(Gepárd)とは「チーター」の意。
概要
編集ゲパードシリーズは、最初のモデルであるM1がハンガリー軍研究所[1]によって1987年に設計され、MOMウォーターメジャリング・テクニック社が製造している。
1991年からはハンガリー軍でも制式対物ライフルとして採用されており、国連軍として派兵されている部隊などで使用されている[1]。
初期のモデルはワルシャワ条約機構軍の重機関銃用弾薬、12.7x108mm弾薬のみを使用していたが、ハンガリーの自由化後、銃身に改良を施すなどし、NATO軍で使用されている12.7x99mm弾を使用できる輸出型も開発された。その後、ハンガリー軍もNATOの一員として活動するようになると、輸出型同様にハンガリー軍に制式採用されたゲパードM1は全て12.7x99mm口径に変更された。
特徴
編集元々、ゲパードM1は遠距離狙撃銃として開発されている[1]ため、優れた命中精度を誇る。
M1の作動方式はボルトアクション方式を採用しており、装弾数は1発のみとなっている。撃発メカニズムは独特であり、銃把部分に撃発メカニズムがまとめられており、先端には撃針が露出して取り付けられており、銃把がボルトハンドルを兼ねている。形状はシングルアクションの単発拳銃に近い[1]。弾薬の装填方法は、銃把を右方向に回転させて後方に引くことで撃発メカニズム部分を銃身から取り外し、その先端部分に弾薬を装着して機関部へ挿入する。最後は銃把を左方向に回して元に戻すことで完了する。排莢も同じ手順で行う。
ゲパードM2では手動ボルトアクションに代わりロングリコイル方式[2]の反動利用・セミオートマチックに変更され、以後M3、M4、M6、GM6にロングリコイル方式の機構が用いられている(M5はM1と構成は異なるが、同様のボルトアクション方式である)。
バリエーション
編集使用目的ごとに使い分けるため、様々なバリエーションが開発されている。
M1A1/M1A2
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M2
編集M1と同じく、ハンガリー軍研究所で開発された対物ライフル。ただし、M1とは違い純粋な対物ライフルとして設計されていて、分隊に配備することを前提にしており、兵員が1人で容易に運用できるよう、ブルパップ方式を採用し、弾倉を銃把の横に配置することで全長をできる限り短くしている。
作動方式はセミオートマチックで、機関部側面に5発もしくは10発の箱型弾倉を装填する。また、銃口に大型のマズル・コンペンセイターの装着をしたり、重い銃身を使用するなどして、反動を軽減する工夫を施している。
- 口径:12.7x108mm
- 全長:157cm
- 銃身長:1,100mm
- 重量:10kg
- 装弾数:5/10発+1
- 作動方式:ロングリコイル方式[2]
M3
編集M2を14.5x114mm口径に大型化したモデル。
M4
編集M2を改良した遠距離狙撃銃。作動方式はロングリコイル方式で、セミオートマチックである。ブルパップ方式を変更し、機関部と弾倉が銃把の前にある通常の形式になった。遠距離でも十分な精度を維持するため、機関部を大型化し振動を軽減させ、弾丸の銃身内弾道を安定させている。また、銃床は折り畳み可能なものとなった。
使用弾薬は12.7x108mmで、M1と同じくハンガリー自由化後に12.7x99mmの使用が可能なモデルの開発を行った。
- 口径:12.7x108mm/12.7x99mm
- 全長:1,450mm
- 銃身長:800mm
- 重量:17kg
- 装弾数:5発+1
- 作動方式:ロングリコイル方式
M5
編集M2をボルトアクション方式の単発式に変更したモデル。
- 口径:12.7x108mm/12.7x99mm
- 作動方式:ボルトアクション
M6
編集M4の使用弾薬を14.5x114mm弾とした口径拡大型。
GM6 Lynx
編集ゲパードシリーズの最新モデル。M2の改良型。ブルパップ方式を採用しており、作動はロングリコイル方式のセミオートマチック。銃身を手動で後退させて固定し、全長を短くした状態で携行でき、携行性を高めている。連射速度は高く、2秒で6連射ができるほど。
対物ライフルとしては小型軽量であり、立射姿勢で連射も可能なので、携行性と合わせると即応性は高い。
- 口径:12.7x108mm/12.7x99mm
- 全長:1,126mm(展開時), 928mm(短縮時)
- 銃身長:730mm
- 重量:11.5kg
- 装弾数:5,10発+1
- 作動方式:ロングリコイル方式
運用国
編集登場作品
編集ゲーム
編集- 『ARMA 3』
- AAFとCSATの二陣営の狙撃兵が装備。
- 『BLACK LAGOON』
- 単行本1巻でレヴィが攻撃ヘリ迎撃に使用。
- 『Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』
- アイン(エレン)がゲパードM1を用いて2,000ヤードの超長距離から狙撃を行う。テレビアニメ版『Phantom 〜Requiem for the Phantom〜』においても同様の描写がある。
- 『コール オブ デューティシリーズ』
小説
編集- 2巻「狙撃兵の話」で狙撃兵が使用。
- 単行本6巻の ”20260816テストプレイ”において、敵NPCの一人、ロックが使用。
参考文献・参照元
編集- 書籍
- 床井雅美:著『オールカラー 最新軍用銃事典』(ISBN 978-4890633036) 刊:並木書房 :刊 2013年
- 「パート8 アンチ・マテリアル、ロング・レンジ・スナイパー・ライフル」 p.515-517
- ハンガリー「ゲパード・モデル1パワー・スナイパー・ライフル/ゲパード・モデル2A1パワフル・セルフローダー・ディストロイング・ライフル/ゲパード・モデル4ハイ・パワー・セミ・オートマチック・スナイパー・ライフル」
- Webサイト