オーストラリア (映画)
『オーストラリア』(Australia)はバズ・ラーマン監督の映画である。脚本はスチュアート・ビーティーとロナルド・ハーウッド、オーストラリアのスターのニコール・キッドマンとヒュー・ジャックマンが主役。撮影はシドニー、ダーウィン、カナナラとボーウェンで行われた。映画公開日は2008年11月13日にオーストラリア、同年11月16日にアメリカ合衆国、同年12月から他の国で公開され、日本では2009年2月28日に公開された。
オーストラリア | |
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Australia | |
撮影風景 | |
監督 | バズ・ラーマン |
脚本 |
バズ・ラーマン ロナルド・ハーウッド スチュアート・ビーティー リチャード・フラナガン |
原案 | バズ・ラーマン |
製作 |
バズ・ラーマン キャサリン・ナップマン G・マック・ブラウン |
出演者 |
ニコール・キッドマン ヒュー・ジャックマン デビッド・ウェナム ブライアン・ブラウン |
音楽 | デイヴィッド・ヒルシュフェルダー |
撮影 | マンディ・ウォーカー |
編集 |
ドディ・ドーン マイケル・マカスカー |
配給 | 20世紀フォックス |
公開 |
2008年11月26日 2009年2月28日 |
上映時間 | 165分 |
製作国 |
オーストラリア アメリカ合衆国 |
言語 | 英語 |
製作費 | $130,000,000[1] |
興行収入 | $211,342,221[1] |
あらすじ
編集第2次世界大戦勃発前、イングランド貴族のサラ・アシュレイ夫人(ニコール・キッドマン)は夫の最後の所有地である、オーストラリアの「ファラウェイ・ダウンズ」という牧場に向かっていた。1年も夫はロンドンに帰ってこないのだ。
オーストラリア北部の町、ダーウィンに水上機で着いた彼女を待っていたのは、バーで殴り合いの喧嘩をしていたカウボーイだった。ドローヴァー(牛追い)の名前でしか知られていないそのカウボーイ(ヒュー・ジャックマン)とともに一路ファラウェイ・ダウンズに向かうサラ。
しかし、彼女をファラウェイ・ダウンズで待っていたのは、夫の亡骸と荒れ果てた牧場だった。そこの管理人ニール・フレッチャーと、このあたりを牛耳り、アシュレイ家と敵対する大牧場主キング・カーニーが結託して、牛を盗んでいったのだった。彼女に残された道は、残った1500頭の牛を遠く離れたダーウィンの港へ持って行き、軍との食料用牛肉の契約をすることだけだった。
アボリジニの呪術師キング・ジョージに見守られながら、混血少年ナラたちとの旅が始まる。ようやく到着したダーウィンで牛の売買契約が軍とまとまる。カーニーは牧場を買い取りたいというが、サラは拒否。街でアボリジニ保護のための資金を集めるダンス・パーティが開かれ、サラとドローヴァーは互いに惹かれあう。ナラとの3人の生活が始まるが、感情のすれ違いが起こり、ドローヴァーはサラのもとを去る。キング・ジョージと成人儀式で旅に出ていたナラが警察に捕えられ、サラはダーウィンに向かうが、第二次大戦が勃発。ナラのいるミッション・アイランドは日本軍の最初の攻撃目標で、ドローヴァーはサラとナラを救うために向かう。戦火の中で3人は再会。サラの夫を殺した真犯人の魔の手もキング・ジョージが阻止する。こうして3人は新たな関係へと踏み出していく。
登場人物
編集- レディ・サラ・アシュレイ
- 演 - ニコール・キッドマン、日本語吹替 - 岡寛恵
- イングランド貴族。オーストラリア北部の牧場「ファラウェイ・タウンズ」を亡き夫から相続した。
- ドローヴァー
- 演 - ヒュー・ジャックマン、日本語吹替 - 山路和弘
- 野性味あふれるオーストラリア人のカウボーイ。本名は劇中では不明。レディ・サラ・アシュレイから道案内として雇われた。アボリジニの女性と結婚していたことがあるため、白人社会からは異端視されている。
- ニール・フレッチャー
- 演 - デビッド・ウェナム、日本語吹替 - 牛山茂
- レディ・サラ・アシュレイの牧場の支配人。実はキング・カーニーの手先で卑劣な男。サラに対してなおも執拗に土地建物を押し買いしようとし、ナラを殺そうとするが、ナラの近親者に討たれて死ぬ。
- キング・カーニー
- 演 - ブライアン・ブラウン、日本語吹替 - 小川真司
- 北オーストラリア一帯の大半の土地を所有している大地主。戦争を利用して一儲けを企む。
- キプリング・フリン
- 演 - ジャック・トンプソン、日本語吹替 - 宝亀克寿
- アルコール中毒の老会計士。
- ナラ
- 演 - ブランドン・ウォルターズ、日本語吹替 - 木村亜希子
- 「ファラウェイ・タウンズ」の使用人の子で、白人とアボリジニとのハーフの少年。ダーウィンへの旅でサラと同行する。実の父親は不明だったが、後半である人物であることが明かされる。
- キング・ジョージ
- 演 - デイヴィッド・ガルピリル
- アボリジニの老人でナラの祖父。どこからともなく現れナラを見守る。「ガラパ」と呼ばれるアボリジニの呪術師。
- キャサリン・カーニー
- 演 - エッシー・デイヴィス
- キング・カーニーの娘。物語後半でフレッチャーと結婚。
- マガリ
- 演 - デヴィッド・ングームブージャラ、日本語吹替 - 石住昭彦
- ダットン大尉
- 演 - ベン・メンデルソーン、日本語吹替 - 大滝寛
- バーカー博士
- 演 - ブルース・スペンス、日本語吹替 - 仲野裕
製作の背景
編集2005年5月、ラッセル・クロウとニコール・キッドマンが直接20世紀フォックスにバズ・ラーマン監督、映画脚本作家スチュアート・ビーティーによる映画の出演交渉に赴いた。だが、ラッセル・クロウは出演できず、ヒュー・ジャックマンが出演することになった。
製作に取り掛かったのは2006年9月だが、予算などの問題で2007年2月から始まった。ニコール・キッドマンは当時妊娠中であったが降板せず、撮影を無事終えた。
史実との差異
編集日本軍がオーストラリアに上陸し、子供を救いに来たオーストラリア人(アボリジニ)を取り囲み殺すシーンがあるが、これはフィクションである。日本軍は継続的にダーウィンを空爆し、その沖合70キロにある「伝道の島(Bathurst Island)」も攻撃したことがあるが、オーストラリア大陸には上陸していない。
評価
編集興行収入
編集北米では2642館で公開され、約1400万ドルで初登場5位を記録。
オーストラリアでは国内最大の643館で公開され、約40万オーストラリア・ドルで初登場1位を記録。2009年2月現在で約3679万オーストラリア・ドルの興行となり、オーストラリアでの2番目に高い興行収入となっている[2]。
賞歴
編集- 受賞
- サテライト賞:美術賞、撮影賞、視覚効果賞
- ノミネート
- アカデミー賞:衣装デザイン賞
参考文献
編集- ^ a b “Australia (2008)”. Box Office Mojo. Amazon.com. 2010年3月6日閲覧。
- ^ http://www.varietyjapan.com/news/movie/2k1u7d00000jtseg.html