ケヴィン・オコネル(Kevin O'Connell, 1957年11月27日 - )は、アメリカ合衆国のサウンド・エンジニアである。ニューヨーク州ロングアイランド出身である。2016年の『ハクソー・リッジ』でアカデミー録音賞を獲得した。

ケヴィン・オコネル
Kevin O'Connell
生年月日 (1957-11-27) 1957年11月27日(67歳)
出生地 アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国 ニューヨーク州ロングアイランド
職業 サウンド・デザイナー
活動期間 1980年 - 活動中
配偶者 ヘザー・オコネル
受賞
アカデミー賞
録音賞
2016年ハクソー・リッジ
その他の賞
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生い立ちとキャリア

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ニューヨーク州ロングアイランドで生まれ、カリフォルニア州ロサンゼルスで育った[1]。18歳の時に母が音響部門の社長秘書を務めていた20世紀フォックス・スタジオに映写技師として入社する[2]

その後彼は労働組合の審査に落ちると1年間ロサンゼルス郡の消防士として働いた。1978年にワーナー・ハリウッド・スタジオ(サミュエル・ゴールドウィン・スタジオ)のマシンルームのオペレーターとなり[3][4]、『グリース』(1978年)などに携わった[4]。録音技術者となった彼は『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』(1980年)で初めてクレジットされた。さらに『スティーブ・マーティンの 四つ数えろ英語版』(1982年)で初めてサウンドミキサーとしてクレジットされた[1]

1993年にソニー・ピクチャーズにスーパーバイジング・サウンドミキサーとして入社し、『アルマゲドン』(1998年)、『スパイダーマン』(2002年)、『トランスフォーマー』(2007年)などに参加した[5]。2013年10月に彼はトッド・サウンデラックス英語版に雇われ、サンタモニカトッド=AO英語版部門で働いた[6]。2015年にオコネルはソニー・ピクチャーズに復帰した[5]

また映画芸術科学アカデミー理事会のサウンド・ブランチ代表の任期を全うした[6]

アカデミー賞

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アカデミー録音賞には2007年度までに歴代最多となる20作品で18回にわたって候補に挙がっていたが1度も受賞には至らず[7]、「アカデミー賞史上最も不運な候補者」と言われていた[8]。彼は第89回アカデミー賞で『ハクソー・リッジ』により初の受賞を果たした[7]

私生活

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2001年に結婚した[2]

受賞歴

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以下はアカデミー録音賞にノミネートされた際の作品である:

  1. 愛と追憶の日々 Terms of Endearment (1983) 『ライトスタッフ』に敗れる[9]
  2. デューン/砂の惑星 Dune (1984) 『アマデウス』に敗れる[10]
  3. シルバラード Silverado (1985) 『愛と哀しみの果て』に敗れる[11]
  4. トップガン Top Gun (1986) 『プラトーン』に敗れる[12]
  5. ブラック・レイン Black Rain (1989) 『グローリー』に敗れる[13]
  6. デイズ・オブ・サンダー Days of Thunder (1990) 『ダンス・ウィズ・ウルブズ』に敗れる[14]
  7. ア・フュー・グッドメン A Few Good Men (1992) 『ラスト・オブ・モヒカン』に敗れる[15]
  8. クリムゾン・タイド Crimson Tide (1995) 『アポロ13』に敗れる[16]
  9. ツイスター Twister (1996) 『イングリッシュ・ペイシェント』に敗れる[17]
  10. ザ・ロック The Rock (1996) 『イングリッシュ・ペイシェント』に敗れる[17]
  11. コン・エアー Con Air (1997) 『タイタニック』に敗れる[18]
  12. マスク・オブ・ゾロ The Mask of Zorro (1998) 『プライベート・ライアン』に敗れる[19]
  13. アルマゲドン Armageddon (1998) 『プライベート・ライアン』に敗れる[19]
  14. パトリオット The Patriot (2000) 『グラディエーター』に敗れる[20]
  15. パールハーバー Pearl Harbor (2001) 『ブラックホーク・ダウン』に敗れる[21]
  16. スパイダーマン Spider-Man (2002) 『シカゴ』に敗れる[22]
  17. スパイダーマン2 Spider-Man 2 (2004) 『Ray/レイ』に敗れる[23]
  18. SAYURI Memoirs of a Geisha (2005) 『キング・コング』に敗れる[24]
  19. アポカリプト Apocalypto (2006) 『ドリームガールズ』に敗れる[25]
  20. トランスフォーマー Transformers (2007) 『ボーン・アルティメイタム』に敗れる[26]
  21. 受賞 - ハクソー・リッジ Hacksaw Ridge (2016)[7]

参考文献

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  1. ^ a b Siemaszko, Corky (February 22, 2017). “Oscars 2017: Hollywood Sound Man Kevin O'Connell Hopes to End Record Drought”. NBC News. February 27, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。February 27, 2017閲覧。
  2. ^ a b Brownfield, Paul (March 24, 2002). “Sound Advice From a 14-Time Loser”. Los Angeles Times. オリジナルのFebruary 27, 2017時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/srcoW February 27, 2017閲覧。  Additional WebCitation archive on February 27, 2016.
  3. ^ Brownfield, Paul (March 24, 2002). “Sound Advice From a 14-Time Loser”. Los Angeles Times. オリジナルのFebruary 27, 2017時点におけるアーカイブ。. https://archive.is/srcoW February 27, 2017閲覧。  Additional WebCitation archive on February 27, 2016.
  4. ^ a b Petit, Stephanie (February 26, 2017). “Sound Mixer Nominated for an Oscar 21 Times Finally Wins for Hacksaw Ridge”. People. オリジナルのFebruary 27, 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170227044150/http://people.com/movies/kevin-oconnell-sound-mixer-oscar-nominations-no-wins/ February 27, 2017閲覧。 
  5. ^ a b Frazer, Bryant (May 6, 2015). “Renowned Mixer Kevin O’Connell Back at Sony Pictures After Seven Years Away”. StudioDaily.com. February 27, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。February 27, 2017閲覧。 Additional WebCitation archive on February 27, 2017.
  6. ^ a b “Veteran mixer Kevin O'Connell joins Todd-Soundelux”. Post. (October 8, 2013). オリジナルのJuly 10, 2014時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20140710144943/http://postmagazine.com/Press-Center/Daily-News/2013/Veteran-mixer-Kevin-OConnell-joins-Todd-Soundelu.aspx February 27, 2017閲覧。 
  7. ^ a b c Kevin O'Connell, Oscar's Biggest Loser, Finally Wins on 21st Try”. Yahoo! Movies (February 26, 2017). February 27, 2017時点のオリジナルよりアーカイブ。February 27, 2017閲覧。
  8. ^ “In praise of... Kevin O'Connell”. London: (Op-ed) The Guardian. (February 23, 2008). オリジナルのFebruary 2, 2017時点におけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20170202113558/https://www.theguardian.com/commentisfree/2008/feb/23/oscars2008 2008年2月26日閲覧。 
  9. ^ The 56th Academy Awards (1984) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月9日閲覧。
  10. ^ The 57th Academy Awards (1985) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月13日閲覧。
  11. ^ The 58th Academy Awards (1986) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月16日閲覧。
  12. ^ The 59th Academy Awards (1987) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月16日閲覧。
  13. ^ The 62nd Academy Awards (1990) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月17日閲覧。
  14. ^ The 63rd Academy Awards (1991) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月20日閲覧。
  15. ^ The 65th Academy Awards (1993) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月22日閲覧。
  16. ^ The 68th Academy Awards (1996) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月23日閲覧。
  17. ^ a b The 69th Academy Awards (1997) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年10月23日閲覧。
  18. ^ The 70th Academy Awards (1998) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月19日閲覧。
  19. ^ a b The 71st Academy Awards (1999) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月19日閲覧。
  20. ^ The 73rd Academy Awards (2001) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月19日閲覧。
  21. ^ The 74th Academy Awards (2002) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月19日閲覧。
  22. ^ The 75th Academy Awards (2003) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月20日閲覧。
  23. ^ The 77th Academy Awards (2005) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月20日閲覧。
  24. ^ The 78th Academy Awards (2006) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月20日閲覧。
  25. ^ The 79th Academy Awards (2007) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月20日閲覧。
  26. ^ The 80th Academy Awards (2008) Nominees and Winners”. oscars.org. 2011年11月22日閲覧。

外部リンク

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