株式会社アスペクト(英称:Aspect Corporation)は、かつて存在した日本出版社。本社は東京都台東区に所在。

アスペクト (企業)
正式名称 株式会社アスペクト
英文名称 Aspect Corporation
現況 事業停止
市場情報 非上場
出版者記号 89366、7572
取次コード 0299
法人番号 2010001160831 ウィキデータを編集
設立日 1985年12月
代表者 破産管財人 富岡武彦[1]
本社郵便番号 110-0005
本社所在地 東京都台東区上野7-11-6 上野中央ビル6階
ネット販売 自社サイト、オンライン書店
定期刊行物 #雑誌を参照
出版以外の事業 Webマガジン、電子書籍の発行ほか
関係する人物 西和彦(オーナー[2]
塚本慶一郎(元社長)
外部リンク 総合出版社アスペクト at the Wayback Machine (archived 2023-06-06)
テンプレートを表示

沿革

ファミ通』系の書籍・雑誌の発行に関しては、トーハン日販などの取次会社に対して岩波書店と同様の「書店からの返本を認めない販売」のみの契約しか持っていなかった、(旧)アスキー[注 1]の「販売窓口」のような存在であり、実際に編集製作を行っていたのはアスキーである。

  • 1985年12月 - (旧)アスキーの子会社として株式会社ビジネス・アスキーを設立。後にゲーム攻略本などアスキーの雑誌『ファミ通』の関連書籍を発売するようになる。
  • 1991年 - 株式会社アスペクトに商号変更。
  • 1993年 - アスキーのファンタジー文芸雑誌LOGOUT』関連の文庫レーベル・ログアウト冒険文庫を創刊する。
  • 1995年 - アスキーのパソコンゲーム雑誌『ログイン』から分離したアダルトゲーム雑誌『E-LOGIN』を創刊。
  • 1996年 - アスキーの『TECH Win』から分離したアダルトゲーム雑誌『TECH GIAN』を創刊、前年創刊のE-LOGINとの社内競合状態は両誌がエンターブレインに譲渡された後の2003年末まで続く。
  • 1998年7月 - 前年に創刊したコンピュータゲームノベライズ作品を扱うレーベル・ファミ通ゲーム文庫及び、ログアウト冒険文庫の後継ながら短命に終わったログアウト文庫を統合しファミ通文庫を創刊。
  • 1999年3月 - 株式会社スパイクの出版事業を継承。
  • 2000年 - アスキーのグループ再編により雑誌やゲーム攻略本・ファミ通文庫などの事業をエンターブレインに譲渡。これに伴い、ゲームやコンピュータ関連書籍中心の路線から一般書籍中心の総合出版社に転換する。
  • 2002年 - 旧アスキーグループがユニゾンキャピタルに買収されたことに伴い、グループを離脱しセガ傘下となる。
  • 2004年 - セガグループから独立。
  • 2004年7月 - BS-i(現 BS-TBS)にてテレビ番組「BQ」の制作・放送開始(〜2006年3月まで)。
  • 2005年2月1日 - 同社Webサイト「アスペクトONLINE」を全面改修し、商品カタログの充実とEC機能の強化を図る。リニューアル後Webマガジン、特集記事、著者インタビューを数多く立ち上げる。
  • 2007年5月 - 電子書店アスペクトをオープン。国内外約700社、8万数千点のデジタルコンテンツおよび電子書籍の販売サイトを開設[3]
  • 2008年10月 - デジタルメディア事業部門を分社化し、全額出資子会社として「アスペクトデジタルメディア株式会社」を設立[広報 1]
  • 2008年11月 - 「コンテンツ大国、日本の売れ筋が一目で分かる」を基本コンセプトにしたランキングデータ比較サイト「ランキング ニッポン」をオープン[広報 2]
  • 2008年12月 - アスペクトデジタルメディア株式会社のオリジナル電子書籍、デジタルコンテンツの販売サイトを開設。同月、B2B事業として、DRMソリューション「電子書店アスペクトコンテンツデリバリーシステム」のSaas、ASPサービスの詳細を記者発表。コンテンツホルダー向けB2Bサービスを開始。
  • 2015年11月 - 株式会社アスペクト・エス・ピー・シーの出版事業を株式会社アスペクトが継承。
  • 2023年3月 - 株式会社アスペクト・エス・ピー・シーと株式会社アスペクトが破産手続きを開始[1]。連帯保証人となっていた西和彦も破産を申し立てられた[4]

主な発行物

雑誌

Webマガジン

  • 織田哲郎Project2007 - 2007年4月スタート。作曲家、アーティスト、音楽プロデューサー織田哲郎のロングインタビューが連載中。
  • 岡本翔子著「完全版 心理占星学入門」読者専用ホロスコープ作成サイト
  • 作家・角田光代 つれづれ雑記 - 2007年12月スタート。作家・角田光代の日記を公開。2005年10月からのバックナンバーも用意している。
  •  社会派くんがゆく! - 2007年11月リニューアル。唐沢俊一村崎百郎による対談形式の社会時評。
  • 写真家内山英明公式Webサイトunderground - 2005年12月オープンの同社が運営するウェブサイト。第25回伊奈信男賞(2000年)、第25回土門拳賞(2006年)受賞の写真家内山英明の作品を紹介している。
  • フューチャー・グラフィックス (Future Graphics) - 同社発行のCG関連書籍連動の無料サンプルデータを提供しているサービスサイト。2007年12月リニューアル。
  • 成功するインド株 - 2005年8月連載開始のインド株攻略法を徹底解説したWeb連載(全20回)。
  • 豊崎由美×永江朗 「書評ほどオイシイ商売はない!?」 - 面白い小説に出合う方法から、ブックレビューの役割、そして出版業界の裏話まで、縦横無尽のトークバトル(全4回)。
  • 水道橋博士×唐沢俊一 特別対談「博士の異常な健康」鑑定(全6回)
  • 持たない暮らし - ベストセラー『持たない暮らし』の著者金子由紀子を囲んでの鼎談(全5回)。
  • 『百年の誤読 海外文学篇』刊行記念特別鼎談 岡野宏文×豊崎由美 ゲスト:鴻巣友季子

レーベル

脚注

注釈

  1. ^ 一般に「アスキー」として知られている企業は、法人格としては2002年に入れ替わっている。詳細は、アスキー (企業) の記事を参照。

出典

  1. ^ a b (株)アスペクト・エス・ピー・シーなど2社/破産手続き開始決定<東京>”. JC-NET(ジェイシーネット). 2023年3月24日閲覧。[出典無効]
  2. ^ 松井克明 (2018年7月3日). “アスペクト、作家が印税未払いを告発…一斉に出版契約解除、オーナーはあの有名起業家?”. ビジネスジャーナル. 2019年4月24日閲覧。
  3. ^ 「電子書店アスペクト」2007年5月7日(月)グランドオープン!』(プレスリリース)株式会社アスペクト、2007年5月7日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000001.000000166.html2020年7月2日閲覧 
  4. ^ 中村正毅 (2023年6月21日). “アスキー創業者、西和彦氏が見た「天国と地獄」 借金40億円経験、出資先の経営悪化で破産も”. 東洋経済Online. 2023年7月25日閲覧。
  5. ^ 「猫ぐらし」、アスペクト、2012年、全国書誌番号:01035895

広報資料・プレスリリースなど一次資料

  1. ^ アスペクトデジタルメディア株式会社設立のお知らせ』(プレスリリース)株式会社アスペクト、2008年11月11日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000000166.html2020年7月2日閲覧 
  2. ^ コンテンツ大国日本の売れ筋が一目で分かるランキングデータ比較サイト「ランキング ニッポン」オープン!』(プレスリリース)株式会社アスペクト、2008年12月20日https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000000166.html2020年7月2日閲覧 

外部リンク