オキシデンタル・ペトロリアム
オキシデンタル・ペトロリアム(Occidental Petroleum Corporation、略称:オクシー、OXY, NYSE:OXY)は、アメリカ合衆国の石油、ガス及び化学関係企業。
種類 | デラウェア州株式会社 |
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市場情報 | |
業種 | 石油化学・食品 |
設立 | 1909年6月 |
本社 | アメリカ合衆国 テキサス州ヒューストン |
主要人物 |
Vicki Hollub, CEO & President Cedric W. Burgher, CFO Eugene L. Batchelder, Chairman |
製品 | 化学物質 |
生産出力 | 一日当たり3,512 thousand石油換算バレル (21,490,000 GJ) (2021) |
売上高 | US$26.314 Billion (2021年12月期)[1] |
営業利益 | US$2.790 Billion (2021年12月期)[1] |
利益 | US$2.332 Billion (2021年12月期)[1] |
総資産 | US$75.036 Billion (2021年12月期)[1] |
純資産 | US$20.327 Billion (2021年12月期)[1] |
所有者 | バークシャー・ハサウェイ (20.2%) [2] |
従業員数 | 11,618 (2021年12月期)[1] |
ウェブサイト |
oxy |
脚注 / 出典 [3] |
概要
編集1920年に創業され、その後大富豪、政商として知られるアーマンド・ハマーが、ソビエト連邦との貿易で得た莫大な資産を元に経営権を握った。「石油メジャー」と呼ばれる7大石油会社に次ぐ規模の独立系石油会社である。本社はテキサス州ヒューストンに所在する。
歴史
編集当初は化学製品の処理などを行っていたが、第二次世界大戦後にアーマンド・ハマーが経営権を握ると、当時すでに世界有数の産油量を誇っていたイランや、イドリース1世国王の下で積極的に油田開発を進めていたリビアとの石油開発・取引や、北海油田の開発などにも手を伸ばし、莫大な資産を得て、いわゆる「セブン・シスターズ」に次ぐ規模にまで拡大した。
しかしその後、1969年9月にイスラム社会主義革命を起こしたリビアのカダフィ大佐がリビア以外に有力油田を持たなかったオクシデンタルと交渉し、1974年にカダフィ政権が初めて署名した外国企業との契約である石油探査協定を締結した[4]。その後、リビアとアメリカは断交し、アメリカは経済制裁を発動し、渡航禁止措置を行ったことで、リビアにあった同社の資産はすべて接収・国有化され大打撃を受けて北海油田地を中心とした収益モデルへと移行を進めた。
しかし、2004年にアメリカ政府による渡航禁止措置が解除され、2005年1月に行われたリビアの石油・ガス権益入札でオクシデンタルとアラブ首長国連邦のアブダビ国営石油会社の連合がその多くを制してリビアへの本格的な復帰が期待されたが、2011年6月からリビア政府との癒着で追及を受け[5][6]、10月にはアラブの春でのカダフィ政権の崩壊による混乱から撤退を決定した。
2005年、ヴィンテージ石油(Vintage Petroleum)を38億ドルで買収[7][8]。2008年にはプレーンズ・オールアメリカンパイプライン(Plains All American Pipeline)の株式を10%取得[9]。2019年には、アンダルコ石油(Anadarko Petroleum)を570億ドルで買収、世界で4番目に巨額のエネルギー関連企業買収となった[10]。
2022年11月5日、バークシャー・ハサウェイの持分法適用会社となることが発表された[11]。
2023年に直接空気回収技術を持つカーボン・エンジニアリング社を11億ドルで買収[12]。
事故
編集1988年7月6日に、同社がイギリスの北部海上で運営する北海油田の海上油田プラットフォームである「パイパー・アルファ」がガス漏れにより爆発、大破し167人が死亡するという大惨事になった。
食品メーカーという側面
編集Fortune87年4月27日号・全米メーカー・トップ500では、食品メーカーの売上高で153億ドルを記録して首位に君臨した。2位のクラフトフーヅは87億ドルであった。カーギル、コンチネンタルグレイン、ルイ・ドレフュスという三大穀物商社とのコネクションに物を言わせた結果として論じられる[13]。
脚注
編集- ^ a b c d e f “Occidental Petroleum Corporation 2021 Annual Form 10-K Report”. occidentalpetroleum.gcs-web.com (31 December 2021). March 5, 2022時点のオリジナルよりアーカイブ。5 March 2022閲覧。
- ^ “Berkshire Hathaway boosts Occidental Petroleum stake above 20%”. ロイター. August 8, 2022閲覧。
- ^ “Occidental Chemical Corporation 2020 Form 10-K Annual Report”. U.S. Securities and Exchange Commission. April 11, 2021時点のオリジナルよりアーカイブ。July 13, 2022閲覧。
- ^ “Occidental-Libya Exploration Pact Set” (英語). The New York Times. (February 8, 1974). ISSN 0362-4331. オリジナルのOctober 11, 2022時点におけるアーカイブ。 February 3, 2022閲覧。
- ^ Ruffel, Benjamin. "Internal Report Shows Even Before War, Libya's SWF Was in Chaos". Asset International. Retrieved 2011-11-29.
- ^ Vasan, Paula. "UK Prosecutors Team Up With SEC to Investigate Bribery Among SWFs". Asset International. Retrieved 2011-11-29.
- ^ "Occidental Agrees to Acquire Vintage Petroleum" (Press release). Business Wire. 13 October 2005. 2019年4月24日時点のオリジナルよりアーカイブ。2019年2月28日閲覧。
- ^ Douglass, Elizabeth (October 14, 2005). “Oxy Agrees to Acquire Vintage Petroleum”. Los Angeles Times. オリジナルのFebruary 25, 2021時点におけるアーカイブ。 March 15, 2020閲覧。
- ^ “Occidental Petroleum to invest in Plains All American”. American City Business Journals. (July 2, 2008). オリジナルのFebruary 3, 2019時点におけるアーカイブ。 October 23, 2017閲覧。
- ^ Vara, Vasanthi (June 19, 2019). “The biggest ever mergers and acquisitions in the oil and gas industry”. Offshore Technology. オリジナルのOctober 19, 2020時点におけるアーカイブ。 August 9, 2019閲覧。
- ^ 「バークシャー、オキシデンタルに今期から持分法適用 増益効果も」『Reuters』2022年11月7日。2022年11月7日閲覧。
- ^ “Occidental to Acquire DAC Firm Carbon Engineering for $1.1B” (英語). www.rigzone.com. 2023年8月16日閲覧。
- ^ 広瀬隆 『ジキル博士のハイドを探せ データベース全地球取材報告』 1988年4月 (ダイヤモンド社) 図13 食品メーカー・トップ10相関図
関連項目
編集- アル・ゴア
- ヒューストン・アストロズ - 2023年シーズンよりユニフォームの袖スポンサーを務める。