犬夜叉の登場人物
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犬夜叉一行
- 犬夜叉(いぬやしゃ)(声優:山口勝平、初代サンデーCM劇場の声優:関俊彦)
- 本作の主人公。人間である母・十六夜と、妖怪である父・闘牙王(父母の名前は映画版のみの設定)の間に生まれた少年。人間でも妖怪でもない半妖である。口調はきつく暴れん坊だが、根は優しい。半分犬妖怪なので犬耳を持ち、犬っぽい仕草もするが、犬扱いされると怒る。暴れん坊であるため、犬夜叉には外せない言霊の念珠を首に掛けられており、かごめが「おすわり」と言うと地面に叩きつけられてしまう。かつて桔梗と愛し合っていたが、かごめと出会ってからはかごめに恋心を抱くようになる(劇場版では変化して凶暴化している最中とはいえ、キスもすませている)。しかし、桔梗とかごめの2人の女の間でどっちつかずの状態であり、そのたびにかごめを傷つけている。普段纏っている赤い衣と袴は、火鼠の毛を織ったもので、火や毒を防ぐ強力な鎧となる。「鉄砕牙(てっさいが)」という父が遺した妖刀を主な武器とするほか、爪で攻撃する散魂鉄爪(さんこんてっそう)、己の血に妖力を込め刃として飛ばす飛刃血爪(ひじんけっそう)等の技を使う。鉄砕牙は、「風の傷」や「爆流破」等、それ自体が驚異的な破壊力を秘めた“斬る刀”である他、斬った相手の能力を自らの一部に取り込む能力を持っており、刀身が赤く光る「結界破りの鉄砕牙」や、金剛石の槍を飛ばす貫通力に秀でた攻撃技「金剛槍破」、相手の妖気を吸収・決壊させる「竜燐の鉄砕牙」を現時点で習得している。犬夜叉は父から受け継いだ妖怪の血が強力すぎるため、危機にさらされると妖怪の血が体を支配し、凶暴化してしまう(鉄砕牙はこれを抑える為の物でもあるので、手放すとコントロールが効かなくなる恐れもある)。その姿は目が赤く、爪もいつもより鋭く尖り、頬に紫色の爪痕のような痣が出た、恐ろしげな姿になる。しかし、言葉は話せるようである。また、半妖は月に一度、妖力が消えて人間になる日があり、犬夜叉の場合は朔の夜(新月)がそれに当たる。爪、牙は消えうせ、髪も普段の銀髪とは違い黒になり、さらには鉄砕牙の変化も出来なくなる。半妖にとってその日を知られることは命取りになる為、絶対に他人に教える事は無い。しかし、彼の仲間たちは知っている。強い信頼感があってこそであろう。殺生丸は以前から知っていたようだが、現在では鋼牙一行はおろか奈落にも知られてしまっている。桔梗の最期を看取った後、連載当初から見せていた犬夜叉とかごめの関係に変調が見られ、一部のファンをヤキモキさせたが、その後、かごめと互いの想いを再確認し、「命をかけておまえを守る」と宣言した。年齢は人間換算で15歳。
- 日暮かごめ(ひぐらし かごめ)(声優:雪野五月、初代サンデーCM劇場の声優:岩男潤子)
- 本作のヒロイン。現代の神社に住む女子中学生で、桔梗の生まれ変わり。家族構成は祖父、母、弟の4人暮らし(父は不明)。15歳の誕生日に、家の近くにある井戸から妖怪に引きずり込まれて戦国時代にやってきた。四魂の玉の気配を感じる、弓矢で妖怪を打ち倒す、妖怪の邪気を浄化するなど、桔梗譲りの様々な神通力を使える。度胸があるのか場慣れしたのか、凶悪な妖怪に接しても怖気づかない。受験生でもあるためか、戦国にいても勉強を怠らない。普段は大人びた言動を取るが、15歳の少女らしく恋愛に心を向ける時もある。何度も妖怪と戦い、危機を乗り越えて行くうちに、いつしか犬夜叉に恋心を抱くようになった。犬夜叉の近くで「おすわり」と言うと、犬夜叉の首に付けられた言霊の念珠(ことだまのねんじゅ)が反応して、犬夜叉は地面に叩きつけられる。犬夜叉が暴れたり鋼牙たちと喧嘩したりすると、かごめはこれで鎮める。変化した時もこれで鎮めて元に戻した事がある。桔梗の死を救えなかったことを強く後悔しており、犬夜叉との関係も危惧されたが、自分の身を案じ「戦いが終わるまで現代にいた方が良い」との犬夜叉の提案を退け「ずっとそばにいる」と決意。犬夜叉と想いを通わせることができた。しかしその直後、「この時私は、二つの時代のどちらかを選ぶ日がくるとは思わなかった」という回想めいたモノローグがあり、物語がいよいよ終盤を迎えたことが明らかとなった。現在、受験中。年齢は15歳。
- 弥勒(みろく)(声優:辻谷耕史、高城元気(少年時代))
- 女たらしの不良法師。他人と深く拘る事を避け、犬夜叉達と出会うまでは仇敵(奈落)を探し独りで旅をしていた。一行の中では最年長である。出会った美女の手を握り「私の子を産んでくだされ」と口説くのはもはや条件反射である(奥義皆伝には、軟派成功率90%以上と記載されている。しかし珊瑚に��しては無かった)。手にしている錫杖で犬夜叉の鉄砕牙と互角に打ち合う力を持つが、最大の武器は右手の平にある「風穴(かざあな)」。これは祖父が奈落の呪いによって穿たれたもので代々受け継がれており、普段は数珠で封印されている。風穴はブラックホールの如く何でも吸い込むが、年々大きくなり、いずれは自分自身をも吸い込み死んでしまうという諸刃の剣でもある。奈落を倒さない限り、この呪いが解かれることはない。また最猛勝などの毒や邪気の強いものを吸い込むと、体が冒されてしまう。現在、珊瑚との恋愛が確認されており、第30巻で、「奈落を倒したら私とともに生き・・・私の子を生んでくれないか。」とプロポーズとも受け取れる発言をし、35巻では妖怪に連れ去られた珊瑚を取り戻す時の勢いで「俺の女」とまで言った。その後の奈落との戦いで、瘴気を風穴で大量に吸い込んでしまい、瘴気の傷が心臓付近にまで達したが、桔梗に浄化を施され一応回復。しかし、その際に桔梗に、風穴を使うたびに体内の浄化しきれなかった瘴気の傷が広がり、それが心臓に達すれば命がつきる、と宣告される。弥勒自身がこのことを口外する事を拒んでいるため、この事実を知っているのは、治療及び宣告をした桔梗のみに留り、犬夜叉一行は瘴気の傷は完治したと思っていた。しかし戦力として役に立たない自分にジレンマを感じ、珊瑚の飛来骨を直すために訪れた仙人(薬老毒仙)のもとで、痛みを感じなくする薬を飲んだ。ただこの薬は、毒を無効にするのではなく、あくまでも痛みを取るだけのためリミッターを外してしまった事になる。この事実を知っているのは、その場に居合わせた犬夜叉のみで、今後の戦いに大きな影響を及ぼすと思われる。年齢は18歳。
- 珊瑚(さんご)(声優:桑島法子)
- 奈落の陰謀によって滅ぼされた妖怪退治屋の里の生き残りで、弱冠16歳にして里一番といわれるほどの腕前を持つ見目麗しい少女。弟の琥珀(こはく)は奈落に囚われていた。雲母をパートナーとして連れている。飛来骨(ひらいこつ)という巨大ブーメランのような武器を使う。また腰の刀や腕に仕込んだ刃の他、妖怪退治の際の装束には毒などさまざまな武器や道具を隠し持っている。飛来骨は持ち主の身長くらいあるが、実際にこの大きさでもブーメランは戻ってくることが、映画公開記念の特別番組で実証されている(このとき使用された「飛来骨」は、珊瑚役の声優桑島法子にプレゼントされた)。非常に弟思いで、たった一人の肉親となった琥珀の事を常に気に掛けては、思い悩む日々を過ごす。彼が記憶を取り戻し、奈落の手から一応解放された後も、その命を繋ぐ四魂のかけらが奈落を倒す切り札となっている事、また四魂の玉の完成無くしての戦いの終結が見えない事への強い不安と悲しみにかられている。現在、弥勒との恋愛が確認されており弥勒を助けるために飛来骨に溶毒を塗り、妖怪を退治したこともあった(その後飛来骨は薬老毒仙のもとで直した)。『犬夜叉 奥義皆伝』には、弥勒にとっての唯一無二と記載がある。しかし、弥勒は現在でも浮気する為、その度珊瑚は嫉妬する(だが『子を産んで欲しい』の台詞は、プロポーズ以降口にしていない)。弥勒が奈落から受けた瘴気の傷は、飛来骨を直しに訪れた薬老毒仙のもとで飛来骨の魂たちに告げられるが、うすうす感づいていたためか驚かなかった。弥勒が痛みを感じなくする薬を飲んだことは知らない。年齢は16歳。
- 七宝(しっぽう)(声優:渡辺久美子)
- 子狐妖怪。犬夜叉一行の中では最年少である。父親の仇である雷獣兄弟を犬夜叉が討ったことで仲間になった。可愛らしい姿の子どもだが性格は少しませており、犬夜叉に余計な事を言ってはいつも殴られている。自分も妖怪なのに妖怪を恐れるなどかなり臆病で、「~じゃ」などの年寄りくさい喋り方をする。最近は弥勒の肩の上に乗り、弥勒の子分のような存在になっていることも。旅の途中で出会った、戦で兄を亡くした少女・サツキに恋心を抱いている。そのサツキが初恋の人であったはずがアニメオリジナルストーリで別の女の子にも好意をよせて「初恋の相手だったのに」と発言し忘れっぽいのか弥勒のような女好きなのかと思わせる節がある。犬夜叉のTVゲームの攻略本にはかごめが好きで付いてきたとの記載があるが恋愛感情というよりも母親か姉のような好意のようである。狐火や様々なものに変身できる他、狐妖術(幻術)を使うが、こけおどし程度にしかならない。ちなみに、変身した時の姿は全て、ギャグ漫画のような可愛らしい姿になる事が共通している。「おらがしっかりせねば」が口癖。体重は4kg、人間換算年齢は7歳。
- 雲母(きらら)
- 珊瑚と一緒にいる猫又。普段は可愛い子猫のような姿だが、戦闘時には巨大化し、牙を持つ化け猫になる。本来は珊瑚の下僕で、人間の言葉も良く分かるという賢しい妖怪。巨大化すると珊瑚たちを乗せて空も飛べる。滅ぼされた退治屋の里でただ一匹生き残っていた。アニメ版では、かつて翠子にも仕えていたような描写がある。
犬夜叉たちの協力者
- 楓(かえで)(声優:京田尚子)
- 桔梗の妹。村の巫女をしている隻眼の老女。犬夜叉に言霊の念珠をかけた。かごめが桔梗の生まれ変わりであることを見抜き、犬夜叉とかごめを四魂のかけら集めの旅に出した。刀の鍔の眼帯で覆った右目は、原作では不明だが、アニメ版では犬夜叉が封印される少し前、妖怪に襲われて失ったもの。
- 冥加(みょうが)(声優:緒方賢一)
- 犬夜叉の父と犬夜叉に仕える蚤妖怪。蚤であるため、登場するときは大抵誰か(主に犬夜叉)の血を吸い、潰される。また吸血によって気付けや毒を吸い出すこともでき、大量に吸血すると人の顔くらいの大きさにまで膨れ上がる。豊富な知識を持っているが、危険が迫ると真っ先に逃げ出してしまう。その危機察知能力は「冥加が逃げないのなら安全」と言われたほど。普段は主に刀々斎の住処にいる。鉄砕牙と天生牙の秘密を知っている。
- 刀々斎(とうとうさい)(声優:八奈見乗児)
- 妖怪の刀鍛冶。犬夜叉の父の依頼で、彼の牙から息子達への形見の刀「鉄砕牙」「天生牙」を作った。顔を膨らませて口から火を吹く、手にした金槌で地面を溶岩にするといった火を司る能力を持つ。それらを刀を鍛えるのにも利用する。猛々(もうもう)という名の、空を飛べる三つ目の牛を乗り物とし、火山帯と思われる山中にある、巨大な魚の骨で出来た工房に住んでいる。天生牙が鉄砕牙から切り捨てられた部分だと知った殺生丸に攻撃され、這々の体で逃げ延びる。刀鍛冶としての腕は、右に出るものは居ない。
- 宝仙鬼(ほうせんき)(声優:大友龍三郎)
- 宝石をつかさどる妖怪。あの世とこの世の境につながる黒真珠は彼の手により作られた。寿命で死に、息子が跡を継いでいたが、あの世とこの世の境で犬夜叉に金剛槍破を伝授する。体は金剛石で並みの攻撃はまるで通用しない。
- 八衛門狸(はちえもんだぬき)(声優:中嶋聡彦)
- 弥勒に足でこき使われる狸で、一行の乗り物代わりにも使われる事もあるが、弥勒を「旦那」と呼び慕う舎弟でもある。弥勒がかごめの四魂の欠片を狙った時、目晦ましとして使われた。偶に弥勒に反抗するが、逆にボコボコにされる。かなり昔からの知り合いらしい。
- 夢心和尚(むしんおしょう)(声優:藤本譲)
- 弥勒の父亡き後、お師匠様で育ての親にして、飲んだくれの生臭坊主(アルコール依存症のフシがある)。弥勒に酒や、女遊びなど、良いことも悪いことも全て教えた。弥勒の風穴を手当てできる唯一の人物。
桔梗関連
- 桔梗(ききょう)(声優:日高のり子)
- 犬夜叉の想い人。50年前に四魂の玉を守っていて、犬夜叉を封印した巫女。弓矢の名手で、破魔矢で敵を浄化する。犬夜叉と愛し合っていたが、奈落の陰謀によって犬夜叉と相討ちになった。鬼女裏陶の術により、骨と墓土の体でこの世に蘇った。登場初期は自分を成仏させようとした僧侶を殺したり、犬夜叉を道ずれに地獄へ堕ちようとしたり、恋敵であるかごめを殺そうとしていた。当初は犬夜叉に怨念を持っていたが、18巻では、それが消えた模様。それ以後は、成仏できずにいた白心上人を救うなど、巫女らしい行動を取る。原作と映画で殺生丸と遭うこともあったが映画で少し話しただけだった。奈落を狙っていたが、再び奈落に殺された。その死に際には犬夜叉に見取られて普通の女になれたと悔いなく成仏したようである。逝去とともに、奈落の持つ四魂の玉に一筋の清浄な光を残しており、その光が奈落を滅する働きをするのではないかと目されている。享年18。アニメのオリジナルストーリーでは生前、犬夜叉に母・十六夜の形見である紅差しを渡された。
- 死魂虫(しにだまちゅう)
- 桔梗の体を動かすための死魂を運ぶ妖怪。常に数匹が桔梗に付き従っており、桔梗を乗せて空を飛んだりすることもある。
- 胡蝶(こちょう)/飛鳥(あすか)(声優:増田ゆき/清水香里)
- 桔梗の式神である死魂虫。「「ハチエモン」」
殺生丸一行
- 殺生丸(せっしょうまる)(声優:成田剣)
- 犬夜叉の異母兄であり、純血の妖怪。大妖怪の血を色濃く受け継いでいるため他の妖怪と比べものにならないほど全ての能力が秀でており、妖怪の妖力を高める四魂の玉を必要としないほど妖力が強い。半妖である犬夜叉の事を蔑んでおり当初は、鉄砕牙を奪うため犬夜叉に何度も襲い掛かってきてかごめまでも殺そうとした。髪の毛は膝裏ほどもあり、犬夜叉同様の銀髪。爪から骨をも溶かし妖怪の体内に入ってもしばらく影響をのこす毒を発する「毒華爪(どっかそう)」の他、アニメでは指先から妖力を鞭状に振るう技も使う。また、第3回劇場版「天下覇道の剣」及び第4回「紅蓮の蓬莱島」にて「蒼龍破(そうりゅうは)」という風の傷に酷似した技を使う。この技は闘鬼神・天生牙のどちらでも放っているため、殺生丸自身の妖力に起因するものと思われる。犬夜叉との鉄砕牙を巡る戦いで左腕を失ったが、片腕でもハンデを感じさせない。因みに、一時期左腕は他の妖怪などのそれと付け替えていた。劇中では、何度か鉄砕牙を手に取って風の傷を放っているが、その描写は犬夜叉のそれとは桁違いの威力を誇っていた。鉄砕牙とは別に、もう一つの父親の形見の刀「天生牙(てんせいが)」を持つ。が、天生牙は“何者も斬る事が出来ない”癒しの刀であった為、殺生丸は“斬る刀”である鉄砕牙に強い執着を向けていた。犬夜叉との幾度かの戦闘の後にその執念は段々と薄れていったらしく、奈落の分身の一人の悟心鬼の牙から打ち出した妖剣「闘鬼神」を手に入れると、以後はそれを得物として振るっていた。闘鬼神はそれ自体が強烈な邪気を纏う妖剣であり、並み大抵の力量の持ち主では使いこなせず、逆に刀に乗っ取られてしまう程で、膨大な妖気の持ち主である殺生丸だからこそ制御できる。という様な、危険物である以外にこれといって特色の無い刀だが、その破壊力に関しては超一級品で、剣圧だけで相手を切り刻み吹き飛ばすその威力は、鉄砕牙の「風の傷」をも凌駕する。その後、奈落の心臓たる化身の妖怪、魍魎丸との二度目の対戦にて闘鬼神は折れてしまった。本来殺傷力を全く持たない天生牙だったが、神楽の死を悼む殺生丸の心の変化を感じ、呼び寄せた刀々斎の手によって新たに鍛えなおされた。こうして、敵を冥界へと直接送り込む「冥道残月破」を習得した新生天生牙は、失われた闘鬼神の後を継ぎ、殺生丸の主戦力となる(……筈だったが、実は夢幻の白夜に向けて放たれた牽制の一撃を除いて、彼がこの奥義を持って奈落と対峙する事はついに無かった)。その後殺生丸の母からの試練により、冥道残月破はかなり完成度が上がり、それと同時に大事な人を亡くす悲しみも感じる事が出来た。もともと非情な性格であったが、りんと出会い、わずかではあるものの愛情や慈悲の心が芽生え始めている。敬愛する父親の敵だった死神鬼から「冥道残月破は元々自分の技だった」と知らされただけでなく、天生牙が鉄砕牙から切り離されたものだと言われ激しく動揺する。更に、父親がいずれは殺生丸の会得した「冥道残月破」も鉄砕牙に譲らせるつもりであった由を刀々斎から聞き、犬夜叉と比較してあまりに不遇な父の自分に対する措置に激しい憤りを抱えるが、その中で父の真意について彼なりに熟慮する等、当初と比べて大きく精神面で成長した面が見られた。現在、邪見、りん、琥珀とともに旅をしている。真の姿は巨大な犬だが、普段は人型を象っている。化け犬姿のときは激烈な破壊力を誇るが滅多に使わない。人間換算年齢は19歳。
- 邪見(じゃけん)(声優:長島雄一(現:チョー))
- 殺生丸に付き従い、忠誠心を燃やす妖怪で、どこか間の抜けたところがある。原作者は邪見やりんについて少年サンデーのマンガの描き方を教える「第12回まんがカレッジ特別講座」において「漫才のボケとツッコミみたいに役割分担させるとうまくキャラの配置ができる。お堅いキャラの脇にはいい加減なキャラを置くとお互いのキャラが強調し合って魅力を引き出しあうだけでなくお話もうまく運ぶ。」とコメントしている。りんを自分の支配下に置いていると思っているようだが、実際にはりんの支配下にある状態。殺生丸の母親に最後まで名前を覚えてもらなかったばかりか、小妖怪扱いされ痛く傷ついたが、母親がりんを蘇生させた際は、主人である殺生丸の胸の内を代弁し、涙を流して感謝した。自身の戦闘能力は皆無だが、翁と女の顔を持つ「人頭杖」という杖を持ち、翁の口から人間の軍隊を跡形もなくすくらいの炎を吐かせて戦うことがある。
- りん(声優:能登麻美子)
- 野盗に親兄弟を殺され、言葉をなくした少女。犬夜叉との戦いで深手を負った殺生丸を介抱した。自らも鋼牙の手下の人喰い狼に殺されるが、殺生丸の「天生牙」によって生き返って言葉も取り戻し、以前よりも明るい性格になった。現在は殺生丸を慕って邪見や阿吽と旅に同行し、その旅の中で殺生丸が天生牙を鍛えるため冥界に行くときについて行くも、再び命を落としてしまう。天生牙は同じ者に対しては1度しか使用できない為、殺生丸には生き返らせる術は無かったが、殺生丸の母親によって生き返らせてもらった。冥界の一件で、殺生丸にとって唯一無二の存在であることが確認された。
- 琥珀(こはく)(声優:矢島晶子)
- 珊瑚の弟。武器は鎖鎌。一度死んだが、奈落が四魂のかけらを入れることにより蘇生、奈落に記憶を操作され忠実な手下となっていた。現在は、本来の記憶を取り戻し、桔梗と行動を共にしていたが、桔梗の死後、殺生丸一行に加わる。なお、四魂のかけらで命を繋いでいる為、りん同様、天生牙で生き返らせることは出来ない。琥珀の持つ四魂のかけらは奈落を倒す鍵となる。年齢は11歳。
- 阿吽(あうん)
- 殺生丸の連れている双頭の龍。空を飛び、口から電撃を吐く。りんとよく一緒にいる。
奈落一味
- 奈落(ならく)(声優:家中宏→森川智之)
- 浅ましい心をもった「鬼蜘蛛(おにぐも)」という名の野盗をつなぎに、無数の妖怪が寄り集まってできた半妖。全身の瘴気を武器とし、体から妖怪を出し入れできる。また、狒々の皮を被った傀儡を使うこともある。鬼蜘蛛の感情を受け継ぎ、桔梗に想いを寄せていた。半妖である自己の存在を忌まわしく思っており、それゆえにひたすら強大な力を求めており、そのために四魂の玉に執心する。今現在、琥珀の背中に埋め込まれている一片以外、すべては奈落の手中に有る。直接の戦闘よりも人の弱みに付け込む卑劣な策略を好む性格は冷酷。人間の姿を借りる能力があり、現在はとある城の城主・人見蔭刀(ひとみ かげわき)に成り代わっている。白霊山に身を隠した時に新生奈落としてパワーアップを遂げ、鎧を纏ったような姿となった。それ以後は、体や結界で妖気の流れを変えたり、吸収・増幅して反撃できるようになり、また粉々に粉砕されても僅かな肉片からその場で再生できるようになった。桔梗に致命傷を負わせ、鋼牙の四魂のかけらを奪ってからは、なりを潜めている。なお、奈落の背中には鬼蜘蛛の名残と思われる蜘蛛形の痣があり、奈落の分身達にも同様に受け継がれている。人間換算年齢23歳(人見蔭刀)。
- 神楽(かぐら)(声優:大神いずみ)
- 奈落が生み出した分身で、風使い。扇子で風を操り、カマイタチで切り裂く「風刃の舞」・竜巻で突き刺す「竜蛇の舞」・死体を操る「屍舞」等の技を使う。風のように自由に生きたいと考え、奈落への背信を企図するが、神楽の心臓は奈落の手中にあり、彼女の命は奈落に握られている状態。そのため殺生丸に助けを求めるなど知略を廻らすも、最期は奈落に心臓を返してもらうと同時に瘴気を注ぎ込まれ、天生牙でも救われることなく殺生丸に見取られながら風となって消えていった。またテレビゲーム「犬夜叉 ~呪詛の仮面~」でも奈落に心臓を握りつぶされて殺された。度々、奈落を殺す算段がつくと殺生丸を頼っていた。終盤には殺生丸に想いを寄せていたような描写が見られるようになった。人間換算年齢17歳。
- 神無(かんな)(声優:ゆかな)
- 奈落が生み出した分身で、妖気も気配もにおいも無く他の分身たちとは、かなり掛け離れている。見た目は幼い少女の姿をしているが、神楽より先に奈落から生み出されたため姉にあたる。口数が少なく、いつも大きな鏡を抱えている。その鏡は魂を吸い取り、また攻撃を跳ね返す能力を持っているが、魂の容量には限りがありかごめの魂は吸い切れなかった。また、その鏡を解放すると巨大な武者のような鏡の妖が出てくる。この妖は見たものをそっくりそのまま写し取り相手の力を奪い取ることができる。ただし、この妖の受けた傷は全て神無が負う。奈落を裏切ったようなそぶりを見せていたがそれすらも奈落の策略。奈落の命令で犬夜叉と戦った。犬夜叉は傷ついて無力になった神無にとどめを刺そうとはしなかったが、結局奈落が神無を自爆させる。最期は、かごめに「光が奈落を殺す。」というメッセージを残した。人間換算年齢10歳。
- 最猛勝(さいみょうしょう)
- 奈落が居る場所に現れる、地獄の毒虫。スズメバチに似た姿をしている。主に弥勒の風穴を封じるのに使われる(吸い込むと弥勒の体内に毒が回ってしまう)他、スパイ、物品運搬など、奈落の手先となり働く。
- 悟心鬼(ごしんき)(声優:佐藤正治)
- 奈落から生まれた第三の妖怪。人の心を読む能力があるため相手よりも先回りして攻撃できる。鉄砕牙を噛み砕き、犬夜叉を追い詰めたが、犬夜叉が妖怪に変化(へんげ)し、引き裂かれてしまった。なお、首を飛ばされた悟心鬼の牙は天生牙で甦った後、殺生丸の依頼により、灰刃坊が闘鬼神という刀に仕立てた。
- 獣郎丸(じゅうろうまる)/影郎丸(かげろうまる)(声優:ともに山崎たくみ)
- 奈落から生まれた第四・第五の妖怪。二体とも同じ顔をしている。獣郎丸は一言も喋らず闘争本能しかなく、奈落の壷の中で生まれたとたんに奈落の首をはね落とす凶暴な性格(しかし奈落はそれでも死なない)。影郎丸の言う事しか聞かない。影郎丸は小さく、カマキリのような腕をしており、普段は獣郎丸の体内に隠れている。獣郎丸の分までよく喋る。目に見えないほどの速度で動き回り、地中に潜って奇襲をかけることもできる。犬夜叉と鋼牙の共闘によりまとめて倒される。
- 無双(むそう) (声優:家中宏)
- 奈落が、桔梗を慕う鬼蜘蛛の心を捨てようとして切り捨てた肉塊が人型の妖怪となった。鬼蜘蛛の心が不完全な形で出された姿。鬼蜘蛛としての記憶も、奈落の分身としての自覚も無かったが、かごめの姿を見たことをきっかけに記憶を取り戻す。顔が無く、「無双」という僧侶から顔(の皮)と名前を奪った。性格は残虐。奈落と同様、粉々に粉砕されても心臓を中心に再び一つに結集して再生し、また体の一部を変形させて武器にする能力を持つ。自分を“つなぎ”として利用していた奈落を嫌う。しかし奈落の体はまだ、つなぎとしての鬼蜘蛛を必要としていたため、再び奈落に取り込まれた。
- 赤子(あかご)(声優:小林愛)
- 奈落の分身。奈落が捨て去った鬼蜘蛛の邪心を持っている。鬼蜘蛛の心が完全な形で出された姿。ただし、もとの人間らしい心と桔梗を慕う心は持っていない。性格は冷酷。人間の心の闇をつく心理攻撃をする。最初は一体だったが和尚の法力をくらって二体に分裂した。片方は子供の姿になり、白童子(はくどうし)と名乗る。猪の妖怪から奪った薙刀を武器とする。魍魎丸という妖怪を作り出し、奈落を裏切ろうとしたが、奈落に感付かれており、最期は弥勒の風穴に吸い込まれて消滅した。もう片方には奈落の心臓が隠されており、神無が魍魎丸の体内に入れた。その後魍魎丸を利用し奈落になり変わろうとしたが逆に取り込まれてしまう。
- 炎蹄(えんてい)
- 白童子と神楽が殺した和尚に封印されていた妖馬で、解放した礼として、白童子に乗り物として付き従う。元は人食い鬼(アニメでは煉獄鬼(れんごくき)という名前)のものだった。最期は犬夜叉の爆流破に討ち倒される。
- 魍魎丸(もうりょうまる)(声優:てらそままさき)
- 白童子が、妖怪を寄せ集めて作った体に人間の魄(ハク)を入れて生み出した妖怪。魂が無かったため最初は人形のようだったが、神無が白童子の片割れである赤子を入れたことで自我が生まれた。自分に直接攻撃した相手を取り込んでしまう力がある。赤子が隠し持っていた奈落の心臓も受け継ぎ、奈落を裏切ろうとするが、彼らもまた奈落に吸収される。
- 夢幻の白夜(むげんのびゃくや)
- 幻術を使う奈落の新しい分身。あまり戦おうとせず、様子を見守る観察者的存在。奈落の代わりに策を張り巡らしたりする。現時点では奈落に忠実。
妖狼族
- 鋼牙(こうが)(声優:松野太紀)
- 妖狼族の若頭。足に四魂のかけらを仕込んでおり、つむじ風のように早く走れる。奈落と神楽の策略によって大勢の仲間を殺された事から、その仇を討つため奈��を追っている。思ったことをはっきり言う性格で、「俺はかごめに惚れたんだ」と公言したことから、犬夜叉とは「犬っころ」「痩せ狼」と呼び合い、いがみ合っている。アニメでは殺生丸と遭ったことがあったが「犬夜叉はムカツクがアニキのほうはなんとも思っていない」と言って喧嘩にはならなかった(銀太と白角は喧嘩になるのを心配していた)。奈落と戦うため、一時期犬夜叉一行に加わったが、奈落に四魂のかけらを奪われてしまい、自ら戦線を離脱する。桔梗を失い悲嘆に暮れる犬夜叉を思い、かごめをきっぱり諦めたことで男を上げた。かごめに会いに来る際、犬夜叉を踏んづけていくのはお約束。四魂のかけらによって手に入れた足の速さや足技と、妖狼族に代々受け継がれてきた「五雷指」という特殊なカギ爪を武器に戦う。人間換算年齢15歳。
- 銀太(ぎんた)/白角(はっかく)(声優:吉野裕行/岸尾大輔)
- 鋼牙の子分。かごめを姐さんと敬っている。一時期、灰(かい)と芯太(しんた)という名の幼い妖狼族の兄弟を群れに送り届けるため、鋼牙と離れていたが、鋼牙が戦線離脱する際に戻ってきた。尚、トサカ頭が白角。名前はアニメのみの設定。
- 菖蒲(あやめ)(声優:かかずゆみ)
- 鋼牙に片思いしている北の妖狼族の少女。木の葉を手裏剣のように操る技が得意。昔、妖狼族の天敵である妖怪「極楽鳥」に襲われたところを鋼牙に助けてもらい、その時に鋼牙が言った言葉を信じていた純情一途なところがある。アニメのみ登場。
現代の人々
- 日暮草太(ひぐらしそうた)(声優:中川亜紀子)
- かごめの弟。小学三年生。姉と違い、お化けや妖怪は大の苦手だが、犬夜叉の事は「犬のにーちゃん」と呼び、なついている。アニメ版では「サッカー選手」になることが夢らしい。
- かごめの母(声優:百々麻子)
- 本名不明。あまり物事に動じない性格。アニメ版では流れ星を見つけた際、「宝くじが当たりますように」とお願いした。草太に「医者になってほしい」と言ったらしい(草太談)。
- かごめの祖父(声優:松尾銀三→鈴木勝美)
- 本名不明。日暮神社の神主。物の由来をいちいち語りたがる。かごめが戦国に行っている間は、学校を休む口実としてかごめが様々な奇病にかかったとしている。草太を神社の跡継ぎにするつもり(アニメ版)。
- 北条(ほうじょう)(声優:うえだゆうじ)
- かごめの同級生。良い人であることに間違いはないのだが、天然ボケの気があり、かごめに対する恋愛感情の発露もユニークである(例:竹踏みを渡して踏むことを薦める)。戦国でかごめ達が出会った北条秋時は彼の先祖とのこと。自分はかごめと付き合っていると思い込んでいる。原作では第15巻(サンデーでの掲載は1999年)を最後に登場していない(アニメではオリジナルストーリーや映画版で登場)。
- 由加(ゆか)/絵理(えり)/あゆみ(声優:清水香里/増田ゆき/岡本奈美)
- かごめの同級生の友達で特にあゆみはおっとりしているが頭がよく成績がいい。かごめが「不良の二股暴力男」と付き合っていると勘違いしていた(あながち間違いとも言い切れないが)。原作34巻で犬夜叉と対面(耳はバンダナで隠していた)し、認識を改めた。名前はアニメのみの設定。
その他
その他の登場人物
- 犬夜叉の父(声優:大塚明夫)
- 西国を支配していた犬の大妖怪。アニメのオリジナルの設定では犬夜叉が生まれた夜、竜骨精を封じるのに瀕死の重傷を負った上で刹那猛丸と戦い死んでいったとされている。名は映画「天下覇道の剣」公開前後に公式サイトで闘牙王(とうがおう)という名前が発表されたが、その後再び「犬夜叉の父」に戻っており、真相は不明である。犬夜叉に鉄砕牙、殺生丸に天生牙を与えたが、天生牙の秘密が白日のもとにさらされ、殺生丸を憤怒させるだけでなく、兄弟仲の悪さを決定的なものにしてしまうなど、とかくその「本意」とやらのわかりにくさが周囲を混乱させる元となっている。
- 犬夜叉の母(声優:井上喜久子)
- 没落系貴族の人間。犬夜叉が幼いときに亡くなった。アニメでは十六夜(いざよい)という名前がついている。作中では無女という妖怪が化けて犬夜叉を取り込もうとした。
- 殺生丸の母
- 殺生丸と同じ犬妖怪で、額に月のしるしがある。りんを冥界の犬にさらわせ、殺生丸を冥道へ送り込んだ張本人。高飛車で子を子とも思っていないかのような振る舞いやシニカルな言動に母性を疑われたが、殺生丸が最終奥義を獲得するよう導いた。「殺生丸が悲しんでいる」と聞き、死んでしまったりんを生き返らせるなど、母親らしい一面も見せている。りんと殺生丸の関係を「変なところが、父親に似てしまったな」と喝破してのけた。
- 裏陶(うらすえ)(声優:太田淑子)
- 鬼女。桔梗の霊骨を奪い、墓土の体で桔梗を復活させようとするが、その復活した桔梗に倒された。
- 鬼蜘蛛(おにぐも)(声優:家中宏)
- 50年前、大怪我をして動けなくなったところを桔梗にかくまわれていた非道な野盗。桔梗を手に入れるために動けぬ体を妖怪に差し出し、数多の妖怪と結合し半妖奈落となる。全身大火傷を負っていたため、素顔は不明。後に無双として目を覚ます。
- 翠子(みどりこ)
- 強い霊力を持ち、かつて四魂の玉を生み出したと伝えられる巫女。妖怪の魂を奪い浄化する術を使う。珊瑚の故郷である退治屋の里の洞穴の奥に、妖怪とともに木乃伊(ミイラ)化している。桔梗と魂を一つにする。
- 瞳子(ひとみこ)
- 小さな村に住まう巫女、巫女としての霊力は高かったが奈落の策により殺される。己の死後に首と胴を分けて埋葬しろと村人に託たが実行されず魂と肉体を奈落に捕らえられ、かごめを殺す刺客として差し向けられる。身の自由は利かないが自我は保っている。
- 椿(つばき) (声優:山田美穂)
- 四魂の玉を手に入れようとして奈落と手を結び、式神を使ってかごめを呪殺しようとした黒巫女。妖怪に魂を売って永遠の若さを手にしているが、老女に化けることもある。生前から桔梗のライバル的存在だったようだが、共闘した際のコンビネーションは絶妙であった。体内に多数の妖怪を飼っている。
- 白心上人(はくしんしょうにん)(声優:松岡文雄)
- 生前徳をつんだ僧で飢饉、疫病に苦しむ村を救うため村人に請われて即身仏となったが入定の直前に人間本来の死の恐怖、自分をそうさせた村人への恨みが頭をもたげ、奈落につけ込まれて白霊山に聖なる結界を張ることになる。結界を弥勒と珊瑚に破られた後、桔梗に諭され成仏した。
- 甘利信長(あまりのぶなが)(声優:石田彰)
- 武田家につかえる若侍で、露姫の身を案ずる主人から、挙動不審(九十九蝦蟇に取り付かれたため)な嫁ぎ先の領主から露姫を救出する命を受けた。露姫はその領主が好きで、骨折り損の結末を迎える。織田信長を「うつけ者」と評していることからこの作品の大体の年代がわかる。因みにこの武田家は甲斐武田氏ではなく上総武田氏で、信長は1401 - 1477に実在した武田家の当主(武田信長)がモデル。そこまでの言及はアニメ、コミックともになされていない(苗字は甲斐武田氏と勘違いしたアニメ版スタッフが武田信玄の家臣で二十四将の一人甘利虎泰にちなんでつけてしまったもの)。
- 竜骨精(りゅうこつせい)(声優:井上和彦)
- 体の長い竜の妖怪。竜の額に人面がついており、そちらが主人格と思われる。犬夜叉の父と戦って心臓に牙をつきたてられ封印された。(しかし犬夜叉の父に死因となる傷を負わせている)奈落が犬夜叉と戦わせるべく復活させた。風の傷を受け付けないほどの防御力と強力な雷球を操るが、犬夜叉の爆流破で倒された。
- 朴仙翁(ぼくせんおう)(声優:鈴木泰明)
- 樹齢2000年の朴の木が妖怪化したもので、犬夜叉の父とは友人だった。鉄砕牙・天生牙の鞘は彼の枝から作られたもの。
- 刹那猛丸(せつなのたけまる)(声優:松本保典)
- 三作目の映画『天下覇道の剣』オリジナルキャラクター。元は犬夜叉の母・十六夜の家に仕える武士で、彼女のことを想っていた。それゆえに彼女が妖怪(犬夜叉の父)との間に半妖の子(犬夜叉)を身篭ったことが許せず、彼女を斬殺。燃え盛る炎の中で犬夜叉の父に左腕を切り落とされながらも死闘を繰り広げ死亡。しかし50年後、叢雲牙によって甦り、天下を獲ろうとする。
雷獣兄弟
- 七宝の父を殺害した悪徳妖怪。
- 飛天(ひてん)(声優:神奈延年)
- 雷獣兄弟の上の兄。武器は雷撃刃。四魂のかけらを持っている犬夜叉と対決。怒らせると恐い性格で、満天が四魂のかけらのことをすっかり忘れてかごめだけをさらってきたので飛天は激怒した。兄弟仲は良いらしく、殺された満天の亡骸を抱いて号泣した。最後は一刀両断にされ倒される。
- 満天(まんてん)(声優:稲田徹)
- 雷獣兄弟 飛天の弟。口から雷撃を吐く。自分の残り少ない髪を七宝に燃やされ激怒し攻撃。その後、かごめをさらって毛生え薬の材料にしようとした。犬夜叉と飛天の対決の際、かごめを襲って殺そうとするが、犬夜叉の鉄砕牙に串刺しにされ倒される。
- 蒼天(そうてん)(声優:水谷優子)
- 雷獣兄弟と同族の妖怪。実は女子。紅竜を従がわせ、犬夜叉一行を罠に落とし入れ七宝をさらった。七宝の持っていたもの(かごめが現代から持ち込んだクレヨン)を欲しがるようになり、それを掛けて対決をする。七宝は最初彼女をただの子供だと見下していたが、彼女の力を見てほめるようになる(とは言っても、戦いは団栗の背比べで一方に決着が着かなかった)。そして彼女が女子だと知った七宝は呆れ返り、クレヨンを渡して去っていった。その後、七宝に好意を持った彼女は野原で七宝の似顔絵を書いていた。アニメのみ登場。
- 紅竜(こうりゅう)(声優:大谷育江)
- 蒼天の配下。三回殴られると雲のような物体に変身する。蒼天の指示で犬夜��一行を罠に落とし入れた。最初の内は成功していたが、犬夜叉とかごめの時は見事に失敗して捕まる。その後、偉そうに言われて怒った犬夜叉が三回殴り、雲に変化。矢を乱れ打ちして犬夜叉とかごめを襲うが、その矢はこけおどしだとばれてあっけなく敗れる。アニメのみ登場。
七人隊
かつて「七人で百人分の働きをする」といわれるほどの圧倒的な戦力を誇ったが、その強さと残虐性を恐れた大名によって斬首された傭兵部隊。東国出身だが、討伐時に逃げた先の北の地で殺され、白霊山の麓の寒村につくられた七人塚に葬られた。奈落によって首(巨体を誇る凶骨のみ額)に四魂のかけらを埋め込まれて復活、「犬夜叉たちを全員倒せば四魂のかけらを永久に与える」という条件をのみ犬夜叉一行や鋼牙らと戦う。亡霊であるため死人と墓土のにおいがするが、妖気は持たない。四魂のかけらを埋め込むと力が増すが、体内のかけらを全て抜き取られると骨に戻ってしまう。一部のファンの間では、カルト的な人気を誇っている。
- 蛮骨(ばんこつ)(声優:草尾毅)
- 七人隊の首領。髪型は長い三つ編みで額に十字の形の紋様をもつ。七人の中で最年少であるが、腕っぷしの強さで仲間達を束ねてきた。大の男が3人がかりでやっと持てたという大鉾「蛮竜」を軽々と扱う腕力の持ち主。「蛮竜」は犬夜叉の攻撃によって傷がついたが、四魂のかけらを使って修復したまた、ドラマCDでは、蛮竜をまな板代わりにすると言う、違った使用方法もある。残忍な性格だが、仲間に対する思いやりは強い。ただし裏切りは決して許さず、蛇骨の四魂のかけらを奪い殺した煉骨を骨に還した。犬夜叉と互角の勝負をし、最期は奈落に殺される。年齢17歳(享年17)。
- ドラマCD『地獄で待っていた七人隊』では、旅芸人であり、七人隊で唯一、料理が下手である。
- 煉骨(れんこつ)(声優:杉田智和)
- 七人隊の副将、参謀。頭が良いが冷酷で目的のためには手段を選ばない。寺を乗っ取って僧侶に扮することで犬夜叉一行を騙し、奈落に関する情報を得ると共にかごめから四魂のかけらを奪った。手甲から出す鋼の糸(ワイヤー)や油を用いた火炎攻撃、砲筒(バズーカ)や爆雷筒(ダイナマイト)といった自作の兵器を使って戦う。銀骨の改造なども行っていた。鋼牙との戦闘の際に負った怪我で動けなくなり、銀骨が残した四魂のかけらを治癒に使った。かごめから奪った四魂のかけらを隠し持っていたことが発覚した際、蛮骨に二度は許さないと釘を差された為、銀骨の四魂のかけらを無断で使った自分が生き延びる為には蛮骨を倒すしかないと思い込む。蛇骨の四魂のかけらを奪い殺した為、蛮骨の手で殺された。年齢24歳(享年24)。
- 蛇骨(じゃこつ)(声優:折笠愛)
- 七人隊の一人で切り込み隊長を自称する。同性愛者で、殺生丸はかっこいいがあまりにもつめた過ぎてタイプではなく、鋼牙は生足はいいのだが野性的過ぎるからタイプからは、はずれ、犬耳の可愛い犬夜叉の事が気に入ったらしい。女嫌い。原作者は犬夜叉図説大全奥義皆伝のインタビューで、メンバーにバリエーションをつけるため当初は女性という案もあったが犬夜叉が女性を倒すのはどうかと思い、やめたとコメントしている。そのため、女ものの着物を着、蝶柄の簪で髪をまとめ、紅を口に差すなどオカマっぽいキャラなのは当初の設定の名残りと思われる。「蛇骨刀」という折りたたみの仕込み刀を自在に操り、男と殺戮以外には興味は無い。素直で、しばしば無邪気な表情を見せるが、残虐性や加虐癖をも持つ(いわゆるサディスト)。また、霧骨の最期を見ながらも冷静に退いたり、睡骨の四魂のかけらを取って死なせてやる、意外にシビアな面も見せた。蛮骨とは特に仲が良く最も信頼されており、アニメでは七人隊結成以前から行動を共にしていた。最期は犬夜叉に手ひどくやられ、それを見ていた煉骨に四魂のかけらを取られて骨に還る。生への執着はなく、二度目の人生を楽しんだと納得して死んだ。親しみやすい一面も持つためか、七人隊の中で最も人気のあるキャラクターでもある。年齢20歳(享年20)。
- 霧骨(むこつ)(声優:稲田徹)
- 七人隊の一人。七人の中で最も小柄な白装束の男。毒使いで女好きだが、なかなか女にモテない自分の容貌に劣等感を抱いており、かごめをさらって自分の嫁にしようとした。毒に身体が慣れており、種々の毒を自ら調合する。唾液すらも他者にとっては毒となる(この設定は原作のみ)。彼の毒の強さは蛇骨も認めるところで、かごめ・弥勒・珊瑚を苦しめるが、殺生丸には全く効かず、あっけなく斬り捨てられる。四魂のかけらは最猛勝に回収されたのち、蛮骨の手に渡った。
- 銀骨(ぎんこつ)(声優:江川央生)
- 七人隊の一人。戦いで傷付くごとに煉骨に改造され、全身に多数の武器を仕込んでいるサイボーグとなった。ゆえに煉骨を誰よりも信頼・尊敬している。後に犬夜叉によってバラバラにされ、戦車のような姿に改造された。改造されてからは主に「ぎしぎし」としか言わなくなった。鋼牙の捨て身の攻撃を受け、原作では破壊されるがアニメでは尚も戦い、最期は煉骨を庇って自爆し、四魂のかけらの力で爆発から煉骨を守った。
- 睡骨(すいこつ)(声優:平田広明)
- 七人隊の一人。善良な医者と残忍な殺人鬼の2つの心を持つ二重人格者。蘇った後は、過去の記憶を持たない「医者」の睡骨として白霊山の麓の貧しい村に住み、身寄りのない子供たちを養っていたが、蛇骨から子供を庇おうとして負傷したことにより「殺人鬼」に人格が変わる。「殺人鬼」の睡骨は髪が逆立っており、鉤爪付き手甲を用いた接近戦を得意とする。また、正反対の人格を併せ持つがゆえに「医者」人格は血を見ることを恐れ、「殺人鬼」人格は医者や坊主などの善人を嫌っている。殺生丸一行との戦闘の途中でりんや邪見とつり橋から川に転落して流された後、外見は「医者」人格だが心は「殺人鬼」人格という、特殊な状態になる。医者のフリをしてりんを連れ白霊山麓の村に戻り、村を出ることを要求した村人達を惨殺するも、「医者」人格の影響で村の子供たちは殺せなかった。最期は喉に突き立った桔梗の矢に浄化されて「医者」人格に戻り、死んだ記憶や他人格が殺人者であった記憶も戻り、桔梗に殺してくれるよう頼む。蛇骨に四魂のかけらを取られ、桔梗に看取られながら骨に還った。四魂のかけらは蛇骨の手を経て蛮骨に渡った。年齢26歳(享年26)。
- 凶骨(きょうこつ)(声優:郷里大輔)
- 七人隊の一人。人間離れした巨体の持ち主(頭部だけで2m近くある)で、口は大きく裂けて歯は尖っているため「大鬼」とも呼ばれたが、本人は「俺は人間さまだ」と主張する。その巨体を武器にして力任せに戦い、妖怪すら捕まえて食べる。巨体を維持することが思考の大半を占めており、頭は殆ど使わない。生前は鋼牙と戦った時に比べてまだ小さかった。鋼牙の四魂のかけらを奪おうとするが、返り討ちに遭う。力は強いが技は達者でなく、蛇骨曰く「(七人隊の中で)一番弱かった」らしい。四魂のかけらは最猛勝に回収されたのち、蛮骨の手に渡った。
瑪瑙丸一味
一作目の映画『時代を超える想い』オリジナル。かつて元が日本に侵攻してきた際(元寇)に攻め入ってきた妖怪達の残党。犬夜叉の父によって封印されていたが、四魂のかけらの力によって封印が解ける。
- 瑪瑙丸(めのうまる)(声優:関智一)
- 突然犬夜叉とかごめの前に現れた瑪瑙丸一味の首領。犬夜叉の父に敗れ、時代樹に封印された飛妖蛾(ひょうが)の息子。犬夜叉に重傷を負わせて、蛾の燐粉で気絶したかごめをさらっていった。犬夜叉と戦って犬夜叉の父の牙の封印もろとも切られるが、時代樹の力によって再生した。(これは、実は飛妖蛾の力を受け継ぐ「継承の儀式」を行うための策略に過ぎなかった。)また、かごめに埋め込んだ勾玉で彼女を操り、犬夜叉にまた重傷を負わせた。村の人々や玻璃の魂、果ては死魂までもを集め最終形態(巨大化)へと変化したが、かごめの矢と犬夜叉の爆流波の連携で倒された。
- 瑠璃(るり)(声優:椎名へきる)
- 青っぽい髪をお団子にしている女。相手の能力を模倣し、自分も使うことができる。弥勒の風穴を模倣して襲ったが、最終戦で弥勒を倒すために風穴を自分で広げた上、長時間開き続けたことにより制御できなくなり、最後は自分の風穴に吸い込まれて消滅した。
- 玻璃(はり)(声優:川上とも子)
- ピンク(薄い紫)っぽい髪の長い女。勾玉を埋め込んだ相手を操ることができる。雲母を操って従え、かごめには犬夜叉を襲わせた。最後は正気を取り戻した雲母と珊瑚により体を真っ二つにされ、再生しようとするも、瑪瑙丸の変化のために魂を吸い取られて戦いの場から落下していった。